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to be or not to be:生も死も今は大した問題じゃない
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「それにしても、蘇芳……。
どこかで聞いたことのある名前ね。」
「え、それどこで聞いたの!?」
「思い出せますか多々良さん?」
「蘇芳……蘇芳……。」
そうゴロゴロといる名前ではないわよね。
でもどこで聞いたのだったかしら。
確か……そう、パーティーの会場で、一年くらい前、かな?
「ロマンスグレーの素敵なオジサマが確か蘇芳と名乗っていた気がするわ。」
「なに、その人っ!?」
社長さんよ、確か。
部屋の隅に置いておいた鞄をまさぐり、中から名刺入れを取り出した。
その中から、目当てのものを見付けると二人に見せた。
「父に命じられて渋々行った会社の親睦パーティーで会ったわ。」
「か、会社っ!?パーティー!?」
そこにはスマートな字体で、
『㈱SUOH 代表取締役 蘇芳 彰』
の文字が。
優しそうな初老の方だったけど。
「私と同い年の娘がいるなんて、話してなかったけれど。」
「話さなかっただけ、じゃないかな?」
「あの年の頃の人はかなりの確率でその話をするわ。
娘だったら尚更ね。」
「全く関係ない方かもしれませんね。」
「その可能性は高そうだけど、この人の娘だとしたら『あんたたちみたいな貧乏人と一緒にしないで』という発言とも符合するわ。」
考えを出しあうけれど話が纏まることはない。
当たり前よね、情報が足りなすぎるもの。
……ここで考えを巡らせるだけじゃ埒があかないわね。
「……とにもかくにも、桃井さん、あなた明日から部活どうするの。」
「あ、そうだよね。
あの子、明日からマネージャーに来るかもしれないんだよね。」
「彼らのあの様子では、彼女が一軍を担当することはほぼ確実でしょうね。」
「あなたは、どうしたいの桃井さん。
マネージャー業を続けたいの?
それとも、マネージャーなんて辞めてしまって、何もなかったかのように過ごす?」
「そんな……!
多々良さん、もう少し言い方があるんじゃ……!」
「いいのテツくん。
これくらいハッキリ言ってもらえた方が、私もちゃんと決心できるから!
私、だいちゃんたちが心配。
マネージャーを続けて、だいちゃんたちの目を覚まさせるわ!!」
「……威勢が良くて何よりよ。
その調子で、その女を潰してしまいなさい、……社会的に。」
「っ!?」
親指を立てて、首を掻き切る仕草をしたら、黒子君に引かれてしまった。
し、しまった……!
咳払いで誤魔化せないわよねっ……!!
でも話を転換させることでなんとか気を逸らすくらいは出来た、と思いたいわ!!
「私は、その蘇芳という女について調べてみるわ。
何か分かったら、連絡する。
それまでは二人とも、その女に隙を見せないように気を付けることね。
あの手合いは自分の手はできる限り汚さずに、相手に恐怖心を植え付けてこようとするから、油断できないわよ。」
「……?そうなんだ……。
えと、今回はありがとう多々良さん!
スゴく助かった!!」
「突然押し掛けたのに、ためになるアドバイスをありがとうございます。」
「……いいの、別に。
それと、今日は大丈夫だろうけれど、これからはなるべく一人っきりにならないように気を付けて。」
「うんっ!!」
輝くような笑顔で返事をした桃井さんと黒子君が立ち上がって出ていくのを、私は一人見詰めていた。
どこかで聞いたことのある名前ね。」
「え、それどこで聞いたの!?」
「思い出せますか多々良さん?」
「蘇芳……蘇芳……。」
そうゴロゴロといる名前ではないわよね。
でもどこで聞いたのだったかしら。
確か……そう、パーティーの会場で、一年くらい前、かな?
「ロマンスグレーの素敵なオジサマが確か蘇芳と名乗っていた気がするわ。」
「なに、その人っ!?」
社長さんよ、確か。
部屋の隅に置いておいた鞄をまさぐり、中から名刺入れを取り出した。
その中から、目当てのものを見付けると二人に見せた。
「父に命じられて渋々行った会社の親睦パーティーで会ったわ。」
「か、会社っ!?パーティー!?」
そこにはスマートな字体で、
『㈱SUOH 代表取締役 蘇芳 彰』
の文字が。
優しそうな初老の方だったけど。
「私と同い年の娘がいるなんて、話してなかったけれど。」
「話さなかっただけ、じゃないかな?」
「あの年の頃の人はかなりの確率でその話をするわ。
娘だったら尚更ね。」
「全く関係ない方かもしれませんね。」
「その可能性は高そうだけど、この人の娘だとしたら『あんたたちみたいな貧乏人と一緒にしないで』という発言とも符合するわ。」
考えを出しあうけれど話が纏まることはない。
当たり前よね、情報が足りなすぎるもの。
……ここで考えを巡らせるだけじゃ埒があかないわね。
「……とにもかくにも、桃井さん、あなた明日から部活どうするの。」
「あ、そうだよね。
あの子、明日からマネージャーに来るかもしれないんだよね。」
「彼らのあの様子では、彼女が一軍を担当することはほぼ確実でしょうね。」
「あなたは、どうしたいの桃井さん。
マネージャー業を続けたいの?
それとも、マネージャーなんて辞めてしまって、何もなかったかのように過ごす?」
「そんな……!
多々良さん、もう少し言い方があるんじゃ……!」
「いいのテツくん。
これくらいハッキリ言ってもらえた方が、私もちゃんと決心できるから!
私、だいちゃんたちが心配。
マネージャーを続けて、だいちゃんたちの目を覚まさせるわ!!」
「……威勢が良くて何よりよ。
その調子で、その女を潰してしまいなさい、……社会的に。」
「っ!?」
親指を立てて、首を掻き切る仕草をしたら、黒子君に引かれてしまった。
し、しまった……!
咳払いで誤魔化せないわよねっ……!!
でも話を転換させることでなんとか気を逸らすくらいは出来た、と思いたいわ!!
「私は、その蘇芳という女について調べてみるわ。
何か分かったら、連絡する。
それまでは二人とも、その女に隙を見せないように気を付けることね。
あの手合いは自分の手はできる限り汚さずに、相手に恐怖心を植え付けてこようとするから、油断できないわよ。」
「……?そうなんだ……。
えと、今回はありがとう多々良さん!
スゴく助かった!!」
「突然押し掛けたのに、ためになるアドバイスをありがとうございます。」
「……いいの、別に。
それと、今日は大丈夫だろうけれど、これからはなるべく一人っきりにならないように気を付けて。」
「うんっ!!」
輝くような笑顔で返事をした桃井さんと黒子君が立ち上がって出ていくのを、私は一人見詰めていた。