if群青×戯言、零崎威識の人間遊戯
並盛中学校はその日、転校生達の話題で持ちきりだった。
綱吉も例に漏れず、獄寺と共に遠目に転校生の様子を伺いながら、会話を交わしていた。
一時間目も終わり、各々が好きなように過ごす中、突如響いた爆音が、生徒達のざわめきをかき消した。
「ゔお゙ぉい!沢田ぁ!!こっちに来い!!」
「ツナァ!こっちだこっち!!」
「ス、スススクアーロにディーノさん!?何で窓からぁ!?」
「テメーら何でここに!!」
「ちょうど良い、テメーも来い獄寺ぁ!!」
「はあ!?」
突然窓を開けて入ってきた謎の外国人3人組に、綱吉と獄寺が連れていかれるのを、生徒達はただ呆然と見守ることしかできなかった。
* * *
「良いかぁ?敵はオレやベルと同じようにワイヤーを使ってくる。立ち止まってたらすぐに捕まる。とにかく走れぇ」
「はぁっ!で、でもっ!きつっ……!」
「10代目……!ファイトっす!」
「走れったって!どこまで行くつもりなんだよ!?」
「障害物のない広いところだぁ!」
「どこそれぇー!!」
「おいボウズども!文句いってる暇があるなら走れ!」
さて、スクアーロとディーノ、ロマーリオに連れられて、綱吉と獄寺は町中を全力疾走していた。
先頭を走るスクアーロは、後ろに続く仲間達に右へ左へと指示を飛ばしながら、時折振り返っては顔をしかめる。
「……ワイヤー使いの気配はねぇが……」
「が!?他の奴がいるの!?」
「そこら中にトラップが仕掛けられてるなぁ。……ここ、右に曲がるぞぉ」
「っと!ここか!!」
ほんの僅かな痕跡を見て、トラップのない道を選んでいるらしいスクアーロだが、このスピードで見極めるなど、ヴァリアークオリティーを越えて裏世界のプロプレイヤー並み……いや、彼らでさえもこんな離れ業が出来るのは、ごく少数人しかいないだろう。
しかしスクアーロの顔は浮かなかった。
「……クソ、明らかに誘導されてやがる」
「えぇっ!?」
「トラップ突破するぞぉ」
「はぁあ!?」
「跳ね馬ぁ、テメー後ろ見てろ」
「わかった」
ディーノに指示を出して、角を曲がったスクアーロは、罠の張ってあるらしき道を進む。
予想通り、ワイヤートラップが張られていたそこを、慎重に見定めて手早く抜け道を作り出す。
「沢田、来い」
「あ、うん……!」
「いいかヴァリアー!10代目に傷1つでもつけたら承知しねぇからな!!」
「獄寺君ちょっと静かにしてて!」
「う、うっす!」
綱吉の手を引いて進むスクアーロ、その様子を視界に収め、ディーノは胸にモヤモヤした気持ちを感じる。
いわゆる、嫉妬と言うものだろうか。
そんな場合じゃないことはよくわかってるが、ディーノの視線は鋭くなってしまう。
それでも自分の仕事はこなそうと、背後に注意を向けたときだった。
「うっ……わ!?」
ぎらりと光る刃物が鼻先を掠める。
1歩下がって避けたディーノの背中が、前にいた獄寺に当たる。
何とか転けることなく踏み留まったディーノは、懐から鞭を取り出す。
向き合った相手は、想像通り、この間自分達を襲いに来たひょっとこのお面の少女で、しかし彼女はなぜか、全身を防火服で包んでいた。
「ここから先には通しませんからっ!」
「なっ……まさか!!」
彼女の言葉と同時に、ディーノの背後、先を行っていた仲間達のいる場所で、大きな爆発が起こった。
綱吉も例に漏れず、獄寺と共に遠目に転校生の様子を伺いながら、会話を交わしていた。
一時間目も終わり、各々が好きなように過ごす中、突如響いた爆音が、生徒達のざわめきをかき消した。
「ゔお゙ぉい!沢田ぁ!!こっちに来い!!」
「ツナァ!こっちだこっち!!」
「ス、スススクアーロにディーノさん!?何で窓からぁ!?」
「テメーら何でここに!!」
「ちょうど良い、テメーも来い獄寺ぁ!!」
「はあ!?」
突然窓を開けて入ってきた謎の外国人3人組に、綱吉と獄寺が連れていかれるのを、生徒達はただ呆然と見守ることしかできなかった。
* * *
「良いかぁ?敵はオレやベルと同じようにワイヤーを使ってくる。立ち止まってたらすぐに捕まる。とにかく走れぇ」
「はぁっ!で、でもっ!きつっ……!」
「10代目……!ファイトっす!」
「走れったって!どこまで行くつもりなんだよ!?」
「障害物のない広いところだぁ!」
「どこそれぇー!!」
「おいボウズども!文句いってる暇があるなら走れ!」
さて、スクアーロとディーノ、ロマーリオに連れられて、綱吉と獄寺は町中を全力疾走していた。
先頭を走るスクアーロは、後ろに続く仲間達に右へ左へと指示を飛ばしながら、時折振り返っては顔をしかめる。
「……ワイヤー使いの気配はねぇが……」
「が!?他の奴がいるの!?」
「そこら中にトラップが仕掛けられてるなぁ。……ここ、右に曲がるぞぉ」
「っと!ここか!!」
ほんの僅かな痕跡を見て、トラップのない道を選んでいるらしいスクアーロだが、このスピードで見極めるなど、ヴァリアークオリティーを越えて裏世界のプロプレイヤー並み……いや、彼らでさえもこんな離れ業が出来るのは、ごく少数人しかいないだろう。
しかしスクアーロの顔は浮かなかった。
「……クソ、明らかに誘導されてやがる」
「えぇっ!?」
「トラップ突破するぞぉ」
「はぁあ!?」
「跳ね馬ぁ、テメー後ろ見てろ」
「わかった」
ディーノに指示を出して、角を曲がったスクアーロは、罠の張ってあるらしき道を進む。
予想通り、ワイヤートラップが張られていたそこを、慎重に見定めて手早く抜け道を作り出す。
「沢田、来い」
「あ、うん……!」
「いいかヴァリアー!10代目に傷1つでもつけたら承知しねぇからな!!」
「獄寺君ちょっと静かにしてて!」
「う、うっす!」
綱吉の手を引いて進むスクアーロ、その様子を視界に収め、ディーノは胸にモヤモヤした気持ちを感じる。
いわゆる、嫉妬と言うものだろうか。
そんな場合じゃないことはよくわかってるが、ディーノの視線は鋭くなってしまう。
それでも自分の仕事はこなそうと、背後に注意を向けたときだった。
「うっ……わ!?」
ぎらりと光る刃物が鼻先を掠める。
1歩下がって避けたディーノの背中が、前にいた獄寺に当たる。
何とか転けることなく踏み留まったディーノは、懐から鞭を取り出す。
向き合った相手は、想像通り、この間自分達を襲いに来たひょっとこのお面の少女で、しかし彼女はなぜか、全身を防火服で包んでいた。
「ここから先には通しませんからっ!」
「なっ……まさか!!」
彼女の言葉と同時に、ディーノの背後、先を行っていた仲間達のいる場所で、大きな爆発が起こった。