if群青×黒子、違う世界の人たち
スクアーロと日向が駆け付けたとき、火神と氷室は、ドレッドヘアの男と対峙していた。
アレックスと言う彼らの師匠が、男に鋭い蹴りを入れる。
それは避けられたが、彼女を掴んでいた男の手が外された。
「おーこわー、女のケリじゃねーぞ」
馬鹿にしたような、嘲ったような顔で笑った男に対して、スクアーロは苛立ちを露に悪態を吐いた。
「あの程度の蹴りが出来る奴なら、裏社会にはゴロゴロいるぞぉ。世間知らずがぁ」
「今そんなこと言ってる場合じゃないっすって!何なんだよアイツは!?」
因みに二人は物陰に隠れてその様子を伺っているのだが、スクアーロはまだ出ていく気はないらしい。
何より……
「ジュリー?って人も、どこに行っちまったんですかコノヤロー!!」
「キレるなぁ。近くで敵が見付かった。そちらの対処に向かっている」
「ええっ!?」
それならいないことにも納得……だが、何故スクアーロが出ていかないのかがわからない。
日向が素直にそれを聞くと、スクアーロは面倒そうにそれに答えた。
「出来るなら、本人達で解決してもらいたいんだぁ。アレックスとか言うのも解放されたし……このまま暴力沙汰起こさなければ、それで万事解決だろぉがぁ」
「もし!暴力沙汰が起こって、ウチの火神が怪我したらどうするんすか!?」
「安心しろぉ、何かある前に止める。……いや、止める必要はなくなったようだなぁ」
「は?……あ、黄瀬!?」
スクアーロがピクと反応し視線を移す。
日向も同じ方向を見ると、派手な黄色の髪の男……黄瀬が二人に気付かずに近くを通り過ぎていた。
彼が思いっきりバスケットボールを投げ、それは真っ直ぐ男に向かう。
「いーい度胸だな、リョータぁ」
「黄瀬!?」
男は容易くボールをキャッチすると、やけに見下したような顔で黄瀬を見る。
その様子に日向が眉をひそめた。
「なんだ?知り合いなのかアイツら?」
「……らしいなぁ。何か、因縁でもありそうな様子だぁ」
「先生、あの野郎の事知らねーんすか?何か……話聞いてると、キセキに関係あるっぽいですよね」
「知らねぇな。……一応、キセキの世代やら何やらについては、一通り調べたつもりだったんだがなぁ。調べが足りなかったらしい」
遠くで交わされている会話だから、全ての内容が聞こえる訳ではないが、大体の内容は掴めた。
どうやら灰崎というらしいその男は、帝光中学バスケ部スタメンだった彼らが、キセキの世代と呼ばれるよりも前に、スタメンとして在籍していた選手らしい。
なるほど、キセキと呼ばれる前に退部していたから、調査から漏れていたのか、と、スクアーロは舌打ちをする。
どうやら灰崎と黄瀬は、次の試合で戦うらしい。
ならばそこで、彼も護衛対象に加えるかどうか、見極めなければ。
「……あ、暴力沙汰にはならないみたいっすよ!」
「試合できなくなっちゃ、お互い困るだろうからなぁ。日向、テメーも戻れ」
「……先生は?」
「少し時間をずらして帰る」
「了解っす!」
どうやら、一旦落ち着いたらしい灰崎達を遠目に見ながら、二人は安心したように、揃って肩から力を抜く。
日向を帰したスクアーロは、黄瀬や火神、氷室も会場に戻っていくのを見送ると、一応仲間に連絡を取る。
「灰崎って学生を調べろ。キセキの世代同様、帝光バスケ部に所属していたらしい」
『御意。護衛はつけますか』
「2、3人つけとけ。増やすかどうかは試合を見て判断する」
『わかりました』
そのまま幾つか報告を聞き、ジュリーが上手く敵を退けたことを確認すると、スクアーロもまた、客席へと戻ったのであった。
アレックスと言う彼らの師匠が、男に鋭い蹴りを入れる。
それは避けられたが、彼女を掴んでいた男の手が外された。
「おーこわー、女のケリじゃねーぞ」
馬鹿にしたような、嘲ったような顔で笑った男に対して、スクアーロは苛立ちを露に悪態を吐いた。
「あの程度の蹴りが出来る奴なら、裏社会にはゴロゴロいるぞぉ。世間知らずがぁ」
「今そんなこと言ってる場合じゃないっすって!何なんだよアイツは!?」
因みに二人は物陰に隠れてその様子を伺っているのだが、スクアーロはまだ出ていく気はないらしい。
何より……
「ジュリー?って人も、どこに行っちまったんですかコノヤロー!!」
「キレるなぁ。近くで敵が見付かった。そちらの対処に向かっている」
「ええっ!?」
それならいないことにも納得……だが、何故スクアーロが出ていかないのかがわからない。
日向が素直にそれを聞くと、スクアーロは面倒そうにそれに答えた。
「出来るなら、本人達で解決してもらいたいんだぁ。アレックスとか言うのも解放されたし……このまま暴力沙汰起こさなければ、それで万事解決だろぉがぁ」
「もし!暴力沙汰が起こって、ウチの火神が怪我したらどうするんすか!?」
「安心しろぉ、何かある前に止める。……いや、止める必要はなくなったようだなぁ」
「は?……あ、黄瀬!?」
スクアーロがピクと反応し視線を移す。
日向も同じ方向を見ると、派手な黄色の髪の男……黄瀬が二人に気付かずに近くを通り過ぎていた。
彼が思いっきりバスケットボールを投げ、それは真っ直ぐ男に向かう。
「いーい度胸だな、リョータぁ」
「黄瀬!?」
男は容易くボールをキャッチすると、やけに見下したような顔で黄瀬を見る。
その様子に日向が眉をひそめた。
「なんだ?知り合いなのかアイツら?」
「……らしいなぁ。何か、因縁でもありそうな様子だぁ」
「先生、あの野郎の事知らねーんすか?何か……話聞いてると、キセキに関係あるっぽいですよね」
「知らねぇな。……一応、キセキの世代やら何やらについては、一通り調べたつもりだったんだがなぁ。調べが足りなかったらしい」
遠くで交わされている会話だから、全ての内容が聞こえる訳ではないが、大体の内容は掴めた。
どうやら灰崎というらしいその男は、帝光中学バスケ部スタメンだった彼らが、キセキの世代と呼ばれるよりも前に、スタメンとして在籍していた選手らしい。
なるほど、キセキと呼ばれる前に退部していたから、調査から漏れていたのか、と、スクアーロは舌打ちをする。
どうやら灰崎と黄瀬は、次の試合で戦うらしい。
ならばそこで、彼も護衛対象に加えるかどうか、見極めなければ。
「……あ、暴力沙汰にはならないみたいっすよ!」
「試合できなくなっちゃ、お互い困るだろうからなぁ。日向、テメーも戻れ」
「……先生は?」
「少し時間をずらして帰る」
「了解っす!」
どうやら、一旦落ち着いたらしい灰崎達を遠目に見ながら、二人は安心したように、揃って肩から力を抜く。
日向を帰したスクアーロは、黄瀬や火神、氷室も会場に戻っていくのを見送ると、一応仲間に連絡を取る。
「灰崎って学生を調べろ。キセキの世代同様、帝光バスケ部に所属していたらしい」
『御意。護衛はつけますか』
「2、3人つけとけ。増やすかどうかは試合を見て判断する」
『わかりました』
そのまま幾つか報告を聞き、ジュリーが上手く敵を退けたことを確認すると、スクアーロもまた、客席へと戻ったのであった。