小ネタまとめ
群青×泥棒②
2024/08/11 00:01群青の鮫派生ネタ
調子にノリ過ぎて第2弾。
遂にあの男が登場!
ルパン三世、という男の事について、改めて調べてみた。
どうやら想像以上にとんでもない男らしい。
年齢不詳、出身国も不明。
変装の名人で狙った獲物は逃がさないとか何とか……。
「そんな奴見付けた瞬間にグサグサーっとやっちまえばいーじゃん、しし。」
「そう上手くはいかねーんだよ。」
「?なんで?」
オレと一緒にルパン三世の情報を見ていたベルが、不思議そうに首を捻った。
「ヴァリアーよりも強いってゆーわけ?」
「ルパン三世一人なら、そういう訳じゃねぇだろうが、コイツの仲間が厄介そうでなぁ。」
「仲間?」
ルパン三世にはよくツルんでいる仲間が2人いる。
本人の戦闘力も並外れているようだが、仲間達の能力もずば抜けていた。
「一人は次元大介。
凄腕のガンマンだぁ。
他に比肩する者のいないほど腕前、だとよ。
二人目は十三代目石川五エ門。
日本の大泥棒石川五右衛門の末裔だとかで、その居合は鉄をも切るほどの威力を誇る。
故に奴の刀は斬鉄剣と呼ばれている。」
「しし、でもさ、どんなガンマンでもボスには及ばねーだろ?
それにどんな居合の達人でも、スクアーロにゃ勝てねーだろ?」
「……そればかりは、実際に殺り合ってみなけりゃわからねーだろぉ。
何より、オレ達とアイツらじゃあ決定的に違うもんがある。」
「ん?あ、わかった、逃げ足?」
オレはベルの答えに頷くと、警察からこっそり盗み出したデータを閉じて、ボンゴレアジトの見取り図を開く。
「オレ達が殺しのスペシャリストであるのとは違い、奴らは盗みのスペシャリスト。
オレ達以上に、建物への侵入や脱出の能力は高いだろうなぁ。」
「ふーん、……で?
そんな奴らどうやって捕まえるんだよ?」
そう、問題はそこなのだ。
どうやって捕まえるか。
盗ませない、というだけならば、今はリングがこの時代から消えてしまっているため、何の問題もないのだが、捕まえるとなると……困ったな。
罠を張っても、侵入経路を潰しても、彼らはそれを乗り越えるプロだ。
「……どこかで、上手く戦闘に持ち込めれば可能性はあるかぁ。」
「しし、そんなら王子も出るぜ。
1度怪盗とか言う奴の間抜け面、見てみたかったんだよな。」
「……せっかくだぁ、向こうに合わせて、こちらも3人で行くぜ。」
オレは見取り図の中の一部を、指でなぞる。
そこは地下の抜け道、隠された秘密の通路。
「ルッスを呼べ。」
オレは隊員に指示をした。
横でベルが、やっぱり首を傾げている。
「どうかしたかぁ?」
「しし、そのルパン三世っての、今時予告状なんてダッセーの出してくるような奴、本当に強いのかなーって。」
「……予告状は恐らく、オレ達の行動を制限するための策だろうなぁ。」
「はあ?」
「マスコミが騒げば、警察も当然出てくる。
そうなりゃ、オレ達は好き勝手に武器を出して殺しや戦いをすることは出来なくなるだろぉ。」
「……ししし、思ってたより、考えてたんだ?」
「油断はするなよぉ。」
予告状の内容はふざけたものだったが、その行動は油断ならない。
なのに何故ボンゴレリングが今ないことは知らないのか……いや、隠しているから知らないのが当たり前なのだろうが、……くそっ、天下の大泥棒なら知っておけよカスが!
相手にとっちゃこれ以上なく理不尽な文句を思いながら、ベルを急かして会議室に向かったのだった。
* * *
そして翌日、オレは警察……ICPOから来たという男と顔を合わせていた。
「銭形さん、こちらがうちの護衛隊の隊長、スペルビ・スクアーロ君です。
スクアーロ君、こちらはICPOの刑事、銭形さんだ。」
「スクアーロです、よろしく。」
「ああ、よろしく。」
握手を交わしながら、チラリと銭形という刑事の手を見る。
手にはタコが出来ている。
どうやら拳銃は撃ち慣れているらしい。
裾の長いトレンチコートを着ていて、詳しい装備はわからないが、ガッチリした体つきだしタッパもある、屈強そうな男だ。
「それにしても、護衛隊の隊長にしては随分若い方なんですな。」
「うちは実力主義ですので。」
手を握りあって、オレはにこやかに、銭形は不機嫌そうに口を真一文字に結んで、相手を探り合うように言葉を交わす。
「銭形さんこそ、若いのに優秀な刑事だと話を聞いていますよ。
ルパン三世専任の刑事さん、でしたっけ?」
「ええまあ、そんなところで。」
ううん、何と言うか、だいぶ警戒されている様子だった。
もしかしたらオレ達がマフィアであると勘づいているのかもしれない。
……まあ、実際に法を犯しているところ見られでもしない限り、コイツから何かされる心配はないだろう。
…………たぶん。
「ところで、今回ルパンが盗むと言う『ボンゴレリング』はどこにあるのですかな?」
「それは……」
「それより前に、1つ確かめたいことがあるのですが。」
銭形に事情を説明しようとした9代目の言葉を遮って、オレは銭形の前に立つ。
キョトンとする銭形の顔に手を伸ばし、その頬を掴んで横に引っ張った。
「いぃーっだだだだだ!?
ひゃにひゅゆんは!?」
「ス、スクアーロ君!?」
「いえ、ルパン三世は変装の名人と聞きましたから、一応リングの事に触れる人間には全員こうしているんです。」
「初耳じゃよ!?」
まあ、9代目とその周囲の人間は超直感あるから要らないと思って、確かめてなかったしな。
銭形の顔から手を離して、オレはにこやかに謝る。
「申し訳ありません。
何せルパン三世について、こちらはほぼ手探り状態でしてね。」
「だからってスクアーロ君!
いきなりそんなことをして……!」
「……いえ、良いんですよ社長。」
「ぜ、銭形さん……?」
「ワシも丁度確かめようとしていたからなー!」
「なに……いぎぃっ!?」
立ち直った銭形の目が一瞬ギラリと光る。
そして突然動いたかと思うと、オレの頬を掴んで力任せに引っ張った。
「にゃにひやはう!」
「はー!どうやら貴様はルパンではなかったらしいなあ!
いやあ、安心安心!」
「銭形さん!?」
ばちんっ!と音が鳴りそうな勢いで離された頬っぺたを擦り、オレは銭形を睨み付ける。
得意げにニヤリと歯を剥き出して笑った銭形は、9代目達にも目を向ける。
「あなた方も、調べさせていただいて構いませんな?」
「え……」
「構わねぇよなぁ、9代目ぇ?」
「ス、スクアーロ君まで何を……。」
オレがこんな目に遭って、奴らが無事とは納得いかない。
オレは銭形が奴らに目を向けたのを見て、同じ様にニヤリと笑い、奴と声を揃えて言ったのだった。
「変装してないかどうか……」
「調べさせて……」
「「もらおうじゃないか!!」」
その後、5分間の間。
部屋中の者が悲鳴をあげて逃げ惑い、悲鳴が止んだ後には、頬を腫らして痛みに悶える者たちが床に転がっていたのであった。
特に守護者達は酷く痛がっていたのだが、オレは仕事に私情は挟まない主義である。
例え奴らが特別強い力で頬を引っ張られたのだとしてもそれは間違いなく偶然である。
* * *
「ふん!どうやらルパンの野郎はまだ来てねぇらしいなぁ。」
「だがいつ彼奴が来るかわからん!
そこで話は戻るが、ボンゴレリングはどこに保管してあるのですかな?」
さて、5分後、まさに死屍累々という表現がピッタリの部屋に、オレのスッキリした声と、銭形の達成感に満ちた声が響いた。
そう言えばまだその話はしていなかったな。
「それが……、ボンゴレリングは現在、行方不明です。」
「は……なんだと!?」
「継承者も同時に行方不明となっており、現在捜索中ですが……、ルパンが予告状をこちらに出してきた事から考えると、奴はボンゴレリングが行方不明であることを知らないのではないかと我々は考えています。」
一応、沢田の家や、並盛中を調べたところ、ルパンの痕跡は見受けられず、オレ達はそう結論付けたのである。
しかし、折角向こうから出てきてくれるんだ。
ここでリングが行方不明とバレるのはよろしくない。
と言うわけで、オレ達はボンゴレリングのダミーを用意したのだった。
「こちらが、ボンゴレリングのダミーです。」
「ほう……これが……。」
説明をしながら見せたダミー。
そのダミーをどこに隠すのか、また、どうやってルパン一味からリングを守るのか。
オレ達は9代目達が立ち直るまでずっと、額を付き合わせて相談をしていた。
逮捕だなんだと良いながらルパンが大好きな銭形警部が登場です!
ちゃんと書けてるか、不安ですが……。
ルパンに出てくるキャラの皆さん、原作とアニメではなかなか性格が違っているらしく、この小説ではどうしようか迷っていたのですが、銭形警部は原作者の意図を(勝手に)汲んで優秀っぽいキャラで進めていこうかと。
キャラクターがなかなか掴めなくて、上手く書けてないかも知れませんが、ご容赦ください!
それでは次回、あの男達が出る……かもしれない!
出たら良いな!
遂にあの男が登場!
ルパン三世、という男の事について、改めて調べてみた。
どうやら想像以上にとんでもない男らしい。
年齢不詳、出身国も不明。
変装の名人で狙った獲物は逃がさないとか何とか……。
「そんな奴見付けた瞬間にグサグサーっとやっちまえばいーじゃん、しし。」
「そう上手くはいかねーんだよ。」
「?なんで?」
オレと一緒にルパン三世の情報を見ていたベルが、不思議そうに首を捻った。
「ヴァリアーよりも強いってゆーわけ?」
「ルパン三世一人なら、そういう訳じゃねぇだろうが、コイツの仲間が厄介そうでなぁ。」
「仲間?」
ルパン三世にはよくツルんでいる仲間が2人いる。
本人の戦闘力も並外れているようだが、仲間達の能力もずば抜けていた。
「一人は次元大介。
凄腕のガンマンだぁ。
他に比肩する者のいないほど腕前、だとよ。
二人目は十三代目石川五エ門。
日本の大泥棒石川五右衛門の末裔だとかで、その居合は鉄をも切るほどの威力を誇る。
故に奴の刀は斬鉄剣と呼ばれている。」
「しし、でもさ、どんなガンマンでもボスには及ばねーだろ?
それにどんな居合の達人でも、スクアーロにゃ勝てねーだろ?」
「……そればかりは、実際に殺り合ってみなけりゃわからねーだろぉ。
何より、オレ達とアイツらじゃあ決定的に違うもんがある。」
「ん?あ、わかった、逃げ足?」
オレはベルの答えに頷くと、警察からこっそり盗み出したデータを閉じて、ボンゴレアジトの見取り図を開く。
「オレ達が殺しのスペシャリストであるのとは違い、奴らは盗みのスペシャリスト。
オレ達以上に、建物への侵入や脱出の能力は高いだろうなぁ。」
「ふーん、……で?
そんな奴らどうやって捕まえるんだよ?」
そう、問題はそこなのだ。
どうやって捕まえるか。
盗ませない、というだけならば、今はリングがこの時代から消えてしまっているため、何の問題もないのだが、捕まえるとなると……困ったな。
罠を張っても、侵入経路を潰しても、彼らはそれを乗り越えるプロだ。
「……どこかで、上手く戦闘に持ち込めれば可能性はあるかぁ。」
「しし、そんなら王子も出るぜ。
1度怪盗とか言う奴の間抜け面、見てみたかったんだよな。」
「……せっかくだぁ、向こうに合わせて、こちらも3人で行くぜ。」
オレは見取り図の中の一部を、指でなぞる。
そこは地下の抜け道、隠された秘密の通路。
「ルッスを呼べ。」
オレは隊員に指示をした。
横でベルが、やっぱり首を傾げている。
「どうかしたかぁ?」
「しし、そのルパン三世っての、今時予告状なんてダッセーの出してくるような奴、本当に強いのかなーって。」
「……予告状は恐らく、オレ達の行動を制限するための策だろうなぁ。」
「はあ?」
「マスコミが騒げば、警察も当然出てくる。
そうなりゃ、オレ達は好き勝手に武器を出して殺しや戦いをすることは出来なくなるだろぉ。」
「……ししし、思ってたより、考えてたんだ?」
「油断はするなよぉ。」
予告状の内容はふざけたものだったが、その行動は油断ならない。
なのに何故ボンゴレリングが今ないことは知らないのか……いや、隠しているから知らないのが当たり前なのだろうが、……くそっ、天下の大泥棒なら知っておけよカスが!
相手にとっちゃこれ以上なく理不尽な文句を思いながら、ベルを急かして会議室に向かったのだった。
* * *
そして翌日、オレは警察……ICPOから来たという男と顔を合わせていた。
「銭形さん、こちらがうちの護衛隊の隊長、スペルビ・スクアーロ君です。
スクアーロ君、こちらはICPOの刑事、銭形さんだ。」
「スクアーロです、よろしく。」
「ああ、よろしく。」
握手を交わしながら、チラリと銭形という刑事の手を見る。
手にはタコが出来ている。
どうやら拳銃は撃ち慣れているらしい。
裾の長いトレンチコートを着ていて、詳しい装備はわからないが、ガッチリした体つきだしタッパもある、屈強そうな男だ。
「それにしても、護衛隊の隊長にしては随分若い方なんですな。」
「うちは実力主義ですので。」
手を握りあって、オレはにこやかに、銭形は不機嫌そうに口を真一文字に結んで、相手を探り合うように言葉を交わす。
「銭形さんこそ、若いのに優秀な刑事だと話を聞いていますよ。
ルパン三世専任の刑事さん、でしたっけ?」
「ええまあ、そんなところで。」
ううん、何と言うか、だいぶ警戒されている様子だった。
もしかしたらオレ達がマフィアであると勘づいているのかもしれない。
……まあ、実際に法を犯しているところ見られでもしない限り、コイツから何かされる心配はないだろう。
…………たぶん。
「ところで、今回ルパンが盗むと言う『ボンゴレリング』はどこにあるのですかな?」
「それは……」
「それより前に、1つ確かめたいことがあるのですが。」
銭形に事情を説明しようとした9代目の言葉を遮って、オレは銭形の前に立つ。
キョトンとする銭形の顔に手を伸ばし、その頬を掴んで横に引っ張った。
「いぃーっだだだだだ!?
ひゃにひゅゆんは!?」
「ス、スクアーロ君!?」
「いえ、ルパン三世は変装の名人と聞きましたから、一応リングの事に触れる人間には全員こうしているんです。」
「初耳じゃよ!?」
まあ、9代目とその周囲の人間は超直感あるから要らないと思って、確かめてなかったしな。
銭形の顔から手を離して、オレはにこやかに謝る。
「申し訳ありません。
何せルパン三世について、こちらはほぼ手探り状態でしてね。」
「だからってスクアーロ君!
いきなりそんなことをして……!」
「……いえ、良いんですよ社長。」
「ぜ、銭形さん……?」
「ワシも丁度確かめようとしていたからなー!」
「なに……いぎぃっ!?」
立ち直った銭形の目が一瞬ギラリと光る。
そして突然動いたかと思うと、オレの頬を掴んで力任せに引っ張った。
「にゃにひやはう!」
「はー!どうやら貴様はルパンではなかったらしいなあ!
いやあ、安心安心!」
「銭形さん!?」
ばちんっ!と音が鳴りそうな勢いで離された頬っぺたを擦り、オレは銭形を睨み付ける。
得意げにニヤリと歯を剥き出して笑った銭形は、9代目達にも目を向ける。
「あなた方も、調べさせていただいて構いませんな?」
「え……」
「構わねぇよなぁ、9代目ぇ?」
「ス、スクアーロ君まで何を……。」
オレがこんな目に遭って、奴らが無事とは納得いかない。
オレは銭形が奴らに目を向けたのを見て、同じ様にニヤリと笑い、奴と声を揃えて言ったのだった。
「変装してないかどうか……」
「調べさせて……」
「「もらおうじゃないか!!」」
その後、5分間の間。
部屋中の者が悲鳴をあげて逃げ惑い、悲鳴が止んだ後には、頬を腫らして痛みに悶える者たちが床に転がっていたのであった。
特に守護者達は酷く痛がっていたのだが、オレは仕事に私情は挟まない主義である。
例え奴らが特別強い力で頬を引っ張られたのだとしてもそれは間違いなく偶然である。
* * *
「ふん!どうやらルパンの野郎はまだ来てねぇらしいなぁ。」
「だがいつ彼奴が来るかわからん!
そこで話は戻るが、ボンゴレリングはどこに保管してあるのですかな?」
さて、5分後、まさに死屍累々という表現がピッタリの部屋に、オレのスッキリした声と、銭形の達成感に満ちた声が響いた。
そう言えばまだその話はしていなかったな。
「それが……、ボンゴレリングは現在、行方不明です。」
「は……なんだと!?」
「継承者も同時に行方不明となっており、現在捜索中ですが……、ルパンが予告状をこちらに出してきた事から考えると、奴はボンゴレリングが行方不明であることを知らないのではないかと我々は考えています。」
一応、沢田の家や、並盛中を調べたところ、ルパンの痕跡は見受けられず、オレ達はそう結論付けたのである。
しかし、折角向こうから出てきてくれるんだ。
ここでリングが行方不明とバレるのはよろしくない。
と言うわけで、オレ達はボンゴレリングのダミーを用意したのだった。
「こちらが、ボンゴレリングのダミーです。」
「ほう……これが……。」
説明をしながら見せたダミー。
そのダミーをどこに隠すのか、また、どうやってルパン一味からリングを守るのか。
オレ達は9代目達が立ち直るまでずっと、額を付き合わせて相談をしていた。
逮捕だなんだと良いながらルパンが大好きな銭形警部が登場です!
ちゃんと書けてるか、不安ですが……。
ルパンに出てくるキャラの皆さん、原作とアニメではなかなか性格が違っているらしく、この小説ではどうしようか迷っていたのですが、銭形警部は原作者の意図を(勝手に)汲んで優秀っぽいキャラで進めていこうかと。
キャラクターがなかなか掴めなくて、上手く書けてないかも知れませんが、ご容赦ください!
それでは次回、あの男達が出る……かもしれない!
出たら良いな!