小ネタまとめ
群青×泥棒⑧
2024/08/21 22:17群青の鮫派生ネタ
ルパン三世のアニメ新シリーズ、加えてテレビSP、今回のは作画が絵のように綺麗ですし、レベッカちゃんが良いキャラしてるしで毎度楽しみに見ております。
確率オジサンも面白いですね。
見てない方は是非に。
新シリーズを見て、貴女が満足する確率、100%!
こっちもそろそろ更新です!
~前回のあらすじ~
ボンゴレは三度裏切られる。
ボンゴレ9代目ティモッテオは、目の前で膝をつき報告をあげる男に、厳しい視線を向けていた。
「敵は外の見張りに見付かり、戦闘となりましたが、こちらの力を恐れたか、逃亡。
その後の足取りは掴めておりません。」
「ああ!?お前らプロの癖に素人のこそ泥取り逃がしたってのか!?」
取り逃したと言う報告に、守護者の一人がかっと目を見開いて、責めるように怒鳴った。
怒鳴られた男は、剣呑な目で守護者達を睨み上げる。
一触即発。
そんな空間に割って入ったのは、銭形警部だった。
「いえ、落ち着いてください。
彼らが優秀であることに間違いはないでしょう。
しかし相手がルパンの奴なら話は別だ。
むしろ奴が逃げ出したことなど今までない!
……きみ、本当にルパンは逃げたんだな?」
「はい、ルパン三世、及びその仲間達は逃げていきました。」
「……ふむ、ならば奴はもう一度ここへ来るでしょうな。」
厳しい顔付きながらも、ヴァリアーの男を気遣う銭形に、彼もまた真っ直ぐに銭形を見詰め返して言い切る。
……とは言っても、彼の言っていることには、だいぶ言葉が足りていないのだが。
ルパンは逃げたのは真実だが、それを味方の、しかも幹部が手助けしたことなど、おいそれと言えるはずがない。
それにスクアーロと連絡が取れなくなり、さらにはベルフェゴールとルッスーリアが、折角捕まえた泥棒を解放してまで彼を探している今、ヴァリアーの母体であるボンゴレに目を付けられるのは避けたい。
どうやら銭形と言う男のお陰で、守護者達の意識はルパン三世を捕まえるための作戦を練る方へと向いたようだが、問題はまだまだ山積みに残っている。
「ところでスクアーロ君はどこかな?
彼にも話を聞きながら作戦を立てたいのだが……。」
「あ、隊長は……ルパンとの戦いで怪我人が出たため、今はそちらの処理をしております。
しばらくはこちらには来られないかと。」
「む、そうか。
若いのに部下思いの良い男だ。
では片が付き次第こちらに来ていただけるよう伝えてはくれないかな?」
「ぁ……はい!畏まりました!」
久々に、ストレートに誉め言葉を掛けられて、男は一瞬動揺した。
第三者としての立ち位置からの、嘘偽りのない誉め言葉。
スクアーロ本人に聞かせてあげられたなら、どんなに良かったか。
いや、必ずや彼を助けだし、今の言葉を伝えよう。
決意を胸に、男は9代目の疑うような視線を背中に感じながら、偽ボンゴレリングを安置してある部屋から出ていった。
* * *
「さてっとー……。
んじゃあ早速、五ェ門と合流するか。」
ルパンはそう言ったものの、五ェ門と電話は繋がらず、なんとかアジトに辿り着いたものの、そこももぬけの殻。
一向は途方にくれてアジトのソファーに座り込んでいた。
「アジトにもいねぇ、電話にもでねぇってなると、五ェ門と連絡をとる手段はもうねぇな。」
「さっき部下から連絡があったんだけどぉ……二人がいたところ、大量の血痕が残ってたらしいのよ……。
あんた達、どこかそのゴエモンってのが使いそうな病院とか知らないかしら?」
「病院ねぇ……。
オレらもイタリアにはあまり……あ。」
「あ?心当たりあったわけ?」
「ん……?ああ、もしかしてルパン、あいつか?」
「イタリアで頼りに出来る人間なんて限られてるし、可能性は高いんじゃねぇのか?」
「ふん、なるほどな。」
ルパンと次元が、何か思い当たったらしく、にっと笑って頷き合う。
「なになに?ちょっと教えなさいよ!」
「まあそう慌てんなって!
まずはアイツと連絡を……」
「しし、まずはオレ達に誰のことか教えんのが先だろ。
お前らの命が、オレ達次第だって忘れてねーだろ?」
「あーわかったわかったーっての!
相手は……」
ナイフを取りだし、ルパン達へと向けたベルフェゴールを見て、観念したかのように両手を上げて、ルパン三世はその名前を白状したのだった。
「レベッカ・ロッセリーニ。
オレの元フィアンセさ。」
「レ、レベッカ・ロッセリーニって……あのゴシップクイーンの!?
嘘でしょお!?」
「大マジだぜ。
五ェ門の知り合いで、医療施設を自由に使えそうな奴って言ったら、あのお転婆なお嬢ちゃんくらいだろうぜ。」
「……誰それ。」
驚いてソファーから飛び上がったルッスーリアを不思議そうに見上げるベルは、どうやら彼女のことは知らないらしい。
レベッカ・ロッセリーニ。
ベルは知らなかったが、彼女はイタリアでも屈指の名家、ロッセリーニ家の跡取りであり、若くしてその財閥の長を務め、そして何より、プライベートでの行動の派手さから、ゴシップクイーンの名を欲しいままにする有名人である。
そんな表舞台で輝く彼女と、闇の世界で動く大泥棒ルパン三世。
元とは言っていたが、彼らがフィアンセとは一体どう言うことなのか。
いやそれよりも、本当にそんなところにスクアーロが連れていかれているのか?
「まっ、とにかく行ってみようぜ。
あのスクアーロってのがいなくても、何かしら手掛かりは掴めるかもしれねぇしな。」
「……そうね。
じゃあさっさと行きましょう!」
僅かな疑問はあったが、それでも彼らはロッセリーニ家へと向かったのであった。
* * *
「手術終わったそうよ!」
「!結果は……」
「もっちろん、成功よ!
アイツ、大分重症だったみたいだけど、命に別状はないって!」
「そうか……それは良かった。
レベッカ、世話をかけたな。
助かった。」
「良いのよこれくらい!」
さてその頃、五ェ門はルパンの予想通り、レベッカを頼りにとある病院へと訪れていた。
ちょうどスクアーロの手術が終わり、それを知らせに来たレベッカと落ち合ったところらしい。
レベッカは礼と共に頭を下げた五ェ門ににやっと笑いかけると、声を潜めて楽しげに尋ねる。
「そーれーよーりーもー、あんた、さっきの奴とどういう関係なのよ?」
「む、どういう関係……とは?」
「もうしらばっくれないでよぉ。
始め見たときは驚いたし、あんたってそう言うの興味なさそうだと思ってたけど、やっぱりあれでしょ?
あいつってあんたの……恋人?」
「お主頭が沸いたか。」
「わ、わいてないわよ!」
レベッカの唐突な問い掛けに、五ェ門は本気で軽蔑したような目をして言った。
よりにもよって恋人などと思われるとは、あまりにも予想外だったし、何より自分が同性愛者だと思われるのは不愉快だ。
「某は同性に恋心を抱くような趣味はござらん。」
「……へ?何言ってんの?」
「某は当たり前のことしか言っておらん。」
「いやいやいやいや!
あんたもしかして、何も知らないであの人運んできたわけ?」
「……何が言いたいのだ、お主は。」
流石に、ここまで会話が噛み合わなければ、五ェ門も何かがおかしいと気付いたらしい。
首を傾げて問い返すと、レベッカは呆れたようにため息を吐いて五ェ門が気付かなかった真実を暴露したのだった。
「あのねぇ、あんたが連れてきたのは正真正銘の女の子よ!
そりゃあスタイルはお世辞にも良いとは言えないけど、それでも歴としたお、ん、な!」
「……な……なんだと……!?」
ガタッと立ち上がって、慌てて病室に駆け込む。
真っ白なベッドに横たわり眠るスクアーロの姿は、言われてみれば確かに、女性に見えないこともない。
「あきれちゃうわー。
もしかしてあの傷全部、あんたが付けたの?
だとしたらちょっと軽蔑しちゃうかも。」
「……某が傷付けたのは、肩のところだけだ。」
「あっそ。
て言うか、こいつ一体何者なの?」
「それは……」
超巨大マフィアボンゴレが保有する暗殺組織ヴァリアーの幹部であり、No.2の実力を持つ男……のはずだった。
「……おいおい話す。
まずは少し、己の頭を整理したい。」
「……そうね。
病院はまるごとロッセリーニの物だし、気が済むまでここにいると良いわ。」
「かたじけない。」
再び深く頭を下げた五ェ門に軽く手を降り、レベッカはその場を去っていった。
残った五ェ門は、目の前で眠り続けるスクアーロに目を向けると、ひっそりとため息を吐いた。
まさか、女だったとは。
痛みに僅かに歪んだ顔は、数刻前には鬼の形相で戦っていたとは思えないほど弱々しく見える。
女の身で、あれほどの強さを身に付けるために、今までどのような過酷な試練をその身に課してきたのだろう。
徐に近付き、触れてみた頬は熱く火照っている。
「お主と、話がしてみたくなったな。」
五ェ門はスクアーロが眠るベットの横に座り、彼女が目を覚ますのを待ち続ける。
スクアーロが目覚めるまで、五ェ門が動くことはなかった。
確率オジサンも面白いですね。
見てない方は是非に。
新シリーズを見て、貴女が満足する確率、100%!
こっちもそろそろ更新です!
~前回のあらすじ~
ボンゴレは三度裏切られる。
ボンゴレ9代目ティモッテオは、目の前で膝をつき報告をあげる男に、厳しい視線を向けていた。
「敵は外の見張りに見付かり、戦闘となりましたが、こちらの力を恐れたか、逃亡。
その後の足取りは掴めておりません。」
「ああ!?お前らプロの癖に素人のこそ泥取り逃がしたってのか!?」
取り逃したと言う報告に、守護者の一人がかっと目を見開いて、責めるように怒鳴った。
怒鳴られた男は、剣呑な目で守護者達を睨み上げる。
一触即発。
そんな空間に割って入ったのは、銭形警部だった。
「いえ、落ち着いてください。
彼らが優秀であることに間違いはないでしょう。
しかし相手がルパンの奴なら話は別だ。
むしろ奴が逃げ出したことなど今までない!
……きみ、本当にルパンは逃げたんだな?」
「はい、ルパン三世、及びその仲間達は逃げていきました。」
「……ふむ、ならば奴はもう一度ここへ来るでしょうな。」
厳しい顔付きながらも、ヴァリアーの男を気遣う銭形に、彼もまた真っ直ぐに銭形を見詰め返して言い切る。
……とは言っても、彼の言っていることには、だいぶ言葉が足りていないのだが。
ルパンは逃げたのは真実だが、それを味方の、しかも幹部が手助けしたことなど、おいそれと言えるはずがない。
それにスクアーロと連絡が取れなくなり、さらにはベルフェゴールとルッスーリアが、折角捕まえた泥棒を解放してまで彼を探している今、ヴァリアーの母体であるボンゴレに目を付けられるのは避けたい。
どうやら銭形と言う男のお陰で、守護者達の意識はルパン三世を捕まえるための作戦を練る方へと向いたようだが、問題はまだまだ山積みに残っている。
「ところでスクアーロ君はどこかな?
彼にも話を聞きながら作戦を立てたいのだが……。」
「あ、隊長は……ルパンとの戦いで怪我人が出たため、今はそちらの処理をしております。
しばらくはこちらには来られないかと。」
「む、そうか。
若いのに部下思いの良い男だ。
では片が付き次第こちらに来ていただけるよう伝えてはくれないかな?」
「ぁ……はい!畏まりました!」
久々に、ストレートに誉め言葉を掛けられて、男は一瞬動揺した。
第三者としての立ち位置からの、嘘偽りのない誉め言葉。
スクアーロ本人に聞かせてあげられたなら、どんなに良かったか。
いや、必ずや彼を助けだし、今の言葉を伝えよう。
決意を胸に、男は9代目の疑うような視線を背中に感じながら、偽ボンゴレリングを安置してある部屋から出ていった。
* * *
「さてっとー……。
んじゃあ早速、五ェ門と合流するか。」
ルパンはそう言ったものの、五ェ門と電話は繋がらず、なんとかアジトに辿り着いたものの、そこももぬけの殻。
一向は途方にくれてアジトのソファーに座り込んでいた。
「アジトにもいねぇ、電話にもでねぇってなると、五ェ門と連絡をとる手段はもうねぇな。」
「さっき部下から連絡があったんだけどぉ……二人がいたところ、大量の血痕が残ってたらしいのよ……。
あんた達、どこかそのゴエモンってのが使いそうな病院とか知らないかしら?」
「病院ねぇ……。
オレらもイタリアにはあまり……あ。」
「あ?心当たりあったわけ?」
「ん……?ああ、もしかしてルパン、あいつか?」
「イタリアで頼りに出来る人間なんて限られてるし、可能性は高いんじゃねぇのか?」
「ふん、なるほどな。」
ルパンと次元が、何か思い当たったらしく、にっと笑って頷き合う。
「なになに?ちょっと教えなさいよ!」
「まあそう慌てんなって!
まずはアイツと連絡を……」
「しし、まずはオレ達に誰のことか教えんのが先だろ。
お前らの命が、オレ達次第だって忘れてねーだろ?」
「あーわかったわかったーっての!
相手は……」
ナイフを取りだし、ルパン達へと向けたベルフェゴールを見て、観念したかのように両手を上げて、ルパン三世はその名前を白状したのだった。
「レベッカ・ロッセリーニ。
オレの元フィアンセさ。」
「レ、レベッカ・ロッセリーニって……あのゴシップクイーンの!?
嘘でしょお!?」
「大マジだぜ。
五ェ門の知り合いで、医療施設を自由に使えそうな奴って言ったら、あのお転婆なお嬢ちゃんくらいだろうぜ。」
「……誰それ。」
驚いてソファーから飛び上がったルッスーリアを不思議そうに見上げるベルは、どうやら彼女のことは知らないらしい。
レベッカ・ロッセリーニ。
ベルは知らなかったが、彼女はイタリアでも屈指の名家、ロッセリーニ家の跡取りであり、若くしてその財閥の長を務め、そして何より、プライベートでの行動の派手さから、ゴシップクイーンの名を欲しいままにする有名人である。
そんな表舞台で輝く彼女と、闇の世界で動く大泥棒ルパン三世。
元とは言っていたが、彼らがフィアンセとは一体どう言うことなのか。
いやそれよりも、本当にそんなところにスクアーロが連れていかれているのか?
「まっ、とにかく行ってみようぜ。
あのスクアーロってのがいなくても、何かしら手掛かりは掴めるかもしれねぇしな。」
「……そうね。
じゃあさっさと行きましょう!」
僅かな疑問はあったが、それでも彼らはロッセリーニ家へと向かったのであった。
* * *
「手術終わったそうよ!」
「!結果は……」
「もっちろん、成功よ!
アイツ、大分重症だったみたいだけど、命に別状はないって!」
「そうか……それは良かった。
レベッカ、世話をかけたな。
助かった。」
「良いのよこれくらい!」
さてその頃、五ェ門はルパンの予想通り、レベッカを頼りにとある病院へと訪れていた。
ちょうどスクアーロの手術が終わり、それを知らせに来たレベッカと落ち合ったところらしい。
レベッカは礼と共に頭を下げた五ェ門ににやっと笑いかけると、声を潜めて楽しげに尋ねる。
「そーれーよーりーもー、あんた、さっきの奴とどういう関係なのよ?」
「む、どういう関係……とは?」
「もうしらばっくれないでよぉ。
始め見たときは驚いたし、あんたってそう言うの興味なさそうだと思ってたけど、やっぱりあれでしょ?
あいつってあんたの……恋人?」
「お主頭が沸いたか。」
「わ、わいてないわよ!」
レベッカの唐突な問い掛けに、五ェ門は本気で軽蔑したような目をして言った。
よりにもよって恋人などと思われるとは、あまりにも予想外だったし、何より自分が同性愛者だと思われるのは不愉快だ。
「某は同性に恋心を抱くような趣味はござらん。」
「……へ?何言ってんの?」
「某は当たり前のことしか言っておらん。」
「いやいやいやいや!
あんたもしかして、何も知らないであの人運んできたわけ?」
「……何が言いたいのだ、お主は。」
流石に、ここまで会話が噛み合わなければ、五ェ門も何かがおかしいと気付いたらしい。
首を傾げて問い返すと、レベッカは呆れたようにため息を吐いて五ェ門が気付かなかった真実を暴露したのだった。
「あのねぇ、あんたが連れてきたのは正真正銘の女の子よ!
そりゃあスタイルはお世辞にも良いとは言えないけど、それでも歴としたお、ん、な!」
「……な……なんだと……!?」
ガタッと立ち上がって、慌てて病室に駆け込む。
真っ白なベッドに横たわり眠るスクアーロの姿は、言われてみれば確かに、女性に見えないこともない。
「あきれちゃうわー。
もしかしてあの傷全部、あんたが付けたの?
だとしたらちょっと軽蔑しちゃうかも。」
「……某が傷付けたのは、肩のところだけだ。」
「あっそ。
て言うか、こいつ一体何者なの?」
「それは……」
超巨大マフィアボンゴレが保有する暗殺組織ヴァリアーの幹部であり、No.2の実力を持つ男……のはずだった。
「……おいおい話す。
まずは少し、己の頭を整理したい。」
「……そうね。
病院はまるごとロッセリーニの物だし、気が済むまでここにいると良いわ。」
「かたじけない。」
再び深く頭を下げた五ェ門に軽く手を降り、レベッカはその場を去っていった。
残った五ェ門は、目の前で眠り続けるスクアーロに目を向けると、ひっそりとため息を吐いた。
まさか、女だったとは。
痛みに僅かに歪んだ顔は、数刻前には鬼の形相で戦っていたとは思えないほど弱々しく見える。
女の身で、あれほどの強さを身に付けるために、今までどのような過酷な試練をその身に課してきたのだろう。
徐に近付き、触れてみた頬は熱く火照っている。
「お主と、話がしてみたくなったな。」
五ェ門はスクアーロが眠るベットの横に座り、彼女が目を覚ますのを待ち続ける。
スクアーロが目覚めるまで、五ェ門が動くことはなかった。