×鰤市
さて、その翌日。
「スクアーロ君!この間はありがとね!!」
「おう、怪我、もう大丈夫なのかぁ?」
「うん!全然平気だよ!」
「そうか、よかったなぁ」
学校で会った井上に、頭を下げられ、菓子折りを渡される。
そんなに気にしなくてもいいのになぁ、と思いはしたが、せっかくの厚意だ、大人しく受け取っておこう。
「……そういえば、お前の家、壊されたって聞いたがぁ、大丈夫なのかぁ?」
「え!?どこで聞いたの?」
「風の噂にだぁ」
「へー、すごいねー!」
いや、本当はこの目で見たから知っていただけなんだが、まあ彼女は楽しそうだし、別にいいか。
「そうなの、横綱が家に来て、テッポウで壁に穴開けたの!」
「……それは、すごいなぁ……」
これはあれか、死神流のメンタルケア的ななにかか。
虚に襲われたはずなのに、どうしてこうなっちまったんだ……。
つーか警察はこれで納得できたのだろうか。
あんな穴、鉄砲で開けるのはかなり苦労しそうなんだけどな。
中からロケットランチャーでも撃ったのか?ってくらいの、滅茶苦茶な破壊具合だったもの。
「ま、あれだぁ、怪我がなくてよかったなぁ」
「うん!」
明るく頷く井上に、オレも安心する。
虚の事は死神なりにケアをしていたようなのだが、ケアの仕方が色々と……まあアレだし、落ち込んでないか心配していたんだが、どうやらそれは無用だったらしい。
「でもそのせいで今、アパート追い出されちゃったんだ……」
「そうなのかぁ!?」
そう言われて初めてハッとした。
ああそうか、確かに、マンションはボロボロだったし、あんな騒ぎ起こされちゃあ、管理人の方もたまったもんじゃないだろう。
追い出されるのも、道理、か。
「あ、大丈夫だよ!しばらくはホテルで暮らして、すぐに新しい家見付けるから!」
「……ちょっと、後でもう一回話しに行くな」
「へ?」
「うちのアパート、入れるかどうか聞いてみる」
「え!いいの!?」
「当たり前だぁ。まあ、聞いてみなくちゃわからねぇから、あまり期待はするなよ」
「ありがとう!」
頷くと、井上は嬉しそうに礼を言って、一時間目のチャイムの音とともに、跳ねるように席へと戻って行った。
アパートには、確か空き部屋があったはずだ。
新しく入る予定があるとも聞いてないし、たぶん大丈夫だろう。
しかし問題は、そのアパートを紹介することで、彼らの未来にどんな影響が起こるかってことだ。
そこは白蘭とユニに聞くしかないか。
そして、一時間目終わりの休み時間、白蘭への電話で許可を取る。
「……というわけなんだがぁ」
『いいよー♪』
「そんな軽い感じでいいのかよ!?」
『大丈夫大丈夫♪ユニちゃんがそうなるって予知してたから』
「はあ!?それならそうと早く言え!」
『だって言っちゃったら、予知がずれちゃうかもしれないでしょ?』
「ぐ……それはそうだがぁ……」
『んふふ♪じゃあ後はよろしくね!』
と、そんなことを言われて、その後、自分のアパートの管理人からも許可をもらい、結果、三日後には井上がオレの部屋の真上に入居することが決まったのであった。
ちょっと納得いかない部分はあったが、まあ彼女は嬉しそうにしていたし、構わないか……。
大きくため息を吐いたオレは、午前中最後の授業を受けるために、教科書を机の上に出したのだった。
「スクアーロ君!この間はありがとね!!」
「おう、怪我、もう大丈夫なのかぁ?」
「うん!全然平気だよ!」
「そうか、よかったなぁ」
学校で会った井上に、頭を下げられ、菓子折りを渡される。
そんなに気にしなくてもいいのになぁ、と思いはしたが、せっかくの厚意だ、大人しく受け取っておこう。
「……そういえば、お前の家、壊されたって聞いたがぁ、大丈夫なのかぁ?」
「え!?どこで聞いたの?」
「風の噂にだぁ」
「へー、すごいねー!」
いや、本当はこの目で見たから知っていただけなんだが、まあ彼女は楽しそうだし、別にいいか。
「そうなの、横綱が家に来て、テッポウで壁に穴開けたの!」
「……それは、すごいなぁ……」
これはあれか、死神流のメンタルケア的ななにかか。
虚に襲われたはずなのに、どうしてこうなっちまったんだ……。
つーか警察はこれで納得できたのだろうか。
あんな穴、鉄砲で開けるのはかなり苦労しそうなんだけどな。
中からロケットランチャーでも撃ったのか?ってくらいの、滅茶苦茶な破壊具合だったもの。
「ま、あれだぁ、怪我がなくてよかったなぁ」
「うん!」
明るく頷く井上に、オレも安心する。
虚の事は死神なりにケアをしていたようなのだが、ケアの仕方が色々と……まあアレだし、落ち込んでないか心配していたんだが、どうやらそれは無用だったらしい。
「でもそのせいで今、アパート追い出されちゃったんだ……」
「そうなのかぁ!?」
そう言われて初めてハッとした。
ああそうか、確かに、マンションはボロボロだったし、あんな騒ぎ起こされちゃあ、管理人の方もたまったもんじゃないだろう。
追い出されるのも、道理、か。
「あ、大丈夫だよ!しばらくはホテルで暮らして、すぐに新しい家見付けるから!」
「……ちょっと、後でもう一回話しに行くな」
「へ?」
「うちのアパート、入れるかどうか聞いてみる」
「え!いいの!?」
「当たり前だぁ。まあ、聞いてみなくちゃわからねぇから、あまり期待はするなよ」
「ありがとう!」
頷くと、井上は嬉しそうに礼を言って、一時間目のチャイムの音とともに、跳ねるように席へと戻って行った。
アパートには、確か空き部屋があったはずだ。
新しく入る予定があるとも聞いてないし、たぶん大丈夫だろう。
しかし問題は、そのアパートを紹介することで、彼らの未来にどんな影響が起こるかってことだ。
そこは白蘭とユニに聞くしかないか。
そして、一時間目終わりの休み時間、白蘭への電話で許可を取る。
「……というわけなんだがぁ」
『いいよー♪』
「そんな軽い感じでいいのかよ!?」
『大丈夫大丈夫♪ユニちゃんがそうなるって予知してたから』
「はあ!?それならそうと早く言え!」
『だって言っちゃったら、予知がずれちゃうかもしれないでしょ?』
「ぐ……それはそうだがぁ……」
『んふふ♪じゃあ後はよろしくね!』
と、そんなことを言われて、その後、自分のアパートの管理人からも許可をもらい、結果、三日後には井上がオレの部屋の真上に入居することが決まったのであった。
ちょっと納得いかない部分はあったが、まあ彼女は嬉しそうにしていたし、構わないか……。
大きくため息を吐いたオレは、午前中最後の授業を受けるために、教科書を机の上に出したのだった。