小ネタまとめ
群青×泥棒③
2024/08/21 21:31群青の鮫派生ネタ
調子乗りすぎの第三弾!
「ボンゴレリングだぁ?なんだそりゃ。」
「何でもなぁ?相当な曰く付きのお宝だっつーのよ。
とあるマフィアのボスに受け継がれる秘宝で、七つ一揃えのリングを手に入れたものには幸福が訪れる~とか何とかってな。」
「かーっ!胡散くせぇ話だな!
どこからの情報だぁ?」
「そら秘密~ってな。」
「大方、不二子にでも聞いたのだろう。」
「あらまお見通しー?」
とある場所にて、薄暗い部屋に3人の男が集まっていた。
一人は目立つ赤いジャケットを着こなし、一人はボルサリーノの帽子を深く被り、一人は袴姿で胡座をかいて座っている。
袴姿の男が片目を開けて赤ジャケットの男を見る。
「ルパン、何度も言うようだが、あの女からの情報は信用するな。」
「五エ門の言う通りだ。
今回もまた面倒事引き連れてくるに違いねぇ。」
「次元までそう言うな~って!
今回盗みに入るところ、なかなか面白そうだぜ?」
赤ジャケット……ルパンが机に2つの紙の束を投げる。
五エ門と次元は怪訝そうな顔でその紙を手に取る。
一分ほどの間、黙々と読んでいた2人だったが、直ぐにその目を爛々と輝かせ始めた。
紙にはボンゴレというマフィアの情報が並んでいた。
マフィア界でもトップに立つマフィア、9代目の老人、彼を取り巻く守護者と呼ばれる幹部、お抱えの暗殺部隊ヴァリアー、そしてボンゴレの下につく何千ものマフィア達……。
「……なるほどな。
こりゃあ確かに面白そうだ。」
「イタリアの剣士……か。」
「不二子にもらった資料だが、裏付けもとってある。
資料はかなり正確みたいだぜ。
ボンゴレリングは恐らく、この屋敷の一番奥の部屋にある。
……ど~よ、この仕事、乗るか?」
もちろん、乗る。
二つ返事で頷き、彼らは動き始めた。
* * *
なるほど、ルパン専属の刑事と言うだけはある。
ルパン3世に関わる事ならば、一を聞けば十返ってくる、という様子の銭形に、オレは感心していた。
まあ、ルパン3世以外の事に全く関心がないのは如何かと思うが。
だが今回ばかりは彼以上に心強い味方はいない。
流石のオレも、この短時間でルパン3世という男の事を調べ尽くす事は出来ない。
銭形警部の持つ情報を聞きながら、詳しく作戦を組み立てていく。
聞けば聞くほど、チートな野郎だ……。
「ルパンが変装の名人だって言うなら、この屋敷の人の出入りは限界まで制限すべきですね。」
「出来れば夜には誰も入れんようにしていただきたい。」
「そのように取り計らいましょう。
我々護衛隊は外の警備を担当します。
警部殿は9代目と共にこの部屋に留まって、リングを監視していてもらえますか。」
「……我々警察が中の警備で構わないのですかな?」
「ええ、餅は餅屋です。
ルパン三世の事なら、我々よりもあなた方に任せた方が心強い。」
話し合いの最中のオレの言葉に、銭形は誇らしげに胸を張る。
所々で調子の良いやつだな……。
まあそうでもなければ、何度も痛い目を見ている相手に立ち向かい続ける事は出来ない、のかもしれない。
何はともあれ、銭形との話し合いによって、対ルパン三世への警護態勢は整った訳である。
オレ達ヴァリアーは外を警備し、部外者は何者も通さない事に徹する。
それでも入られてしまった場合は、銭形や9代目が捕まえる。
つっても……この警備で入ってこられるやつがいるのなら見てみたいものだ。
オレ達の警備はとにかく人。
赤外線センサーなんかも考えたのだが、生半可なモノでは破られてしまうらしい。
ならばとことん、人の目で見て確かめる。
上空からの侵入も許さない、万全の警備態勢だ。
ただ、1ヶ所を除いては。
その日の夜。
ボンゴレ地下の抜け道、その出入り口となっている古井戸の前に、3人の男が立っている。
彼らの足元には、屈強な体つきの男達が倒れていた。
「な~んか、拍子抜けしちまうなぁ。」
「ま、向こうも流石に、ここがバレてるたぁ思わなかったんだろうよ。」
赤ジャケット……ルパン三世の声と、それに答える次元大介の声が、静かな夜闇に木霊する。
彼らの様子を、気配を察知されないように遠くの樹上で観察しながら、スクアーロはニヤリと笑う。
あの井戸と、そこからボンゴレに繋がる抜け道の情報は、彼らに届くようにわざと流したものだった。
というか、そこが抜け道として使われていたのは、もう何十年も昔の話である。
今は道の一部が崩落して、使い物にならない道だが、ネズミ三匹を捕らえるのには丁度良い場所だ。
「ベル、ルッス、準備しろぉ。」
「しし、りょーかい。」
「うふん♪待ち遠しいわぁ!」
目立つ赤ジャケットが古井戸の中に消えたのを見て、彼ら三人もまた、動き始めたのだった。
「ボンゴレリングだぁ?なんだそりゃ。」
「何でもなぁ?相当な曰く付きのお宝だっつーのよ。
とあるマフィアのボスに受け継がれる秘宝で、七つ一揃えのリングを手に入れたものには幸福が訪れる~とか何とかってな。」
「かーっ!胡散くせぇ話だな!
どこからの情報だぁ?」
「そら秘密~ってな。」
「大方、不二子にでも聞いたのだろう。」
「あらまお見通しー?」
とある場所にて、薄暗い部屋に3人の男が集まっていた。
一人は目立つ赤いジャケットを着こなし、一人はボルサリーノの帽子を深く被り、一人は袴姿で胡座をかいて座っている。
袴姿の男が片目を開けて赤ジャケットの男を見る。
「ルパン、何度も言うようだが、あの女からの情報は信用するな。」
「五エ門の言う通りだ。
今回もまた面倒事引き連れてくるに違いねぇ。」
「次元までそう言うな~って!
今回盗みに入るところ、なかなか面白そうだぜ?」
赤ジャケット……ルパンが机に2つの紙の束を投げる。
五エ門と次元は怪訝そうな顔でその紙を手に取る。
一分ほどの間、黙々と読んでいた2人だったが、直ぐにその目を爛々と輝かせ始めた。
紙にはボンゴレというマフィアの情報が並んでいた。
マフィア界でもトップに立つマフィア、9代目の老人、彼を取り巻く守護者と呼ばれる幹部、お抱えの暗殺部隊ヴァリアー、そしてボンゴレの下につく何千ものマフィア達……。
「……なるほどな。
こりゃあ確かに面白そうだ。」
「イタリアの剣士……か。」
「不二子にもらった資料だが、裏付けもとってある。
資料はかなり正確みたいだぜ。
ボンゴレリングは恐らく、この屋敷の一番奥の部屋にある。
……ど~よ、この仕事、乗るか?」
もちろん、乗る。
二つ返事で頷き、彼らは動き始めた。
* * *
なるほど、ルパン専属の刑事と言うだけはある。
ルパン3世に関わる事ならば、一を聞けば十返ってくる、という様子の銭形に、オレは感心していた。
まあ、ルパン3世以外の事に全く関心がないのは如何かと思うが。
だが今回ばかりは彼以上に心強い味方はいない。
流石のオレも、この短時間でルパン3世という男の事を調べ尽くす事は出来ない。
銭形警部の持つ情報を聞きながら、詳しく作戦を組み立てていく。
聞けば聞くほど、チートな野郎だ……。
「ルパンが変装の名人だって言うなら、この屋敷の人の出入りは限界まで制限すべきですね。」
「出来れば夜には誰も入れんようにしていただきたい。」
「そのように取り計らいましょう。
我々護衛隊は外の警備を担当します。
警部殿は9代目と共にこの部屋に留まって、リングを監視していてもらえますか。」
「……我々警察が中の警備で構わないのですかな?」
「ええ、餅は餅屋です。
ルパン三世の事なら、我々よりもあなた方に任せた方が心強い。」
話し合いの最中のオレの言葉に、銭形は誇らしげに胸を張る。
所々で調子の良いやつだな……。
まあそうでもなければ、何度も痛い目を見ている相手に立ち向かい続ける事は出来ない、のかもしれない。
何はともあれ、銭形との話し合いによって、対ルパン三世への警護態勢は整った訳である。
オレ達ヴァリアーは外を警備し、部外者は何者も通さない事に徹する。
それでも入られてしまった場合は、銭形や9代目が捕まえる。
つっても……この警備で入ってこられるやつがいるのなら見てみたいものだ。
オレ達の警備はとにかく人。
赤外線センサーなんかも考えたのだが、生半可なモノでは破られてしまうらしい。
ならばとことん、人の目で見て確かめる。
上空からの侵入も許さない、万全の警備態勢だ。
ただ、1ヶ所を除いては。
その日の夜。
ボンゴレ地下の抜け道、その出入り口となっている古井戸の前に、3人の男が立っている。
彼らの足元には、屈強な体つきの男達が倒れていた。
「な~んか、拍子抜けしちまうなぁ。」
「ま、向こうも流石に、ここがバレてるたぁ思わなかったんだろうよ。」
赤ジャケット……ルパン三世の声と、それに答える次元大介の声が、静かな夜闇に木霊する。
彼らの様子を、気配を察知されないように遠くの樹上で観察しながら、スクアーロはニヤリと笑う。
あの井戸と、そこからボンゴレに繋がる抜け道の情報は、彼らに届くようにわざと流したものだった。
というか、そこが抜け道として使われていたのは、もう何十年も昔の話である。
今は道の一部が崩落して、使い物にならない道だが、ネズミ三匹を捕らえるのには丁度良い場所だ。
「ベル、ルッス、準備しろぉ。」
「しし、りょーかい。」
「うふん♪待ち遠しいわぁ!」
目立つ赤ジャケットが古井戸の中に消えたのを見て、彼ら三人もまた、動き始めたのだった。