if群青×黒子、違う世界の人たち
東京、とある高校……。
「……?」
「どうかしたか?」
「……いえ、気のせいみたいです」
「そうか?」
キョロキョロと周囲を見回す、色素の薄い少年と、その隣で不思議そうに彼を見る赤髪の活発そうな少年。
彼らの向こうでは幾人かの少年達がバスケットボールをしている。
その様子を、じっと見ているカラスが一匹いた……。
「……む、今なにか」
「あ、もしかして真ちゃんも感じた?」
「誰かに、見られているような気がしたのだよ……」
同じ東京都内で、二人の少年がキョロリと周囲に視線を巡らせる。
だが、自分達以外には誰もいない。
しばらく落ち着かなさげな二人だったが、その内彼らの意識はバスケットボールの自主練習に移り、視線の事は忘れていった。
そんな二人を、1羽の鷹が見ているとも知らずに……。
そして都内の別の高校で、一人の少年が苛立たしげに舌打ちをしていた。
「気に食わねぇ……」
「もう!だから何が気に食わないのって、さっきから聞いてるじゃない!」
「だーかーらー!さっきからずっと、嫌な気配感じるっつってんだろうが!」
「でも、何にもないじゃない!」
「でも気に食わねーんだよ!」
肌の黒い青髪の男子高生と、桃色の髪の女子高生は周囲の人間が振り向くのも構わず、かなりの大声で騒いでいた。
特に青髪の少年は、終始ピリピリとした様子で、野生動物か何かのように警戒心を露に自分の周りに睨みを効かせている。
彼らの上空では、この季節にいるはずのない燕が1羽、風を切って飛んでいった。
神奈川県のとある高校、制服の少年達が道を歩いていた。
「あ、あれってフクロウじゃないッスか!?」
「フクロウなんて、この都会にいるわけねーだろ」
「えー!でも本当に……あれ?」
「……フクロウなんてどこにもいねーぞ」
「あれ!?でもさっきは本当に……」
金髪の涼しげな顔立ちをした少年が、フクロウの姿を探して辺りを見回す。
だが当のフクロウは、既に彼らの死角へと隠れて、再び彼らを観察するようにじっと見ていた……。
秋田県、豪雪地帯にある1つの高校では、黒髪の優男然とした一人の高校生が顔をひきつらせていた。
「……アツシ、その、頭の上に乗せているのは何かな?」
「さっきねー、拾った」
「ひ、拾ったんだ……」
2m以上ある巨体で、のっしのっしと歩く紫髪の少年は、何故かその頭の上に1羽の鳥を乗せていた。
ヒヨコのような可愛らしい黄色の鳥。
その鳥は、クリクリとした円らな瞳を優男風の少年に向けると、その嘴を開いた。
「みどーりーたなびくーなみもりのー♪」
「歌った!?」
「だいなーくーしょうなくーなみーがいいー♪」
「室ちーん、この子焼いたら食べられるかなー?」
「食べるのかい!?」
命の危機を感じたのか、小さな鳥はパタパタと飛び立っていき、紫の少年は残念そうにそれを見送ったのだった……。
京都府、某所の体育館の前で、3人の少年達が座り込んでいた。
「どこから来たのかしら?」
「ほっとけば帰るだろ?」
「でも可愛いなー!部活(うち)で飼ったりとか……」
「あの征ちゃんが良いって言うわけないでしょ……。それ以前に、この子首輪着けてるわよ。飼い猫なんじゃないかしら?」
猫目の少年が撫でているのは、まだ小さな仔猫だった。
少年の手にじゃれつく仔猫は、気持ち良さそうにゴロゴロと喉を鳴らしている。
その仔猫のつけている首輪に、極々小さな監視カメラがついている事には、誰一人として気付かなかった……。
「……?」
「どうかしたか?」
「……いえ、気のせいみたいです」
「そうか?」
キョロキョロと周囲を見回す、色素の薄い少年と、その隣で不思議そうに彼を見る赤髪の活発そうな少年。
彼らの向こうでは幾人かの少年達がバスケットボールをしている。
その様子を、じっと見ているカラスが一匹いた……。
「……む、今なにか」
「あ、もしかして真ちゃんも感じた?」
「誰かに、見られているような気がしたのだよ……」
同じ東京都内で、二人の少年がキョロリと周囲に視線を巡らせる。
だが、自分達以外には誰もいない。
しばらく落ち着かなさげな二人だったが、その内彼らの意識はバスケットボールの自主練習に移り、視線の事は忘れていった。
そんな二人を、1羽の鷹が見ているとも知らずに……。
そして都内の別の高校で、一人の少年が苛立たしげに舌打ちをしていた。
「気に食わねぇ……」
「もう!だから何が気に食わないのって、さっきから聞いてるじゃない!」
「だーかーらー!さっきからずっと、嫌な気配感じるっつってんだろうが!」
「でも、何にもないじゃない!」
「でも気に食わねーんだよ!」
肌の黒い青髪の男子高生と、桃色の髪の女子高生は周囲の人間が振り向くのも構わず、かなりの大声で騒いでいた。
特に青髪の少年は、終始ピリピリとした様子で、野生動物か何かのように警戒心を露に自分の周りに睨みを効かせている。
彼らの上空では、この季節にいるはずのない燕が1羽、風を切って飛んでいった。
神奈川県のとある高校、制服の少年達が道を歩いていた。
「あ、あれってフクロウじゃないッスか!?」
「フクロウなんて、この都会にいるわけねーだろ」
「えー!でも本当に……あれ?」
「……フクロウなんてどこにもいねーぞ」
「あれ!?でもさっきは本当に……」
金髪の涼しげな顔立ちをした少年が、フクロウの姿を探して辺りを見回す。
だが当のフクロウは、既に彼らの死角へと隠れて、再び彼らを観察するようにじっと見ていた……。
秋田県、豪雪地帯にある1つの高校では、黒髪の優男然とした一人の高校生が顔をひきつらせていた。
「……アツシ、その、頭の上に乗せているのは何かな?」
「さっきねー、拾った」
「ひ、拾ったんだ……」
2m以上ある巨体で、のっしのっしと歩く紫髪の少年は、何故かその頭の上に1羽の鳥を乗せていた。
ヒヨコのような可愛らしい黄色の鳥。
その鳥は、クリクリとした円らな瞳を優男風の少年に向けると、その嘴を開いた。
「みどーりーたなびくーなみもりのー♪」
「歌った!?」
「だいなーくーしょうなくーなみーがいいー♪」
「室ちーん、この子焼いたら食べられるかなー?」
「食べるのかい!?」
命の危機を感じたのか、小さな鳥はパタパタと飛び立っていき、紫の少年は残念そうにそれを見送ったのだった……。
京都府、某所の体育館の前で、3人の少年達が座り込んでいた。
「どこから来たのかしら?」
「ほっとけば帰るだろ?」
「でも可愛いなー!部活(うち)で飼ったりとか……」
「あの征ちゃんが良いって言うわけないでしょ……。それ以前に、この子首輪着けてるわよ。飼い猫なんじゃないかしら?」
猫目の少年が撫でているのは、まだ小さな仔猫だった。
少年の手にじゃれつく仔猫は、気持ち良さそうにゴロゴロと喉を鳴らしている。
その仔猫のつけている首輪に、極々小さな監視カメラがついている事には、誰一人として気付かなかった……。