NON DATA

「!!…ふざけんなっ」

思わず立ち上がった歩を見て、堪らずひよのが吹き出した。

「あははっ、冗談に決まってるじゃないですかー。嫌ですよ、そんな鳴海さんは」

あまりに大笑いされては、面白くない。
とっとと話題を変えようとして歩は、ふと気が付いた。


「そういえば、あんたはいつなんだ?」
「ははっ、何がです?」

「誕生日」


さりげなく聞かれた言葉。
別に、隠すほどの事でもないのだが。

「企業秘密です」

「あっそ」

大して興味もないように、それ以上聞いてこない歩を見て、一瞬、顔が強張った。
幸い、彼は気付いていないようだが。

「むしろトップシークレット!国家機密ですよ!!」
「なんだそれ」

呆れたようないつもの口調に、自然と顔がほころぶ。
7/9ページ
スキ