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to be or not to be:生も死も今は大した問題じゃない
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「蛍さーん!!
学校お疲れさまっすー!!」
「……。」
部室で寛ぐ私のもとに尻尾を振って近付いて来たワンちゃんを、無言で撫でて窓を閉めた。
「…………は、はぁぁあっ!?
今の何すか!?今の!オレを!喜ばせてどうする気なんすかぁあ!?」
「……~♪」
「窓をぉお!!窓開けて下さい蛍さん!!
もっかい!!もう一回ー!!」
「うるさい。
全身の穴という穴に鉛筆突っ込まれたいの?」
「そ、それは……!!」
嬉しいような、一寸命の危機を感じるような……。
という絶妙な心境を表情で上手く表現するワンちゃんだったけど、今日は本当に機嫌がいいから、許してあげるわ。
私って優しいのね。
「な、何で今日そんなに機嫌良いんすか!?」
「黒子君と話せたのよ。」
「またあの野郎っすか!?
気に食わねぇ……、クソ気に食わねぇ!!」
「殺すわよ、わんころ。」
「あっ……///」
こじ開けられた窓を再び閉じて、手元の本に目を戻す。
黒子君が来るようになって、この部室も今までよりも更に充実していた。
本をディスプレイして見やすくしたし、紅茶だけじゃなくて日本茶やコーヒー……飲み物の種類も増えたし、食べ物も充実している。
……ほとんどが伊達先生のお腹に消えるっていうのが、不満だけどね。
「黒子君、明日にはこっちに来てくれるって。
だから明日はこの部屋に来ちゃダメよ、ワンちゃん。
その代わりと言っちゃ難だけれど、明日はワンちゃんに、頼みたいことがあるの……。」
「何でもやりますよ蛍さん!!
なんすか?隣町の不良の殲滅っすか!?」
「いいえ。
あなた、明日は学校でちゃんと補習を受けてきなさい。」
「な、何ぃぃい!?」
拙宅の生徒がこちらの学校に来てまでストーキング行為を……といった具合に文句を言いに行ったら、向こうの先生と意気投合してしまい、結果今回の『問題児更正プログラム』を実行するに至ったのだ。
まず第1段階は登校。
そして第2段階が学力向上である。
「いやっ嫌です!!
オレは勉強だけは無理なんです!!」
「ワンちゃんなら大丈夫よ。」
「な、なんでそんな無条件に信じて……。
はっ!まさか!!オレに惚れて……、」
「私の下僕なら出来ないことはないわ。」
「そっちっすか!?」
机の上のチョコレートを詰まんで、窓の外に翳す。
ワンちゃんが届きそうで届かない絶妙な位置。
フラフラと首を動かしてチョコレートを追う姿は正しく動物のようだ。
「いーい、ワンちゃん。
私は役に立たない蛆虫なんて必要とはしていないのよ。」
「ふぁ、はい……。」
「私の側にいたいと言うのなら、勉強くらいしっかりこなしなさい。
わかった?」
「は、はいぃ……。」
「このチョコはご褒美にあげるわ。」
「わぅんっ!!」
恍惚の表情で返事をしてチョコにかぶりついたワンちゃん。
口をモゴモゴさせながら、「明日の補習のために予習してきます!!」と敬礼して帰っていった。
「やっと静かになったわね。」
チョコをずっと持っていたせいで、指に溶けたものがついてしまった。
ペロッと舐めとり、紅茶のおかわりを用意するために立ち上がった。
その時である。
「あの多々良さん、今よろしいですか?」
「え、黒子君……?」
ドアを開けて、黒子君が入ってきた。
時計を見る。
時間はまだ、最終下校時刻の一時間前……。
練習のある日はいつもギリギリまで続けるバスケ部なのに、もう終わったの?
「黒子君、部活は?」
「……早めに終わったんです。」
「?珍しいこともあるのね。」
「あの、桃井さんも来てて……。」
「私もお邪魔して良い?」
「桃井さんも?
……どうぞ入って。
それと、何かあったのなら、聞かせてくれないかしら?
私でよければ、力になるわ。」
沈んだ雰囲気を背負う二人と、含みのある口振りに、何かあったことを察して、私は彼らを部屋へと招き入れたのであった。
学校お疲れさまっすー!!」
「……。」
部室で寛ぐ私のもとに尻尾を振って近付いて来たワンちゃんを、無言で撫でて窓を閉めた。
「…………は、はぁぁあっ!?
今の何すか!?今の!オレを!喜ばせてどうする気なんすかぁあ!?」
「……~♪」
「窓をぉお!!窓開けて下さい蛍さん!!
もっかい!!もう一回ー!!」
「うるさい。
全身の穴という穴に鉛筆突っ込まれたいの?」
「そ、それは……!!」
嬉しいような、一寸命の危機を感じるような……。
という絶妙な心境を表情で上手く表現するワンちゃんだったけど、今日は本当に機嫌がいいから、許してあげるわ。
私って優しいのね。
「な、何で今日そんなに機嫌良いんすか!?」
「黒子君と話せたのよ。」
「またあの野郎っすか!?
気に食わねぇ……、クソ気に食わねぇ!!」
「殺すわよ、わんころ。」
「あっ……///」
こじ開けられた窓を再び閉じて、手元の本に目を戻す。
黒子君が来るようになって、この部室も今までよりも更に充実していた。
本をディスプレイして見やすくしたし、紅茶だけじゃなくて日本茶やコーヒー……飲み物の種類も増えたし、食べ物も充実している。
……ほとんどが伊達先生のお腹に消えるっていうのが、不満だけどね。
「黒子君、明日にはこっちに来てくれるって。
だから明日はこの部屋に来ちゃダメよ、ワンちゃん。
その代わりと言っちゃ難だけれど、明日はワンちゃんに、頼みたいことがあるの……。」
「何でもやりますよ蛍さん!!
なんすか?隣町の不良の殲滅っすか!?」
「いいえ。
あなた、明日は学校でちゃんと補習を受けてきなさい。」
「な、何ぃぃい!?」
拙宅の生徒がこちらの学校に来てまでストーキング行為を……といった具合に文句を言いに行ったら、向こうの先生と意気投合してしまい、結果今回の『問題児更正プログラム』を実行するに至ったのだ。
まず第1段階は登校。
そして第2段階が学力向上である。
「いやっ嫌です!!
オレは勉強だけは無理なんです!!」
「ワンちゃんなら大丈夫よ。」
「な、なんでそんな無条件に信じて……。
はっ!まさか!!オレに惚れて……、」
「私の下僕なら出来ないことはないわ。」
「そっちっすか!?」
机の上のチョコレートを詰まんで、窓の外に翳す。
ワンちゃんが届きそうで届かない絶妙な位置。
フラフラと首を動かしてチョコレートを追う姿は正しく動物のようだ。
「いーい、ワンちゃん。
私は役に立たない蛆虫なんて必要とはしていないのよ。」
「ふぁ、はい……。」
「私の側にいたいと言うのなら、勉強くらいしっかりこなしなさい。
わかった?」
「は、はいぃ……。」
「このチョコはご褒美にあげるわ。」
「わぅんっ!!」
恍惚の表情で返事をしてチョコにかぶりついたワンちゃん。
口をモゴモゴさせながら、「明日の補習のために予習してきます!!」と敬礼して帰っていった。
「やっと静かになったわね。」
チョコをずっと持っていたせいで、指に溶けたものがついてしまった。
ペロッと舐めとり、紅茶のおかわりを用意するために立ち上がった。
その時である。
「あの多々良さん、今よろしいですか?」
「え、黒子君……?」
ドアを開けて、黒子君が入ってきた。
時計を見る。
時間はまだ、最終下校時刻の一時間前……。
練習のある日はいつもギリギリまで続けるバスケ部なのに、もう終わったの?
「黒子君、部活は?」
「……早めに終わったんです。」
「?珍しいこともあるのね。」
「あの、桃井さんも来てて……。」
「私もお邪魔して良い?」
「桃井さんも?
……どうぞ入って。
それと、何かあったのなら、聞かせてくれないかしら?
私でよければ、力になるわ。」
沈んだ雰囲気を背負う二人と、含みのある口振りに、何かあったことを察して、私は彼らを部屋へと招き入れたのであった。