if群青×黒子、違う世界の人たち

「始まるぜ!」
「全員集合!!」
「第一回自己紹介大会ー!!」
「inボンゴレ自警団♪」

朝食が終わった後、突然テンション高く登場した、並盛三人衆+白蘭に、その場にいた人々は皆、絶句した。
そして彼らを更に、呆然とさせる出来事が起こる。

「引かれてんじゃねーかダメツナ」
「へぶっ!!」

突然綱吉の背後から現れた少年が、彼の後ろ頭を思いっきり叩く。
バチコンッと、凄まじい音がしたが、綱吉はすぐに復活して彼に詰め寄る。

「リボーン!お前がやれって言ったんだろ!?何でオレが叩かれなきゃならないんだよ!?」
「オレ様だからだぞ」
「身勝手ーっ!!」

どうやら先程の異様なテンションの叫びは、彼、リボーンの仕業らしい。
そして彼らの後ろからは、続々と他のメンバーが集まってくる。
ボンゴレ元10代目ファミリー、ヴァリアー、ミルフィオーレ、シモン、チェデフの人間達の内、今日は比較的暇がある人間が集まっている。
そして最後に現れた人物に、黄色頭が素早く反応して飛び付いた。

「スクっちー!おはよーっス!」
「……あ゙あ、おはよう」

黄色頭……勿論、黄瀬だ。
周りの仲間達が、一斉に彼に振り向いて凝視する。
その事に微妙な顔をしながらも、彼に挨拶を返したスクアーロは、疲れたように頭を掻くと、綱吉に催促した。

「手っ取り早く終わらせようぜぇ」
「うん、わかった。さて!皆さん、突然ごめんなさい!今日はこの基地にいる人と、この基地の中を紹介して、少しでも早く慣れてもらおうと思います!」
「……それでさっきの自己紹介、というところに繋がるのかい?」
「そうだよ!」

赤司に頼まれたように、彼らのストレスを少しでも減らすために綱吉達が考えたのは、『知ってもらう』ということだった。
なぜかスクアーロに懐いている黄瀬に、呆然としている仲間達を横に、赤司はなるほど、と頷く。
横一列に並んだ男達が、それぞれに自己紹介を始めた。

「じゃあまずはオレからね!オレは沢田綱吉と言います。高校一年生で、えーと、成績はあんまりよくないかなぁ、ダメツナってあだ名つけられるくらいだし……あはは……」

まず初めに、綱吉が名乗り出た。
頼りなさげにそう言う綱吉に、赤司以外の者達は全員、白けた目を向ける。
しかし、次に彼の口から出た言葉に、彼らは目を剥いて驚くことになる。

「頼りないかもしれないけど、自警団のボスを務めさせてもらっています」
「え……は!?」
「あ、あんたがぁ!!?」
「……こんな奴が、この組織を率いているのか?」

ざわめき立つ彼らだったが、机を叩く大きな音が、一気に沈黙を呼び戻す。
音の源は獄寺で、彼はぎろりと騒いでいた少年達を睨みあげていた。

「沢田さんをバカにしてんじゃねぇぞ」
「ご、獄寺君!良いから!気にしなくて良いから!!ね?」
「ツナは見た目ちょっと頼りなく見えっかもしんねーけど、本当は頼りになる、良いやつなのな」
「や、山本も……嬉しいけど、そんなこと言わなくて大丈夫だから……!」

いつも通りの様子の彼らに、仲間達からは苦笑ともとれるような笑いが漏れる。
黄瀬と隣り合って座っていたスクアーロは、呆れたように彼らから視線をそらして、簡単にまとめた。

「こんな曲者どもを率いてる時点で、こいつの素質は十分にある、ってわけだぁ。いまテメーらに向かってキレてた銀髪が獄寺隼人。そのへらへらしてんのが山本武だぁ。まあ、沢田の側近のようなものだと思っておけばいい。ちなみに二人とも戦闘員だな」
「おいテメー鮫野郎!オレ達の紹介簡潔に纏めすぎだろ!!」
「まーまー、落ちつけって獄寺!」

ほんのわずかな時間見ているだけで、彼らの関係性を想像できるようなやりとり。
気楽でいいよな、という呆れたような高尾の呟きは、誰にも聞き取られることなく宙へと消え、綱吉の後は簡潔な自己紹介が続く。

「じゃあ次は……そこのぐっすり寝てるモジャモジャがランボ。ガキだけど、うちのれっきとした戦闘員だよ。ウザいけど……仲良くしてあげてね」
「幹部は後三人いるが、そいつらは今、任務でここにいねぇ」
「あと、そこの帽子の奴はツナの先生で、リボーンっていうのな」
「ちゃおっス、よろしくな」
「次はミルフィオーレ勢、かな。さっきオレ達と一緒に入ってきた、白い人が白蘭」
「んふふ♪秀徳の二人と、バスで一緒だった人以外ははじめてだよね。白蘭、って名前だよ。基本ここにいるから、気軽に話しかけてね♪」
「ハハン、では、白蘭様の側近については僭越ながら私が……。私の名は桔梗と申します。こちらの青い髪の女の子がブルーベル、そして横にいるのはデイジーです。二人ともいい子ですので、仲良くして差し上げてくださいね」
「あ、あと僕達もだね!僕は入江正一。こっちはスパナ。僕達二人はメカニックだよ!」
「他の子たちは今は外出中♪γ君は……自分で自己紹介するでしょう?」

白蘭に振られたγが、浅く頷いて前に出る。

「ああ、オレの名はγ。このちっこいのが野猿だ。あと一人、太猿っつー戦闘員がいるが、今は出ている」
「よろしくなー!」
「じゃあ次は、炎真達シモンかな」

綱吉が振り返った先にいる炎真は、人に囲まれて小さくなっていたが、綱吉の言葉に促されて、仲間とともに前へと出てくる。

「あ、えーっと……古里炎真です……。一応戦闘員で……」
「もっとハキハキしゃべんなきゃおわんねーって炎真!」
「ご、ごめんジュリー……」
「じゃー紹介はオレちんがするぜー。加藤ジュリーって言うんだ。女の子達よろしくね~ん!そんで、山みたいにでっけーのが、大山らうじ。そんでガリ勉スタイルの奴が青葉紅葉な。他にも何人かいるけど、後は省略って感じで。ちな、全員戦闘員!」

ジュリーの紹介が終わり、次に出てきたのはバジルだった。

「拙者はバジルと申します!何卒よろしくお願いいたします!!拙者が所属しているチェデフは、諜報担当ですので、基本アジトにはいませんが、仲良くしてくださると嬉しいです!」

そして彼の紹介が終わると、全員の目は自然とヴァリアーの者達に向けられる。

「……オレは、スペルビ・スクアーロ。スクアーロでいい。そこの厳ついのがレヴィ・ア・タンで」
「誰が厳ついのだ!」
「……で、そこのカラフルなオカマがルッスーリア」
「誰がカラフルオカマよ!?」
「あとイタリアの方にボスと、今任務中でいない奴が一応二人いる。他にも平隊員が大勢いるがぁ、まああまり気にするなぁ」

大雑把な説明だったが、とにかくこれでこの場にいる全員の説明が終わり、満足したように綱吉が全員の様子を見回して言った。

「と、言うわけで、これがうちのメンバーです!質問とかあったら、何でも受け付けるからね!!」

それを聞いた黄瀬が、呆然と返した。

「キャラ濃過ぎて、どこからツッコめばいいのか……わからないっス……」

深く頷いた彼らを見て、スクアーロは深くため息を吐いたのだった。
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