×鳴門
「えーっと……上がってく?」
途切れた会話を繋ぎ直そうと、一先ずそう言ってみる。
「いや、良い。すぐに終わる。それに、他に来客があるようだしな」
フガクはオレの申し出を断り、チラリと玄関に並ぶ靴に目を向ける。
3足綺麗に並べられた靴は、オレが履くものよりも大きく、すぐに他人のモノとわかる。
「そう?それで……あー……、今日は突然どうしたんだぁ?」
「……」
フガクがそう言うならば、ここで話を済ませてしまえば、それで良いか。
問い掛けたオレの顔を見ながら、フガクは言いにくそうに顔をしかめて、少しの間、口を閉じたままでいた。
暫くして、ようやく口を開けたフガクは、あからさまにオレから視線を逸らして話し出す。
「その……妻が、な」
「妻?」
フガクって奥さんいたんだ。
まあ年齢的にはなんらおかしくはないけど、なんか想像つかねぇなぁ。
「オレが息子に構いすぎると」
「へ?」
息子がいたのにも驚きだが、この人意外に子煩悩なのか。
いやいや、あの任務での過保護っぷりを思い出せばまあ、納得いく……か?
でもそれがオレとどう関係してくるっていうのだろう。
「……後ろめたさから、構っているんじゃないのかと……」
「後ろめた……浮気かぁ!?」
「してない!」
つまりは、理由もわからず突然に、今まで育児に無関心だった夫が息子と遊ぶようになり始めたから、浮気の後ろめたさで家では優しくしているのでは、と奥さんは疑ったわけか。
思わず叫んでしまったオレは、慌てて口を塞いで、声をひそめる。
「浮気なら、ちゃんと謝って相手と別れねぇと……」
「だから浮気ではない!……その、お前との任務以降、少し、考え方が変わっただけだ」
「……オレ?」
「妻にも話して、納得してもらった」
「なんだよ、解決してんのかぁ」
「しかし……今度は妻がお前に興味を持ってな……」
「は?」
「会いたいと……」
「はあ?」
会いたいって……オレに?
どういう話し方をしたんだろう、この人は。
というかそれ、浮気じゃない証明に連れてきて、とは違うのだろうか。
「それでだな、今度夕飯でもどうかと、誘いに来たのだが」
「あ、ああ……それで来たのかぁ」
「……三日後の夜だ。都合は良いか?」
「それは大丈夫だけど……、オレが行っても良いのか?」
「お前が来てくれないと困る」
「あー……まあ、そうだよなぁ」
まあ、フガクにそこまで言われてしまっては、断るのは忍びない。
というわけで、オレはこくんと1つ頷く。
「じゃあ、お邪魔しようか、な……」
「わかった。では三日後、迎えに行く」
そう言って帰っていったフガクを見送り、リビングへと戻ったオレを待っていたのは、無惨にも食らい尽くされた料理の皿だった。
「オビトてめぇ……!」
「な、なんでオレだってわかるんだよ!?」
「自分の口の周り見てから出直してきなよ、オビト」
「バレバレよ?」
オビトはもちろん、この手でシバいて反省させた。
他人の飯まで食うとは、言語道断だ。
ただ、カカシの皿から綺麗に天ぷらが消えていたのは、嬉しいと思った。
途切れた会話を繋ぎ直そうと、一先ずそう言ってみる。
「いや、良い。すぐに終わる。それに、他に来客があるようだしな」
フガクはオレの申し出を断り、チラリと玄関に並ぶ靴に目を向ける。
3足綺麗に並べられた靴は、オレが履くものよりも大きく、すぐに他人のモノとわかる。
「そう?それで……あー……、今日は突然どうしたんだぁ?」
「……」
フガクがそう言うならば、ここで話を済ませてしまえば、それで良いか。
問い掛けたオレの顔を見ながら、フガクは言いにくそうに顔をしかめて、少しの間、口を閉じたままでいた。
暫くして、ようやく口を開けたフガクは、あからさまにオレから視線を逸らして話し出す。
「その……妻が、な」
「妻?」
フガクって奥さんいたんだ。
まあ年齢的にはなんらおかしくはないけど、なんか想像つかねぇなぁ。
「オレが息子に構いすぎると」
「へ?」
息子がいたのにも驚きだが、この人意外に子煩悩なのか。
いやいや、あの任務での過保護っぷりを思い出せばまあ、納得いく……か?
でもそれがオレとどう関係してくるっていうのだろう。
「……後ろめたさから、構っているんじゃないのかと……」
「後ろめた……浮気かぁ!?」
「してない!」
つまりは、理由もわからず突然に、今まで育児に無関心だった夫が息子と遊ぶようになり始めたから、浮気の後ろめたさで家では優しくしているのでは、と奥さんは疑ったわけか。
思わず叫んでしまったオレは、慌てて口を塞いで、声をひそめる。
「浮気なら、ちゃんと謝って相手と別れねぇと……」
「だから浮気ではない!……その、お前との任務以降、少し、考え方が変わっただけだ」
「……オレ?」
「妻にも話して、納得してもらった」
「なんだよ、解決してんのかぁ」
「しかし……今度は妻がお前に興味を持ってな……」
「は?」
「会いたいと……」
「はあ?」
会いたいって……オレに?
どういう話し方をしたんだろう、この人は。
というかそれ、浮気じゃない証明に連れてきて、とは違うのだろうか。
「それでだな、今度夕飯でもどうかと、誘いに来たのだが」
「あ、ああ……それで来たのかぁ」
「……三日後の夜だ。都合は良いか?」
「それは大丈夫だけど……、オレが行っても良いのか?」
「お前が来てくれないと困る」
「あー……まあ、そうだよなぁ」
まあ、フガクにそこまで言われてしまっては、断るのは忍びない。
というわけで、オレはこくんと1つ頷く。
「じゃあ、お邪魔しようか、な……」
「わかった。では三日後、迎えに行く」
そう言って帰っていったフガクを見送り、リビングへと戻ったオレを待っていたのは、無惨にも食らい尽くされた料理の皿だった。
「オビトてめぇ……!」
「な、なんでオレだってわかるんだよ!?」
「自分の口の周り見てから出直してきなよ、オビト」
「バレバレよ?」
オビトはもちろん、この手でシバいて反省させた。
他人の飯まで食うとは、言語道断だ。
ただ、カカシの皿から綺麗に天ぷらが消えていたのは、嬉しいと思った。