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恥の多い人生を……送っていません。
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「そういう訳で、黒子君は文芸部の部室に来たの。
勿論メールアドレスは交換したわ。
今度部活が休みの時にもう一度来るそうよ。」
『できすぎてるでしょっ!!』
電話の向こうで叫ばれ、思わず受話器を耳から離す。
騒がしい奴だと常から思っていたが、今のは耳が壊れるかと思った。
「あなたの癖に私の鼓膜を傷付けようだなんて良い度胸ね。
服毒死か窒息死かどちらが良いか選びなさい。」
『どっちを選んでも死しかない気がするんだけど!?』
「遠回しに死ねと言ったのだから当然そうでしょうね。」
『だが生きるっ!』
無駄に元気なこのボケは悲しいことに、私の友人だ。
不本意ながら、小学校の頃から私に付きまとい続けたこいつのせいで、周囲から友だち認定されてしまった訳だ。
私の周りでうろうろしているせいで金魚のフンなどと呼ばれていたのは良い思い出である。
『って言うか教授に好きな人ができるってどういう心境の変化?』
「私も若いと言うことよ。」
『教授、教授、言い方がもう年寄り臭いよ。』
「ガキっぽいあなたよりはマシね。」
『ぶぅー!
いーたんはもう13歳なんだぞ☆』
「三歳じゃなかったの、『いーたん』。」
『うへーぇ、相変わらず毒舌だね教授は。』
中学からは学校が別々になったが今でもこうして時折連絡をしてくる。
彼女の名は忍原斎(オシハライツキ)。
勉強の成績は悪くないはずなのに、言動は馬鹿丸出しの残念な女だ。
斎が私を『教授』と呼ぶのは、『1聞けば10返ってくるから』という理由らしい。
「あなたの方はどうなの。
そろそろ地球産じゃないことがバレたんじゃない?」
『私、宇宙人じゃないよ教授!
でも何てーか馴染めてはないかも。
うちの中学、みんなお堅くてさぁ……。』
「あら、あなたならすぐに洗脳……もとい、仲良くなれると思っていたのだけど、意外ね。」
『だから宇宙人じゃないってばー!!
でも面白い子もいるしもうちょい時間かけて頑張るー。
てか私より教授の方は大丈夫なの?
教授言い方キツいから絶対孤立してるでしょ。』
「孤立、ね……。
確かに孤立しているわ。
でも女子特有の集団行動は苦手だし、むしろ助かってるわ。」
『っかー!
ホント歪みないね教授は!!』
「いいえ歪みあるわ。
私だって道を迷うことくらいあるもの。」
『ま、好きな人ができたわけだしね。
教授の恥のない人生にようやくはずかし~い青春の花が咲いたわけだね!!』
「失礼ね、私だって恥くらい………………、恥くらいたくさんあるわ。」
『なかったでしょ?
思い当たらなかったでしょその間は!!』
「親のことについては恥しかないわ。」
『自分のことじゃないじゃん!!
……ふふ、でもこれからは教授にも弱点ができたわけだからね!
いつもいじめられてる分、きっちり仕返ししてやるからねっ!!』
「そう、あなたが、自殺志願者だったとは、さすがの私も知らなかったわ。」
『遠回しな殺す宣言!?』
「大丈夫、完璧にこなすわ。」
『しかもコイツッ!完全犯罪を起こそうとしてやがるっ!!』
そのあとも少し話して電話を切った。
あいつは馬鹿だけど、でもその底抜けな明るさに救われることは多々ある。
「……青春だ。」
天井に向かって放たれた言葉が、なんだか恥ずかしいくらいにキラめいて聞こえた。
恥の多い人生など、送っては来なかった。
だが、これから恥の多い青春を送ることになりそうである。
――人生は薔薇色、ただし黒バラ……みたいな?
勿論メールアドレスは交換したわ。
今度部活が休みの時にもう一度来るそうよ。」
『できすぎてるでしょっ!!』
電話の向こうで叫ばれ、思わず受話器を耳から離す。
騒がしい奴だと常から思っていたが、今のは耳が壊れるかと思った。
「あなたの癖に私の鼓膜を傷付けようだなんて良い度胸ね。
服毒死か窒息死かどちらが良いか選びなさい。」
『どっちを選んでも死しかない気がするんだけど!?』
「遠回しに死ねと言ったのだから当然そうでしょうね。」
『だが生きるっ!』
無駄に元気なこのボケは悲しいことに、私の友人だ。
不本意ながら、小学校の頃から私に付きまとい続けたこいつのせいで、周囲から友だち認定されてしまった訳だ。
私の周りでうろうろしているせいで金魚のフンなどと呼ばれていたのは良い思い出である。
『って言うか教授に好きな人ができるってどういう心境の変化?』
「私も若いと言うことよ。」
『教授、教授、言い方がもう年寄り臭いよ。』
「ガキっぽいあなたよりはマシね。」
『ぶぅー!
いーたんはもう13歳なんだぞ☆』
「三歳じゃなかったの、『いーたん』。」
『うへーぇ、相変わらず毒舌だね教授は。』
中学からは学校が別々になったが今でもこうして時折連絡をしてくる。
彼女の名は忍原斎(オシハライツキ)。
勉強の成績は悪くないはずなのに、言動は馬鹿丸出しの残念な女だ。
斎が私を『教授』と呼ぶのは、『1聞けば10返ってくるから』という理由らしい。
「あなたの方はどうなの。
そろそろ地球産じゃないことがバレたんじゃない?」
『私、宇宙人じゃないよ教授!
でも何てーか馴染めてはないかも。
うちの中学、みんなお堅くてさぁ……。』
「あら、あなたならすぐに洗脳……もとい、仲良くなれると思っていたのだけど、意外ね。」
『だから宇宙人じゃないってばー!!
でも面白い子もいるしもうちょい時間かけて頑張るー。
てか私より教授の方は大丈夫なの?
教授言い方キツいから絶対孤立してるでしょ。』
「孤立、ね……。
確かに孤立しているわ。
でも女子特有の集団行動は苦手だし、むしろ助かってるわ。」
『っかー!
ホント歪みないね教授は!!』
「いいえ歪みあるわ。
私だって道を迷うことくらいあるもの。」
『ま、好きな人ができたわけだしね。
教授の恥のない人生にようやくはずかし~い青春の花が咲いたわけだね!!』
「失礼ね、私だって恥くらい………………、恥くらいたくさんあるわ。」
『なかったでしょ?
思い当たらなかったでしょその間は!!』
「親のことについては恥しかないわ。」
『自分のことじゃないじゃん!!
……ふふ、でもこれからは教授にも弱点ができたわけだからね!
いつもいじめられてる分、きっちり仕返ししてやるからねっ!!』
「そう、あなたが、自殺志願者だったとは、さすがの私も知らなかったわ。」
『遠回しな殺す宣言!?』
「大丈夫、完璧にこなすわ。」
『しかもコイツッ!完全犯罪を起こそうとしてやがるっ!!』
そのあとも少し話して電話を切った。
あいつは馬鹿だけど、でもその底抜けな明るさに救われることは多々ある。
「……青春だ。」
天井に向かって放たれた言葉が、なんだか恥ずかしいくらいにキラめいて聞こえた。
恥の多い人生など、送っては来なかった。
だが、これから恥の多い青春を送ることになりそうである。
――人生は薔薇色、ただし黒バラ……みたいな?