NON DATA

「でも、お祝いは年中無休で受付中ですから!」

ぱっ、と花が咲いたように、少女が笑う。

「何なら、鳴海さんが決めて下さっても構いませんよ」
「…何をだよ」
「だから、誕生日です」

誕生日というのは、生誕記念日なんだから、そんな勝手に決められるものでもないだろう。
だが、歩はその言葉を飲み込んだ。

決められるなら、決めてやろう。
ふと、そんな思いがよぎったのだ。





「おめでとう」

「何がです?」
「誕生日、今日にしよう」
「……はい!?なんで…っ」









『晴れたから』




―――だって、あんたには明るい日差しが似合うだろう?


窓の外。
雲の切れ間からは、太陽の光が細く、白く輝いていた。



 ≪fin.≫
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