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to be or not to be:生も死も今は大した問題じゃない
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今日こそは、黒子君と話そう。
そう意気込んで学校に向かう私の耳に、噂が入ってきた。
「今日、転校生が来るんだって!!」
……どうでもいいわね。
隣のクラスならほぼ接触はないでしょうし、そんな知りもしない人間に構っている暇はないのよ。
タァンッと勢いよくドアを開けて己の席に鞄を置く。
彼の姿を探したが、どうやらまだ来てないらしいわ。
部活の最中なのね。
深呼吸をして椅子に座った。
今日こそは、今日こそは例え黄瀬涼太がいたって黒子君に話し掛けるんだから……!
微動だにせずに座って待っていると、少しずつ教室に入ってくる生徒の数が増えてくる。
部活が終わったのだろう。
中にはバスケ部の生徒もいる。
集中して見ていると、その生徒の群れの中に水色の特徴的な頭を見つけた。
「あ……、黒子君っ。」
「多々良さん……?」
呼び掛けると、驚いたような顔をしながらこちらに寄ってきてくれる。
ああ、よかった、嫌われてはいないみたい。
だって嫌いならわざわざ自分から近寄ってきたりしないもんね。
それに少し安心して、私からも黒子君に歩み寄った。
二人で自然と教室の隅に寄りながら、私の方から口火を切った。
「黒子君、この間はごめんなさい。」
「え?」
「この間、部室で……気分悪くさせてしまったわよね……。
ごめんなさい……。」
「そんな、多々良さんは悪くありませんよ!
僕たちの方こそ、突然押し掛けた上にあんなこと……。
黄瀬君にもよく言っておきましたから、多々良さんは気にしないで下さい。」
「……怒ってない?」
「なぜ僕が怒るんですか?」
「私が、あなたの友達に酷いことを言ったから……。」
「先に酷いことを言ったのは黄瀬君です。」
「部屋から追い出したわ。」
「それも黄瀬君が多々良さんを怒らせてしまったのがいけないんです。
多々良さんは何も悪くありませんよ。」
「ほ、本当……?」
「はい。」
安心させるように優しく微笑んで頷いた黒子君に、胸を撫で下ろすと共にドキリとした。
優しすぎるわよ、黒子君のバカっ……!!
これ以上好きにさせてどうすんのよ……。
「昨日もずっと言おうと思ってたんだけど、ずっと黄瀬君と話していたから……。」
「彼、ずっと付き纏ってきてましたからね。
折角多々良さんが話し掛けようとしてくれていたのに、ごめんなさい。」
「え、あの、黒子君が謝ることはないのよ!?
タイミングが掴めなかっただけなのだし……。
……それより、今日は黄瀬君、いないのね。」
謝られてしまって思わず驚き、声が上擦ってしまう。
つまりはほら、黄瀬涼太が悪いのよ。
黒子君は何にも悪くないし、黒子君が言うなら私も悪くない。
でも、昨日はあんなにベタベタとくっついていたのに、なんで今日はいないのかしら?
「黄瀬君は自分のクラスにくる転校生を見に行くそうです。」
「ミーハーなのね。」
「でも、そのおかげで邪魔されずに多々良さんと話すことができます。」
なっ……!!ななな、ななっ!何それ!!何それ!?
口説いてるのっ!?天然なのっ!?
顔に血が上って熱い……。
黙りこんでしまった私をキョトンと見詰めて首を傾げる様子を見るに、天然なんでしょうね……。
末恐ろしいわ。
「……その、転校生の子は女の子なのかしら。
黒子君は何か、聞いてる?」
なんとか話を逸らした私に、嫌な顔一つ見せずに話に乗ってくれる黒子君は本当に優しい。
もう一生着いていくわ。
「女生徒だとは聞いてますけど、詳しいことは知りません。
黄瀬君は少し見たそうですが、綺麗な方だったそうですよ。」
「そうなの……。」
綺麗な子、……黒子君も興味があるのかしら。
私なんかに興味を持ってくれるとは思えないけど、でも他の子にとられるっていうのは、悔しいわ……。
「多々良さん、今度また、文芸部に遊びに行っても良いですか……?」
「!!もちろんよ。
本を読みにでも、お茶をしにでも、暇潰しにでも、また来てくれると、嬉しい。」
「ありがとうございます。」
お互い淡々と話をしているように見えるかもしれないけれど、私の方はもう、心の中でお祭り騒ぎが起きている。
また来てくれる、それだけで、今日一日幸せに過ごせるわ。
だらしなく緩みそうになるほっぺを根性で堪えてポーカーフェイスを作ったまま、そろそろ鐘がなるから、といって黒子君と別れた。
フワフワと浮き立つ気持ちを抑えて、久しぶりに上機嫌のまま、朝のホームルームを迎えることができた。
そう意気込んで学校に向かう私の耳に、噂が入ってきた。
「今日、転校生が来るんだって!!」
……どうでもいいわね。
隣のクラスならほぼ接触はないでしょうし、そんな知りもしない人間に構っている暇はないのよ。
タァンッと勢いよくドアを開けて己の席に鞄を置く。
彼の姿を探したが、どうやらまだ来てないらしいわ。
部活の最中なのね。
深呼吸をして椅子に座った。
今日こそは、今日こそは例え黄瀬涼太がいたって黒子君に話し掛けるんだから……!
微動だにせずに座って待っていると、少しずつ教室に入ってくる生徒の数が増えてくる。
部活が終わったのだろう。
中にはバスケ部の生徒もいる。
集中して見ていると、その生徒の群れの中に水色の特徴的な頭を見つけた。
「あ……、黒子君っ。」
「多々良さん……?」
呼び掛けると、驚いたような顔をしながらこちらに寄ってきてくれる。
ああ、よかった、嫌われてはいないみたい。
だって嫌いならわざわざ自分から近寄ってきたりしないもんね。
それに少し安心して、私からも黒子君に歩み寄った。
二人で自然と教室の隅に寄りながら、私の方から口火を切った。
「黒子君、この間はごめんなさい。」
「え?」
「この間、部室で……気分悪くさせてしまったわよね……。
ごめんなさい……。」
「そんな、多々良さんは悪くありませんよ!
僕たちの方こそ、突然押し掛けた上にあんなこと……。
黄瀬君にもよく言っておきましたから、多々良さんは気にしないで下さい。」
「……怒ってない?」
「なぜ僕が怒るんですか?」
「私が、あなたの友達に酷いことを言ったから……。」
「先に酷いことを言ったのは黄瀬君です。」
「部屋から追い出したわ。」
「それも黄瀬君が多々良さんを怒らせてしまったのがいけないんです。
多々良さんは何も悪くありませんよ。」
「ほ、本当……?」
「はい。」
安心させるように優しく微笑んで頷いた黒子君に、胸を撫で下ろすと共にドキリとした。
優しすぎるわよ、黒子君のバカっ……!!
これ以上好きにさせてどうすんのよ……。
「昨日もずっと言おうと思ってたんだけど、ずっと黄瀬君と話していたから……。」
「彼、ずっと付き纏ってきてましたからね。
折角多々良さんが話し掛けようとしてくれていたのに、ごめんなさい。」
「え、あの、黒子君が謝ることはないのよ!?
タイミングが掴めなかっただけなのだし……。
……それより、今日は黄瀬君、いないのね。」
謝られてしまって思わず驚き、声が上擦ってしまう。
つまりはほら、黄瀬涼太が悪いのよ。
黒子君は何にも悪くないし、黒子君が言うなら私も悪くない。
でも、昨日はあんなにベタベタとくっついていたのに、なんで今日はいないのかしら?
「黄瀬君は自分のクラスにくる転校生を見に行くそうです。」
「ミーハーなのね。」
「でも、そのおかげで邪魔されずに多々良さんと話すことができます。」
なっ……!!ななな、ななっ!何それ!!何それ!?
口説いてるのっ!?天然なのっ!?
顔に血が上って熱い……。
黙りこんでしまった私をキョトンと見詰めて首を傾げる様子を見るに、天然なんでしょうね……。
末恐ろしいわ。
「……その、転校生の子は女の子なのかしら。
黒子君は何か、聞いてる?」
なんとか話を逸らした私に、嫌な顔一つ見せずに話に乗ってくれる黒子君は本当に優しい。
もう一生着いていくわ。
「女生徒だとは聞いてますけど、詳しいことは知りません。
黄瀬君は少し見たそうですが、綺麗な方だったそうですよ。」
「そうなの……。」
綺麗な子、……黒子君も興味があるのかしら。
私なんかに興味を持ってくれるとは思えないけど、でも他の子にとられるっていうのは、悔しいわ……。
「多々良さん、今度また、文芸部に遊びに行っても良いですか……?」
「!!もちろんよ。
本を読みにでも、お茶をしにでも、暇潰しにでも、また来てくれると、嬉しい。」
「ありがとうございます。」
お互い淡々と話をしているように見えるかもしれないけれど、私の方はもう、心の中でお祭り騒ぎが起きている。
また来てくれる、それだけで、今日一日幸せに過ごせるわ。
だらしなく緩みそうになるほっぺを根性で堪えてポーカーフェイスを作ったまま、そろそろ鐘がなるから、といって黒子君と別れた。
フワフワと浮き立つ気持ちを抑えて、久しぶりに上機嫌のまま、朝のホームルームを迎えることができた。