NON DATA

といっても、会話をする意思を見せるだけなのだが。

「なんだ。人の名前連呼してたって事は、何か用だったんじゃないのか?」

すると、ひよのの猛攻撃がぴたり、と止まった。

「…あ、あの」
珍しく、歯切れが悪い。

「鳴海さんは明日、何かされるんですか?」




「…ナニカ?」

はぐらかそうとしたが、真剣な表情のひよのを見て、思いとどまる。きっとこの娘の事だから、全てを知った上で、聞いているのだ。

「とりあえず、夕飯のリクエストでも叶えてやるかな」
できるだけ、素っ気なく言ってみる。
「ねーさんの誕生日だし」


「それだけ、ですか?」
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