if群青×黒子、違う世界の人たち
「もー、γクンったら固いなぁ♪」
「うるせぇよ白蘭」
「まあまあ、ピリピリしないで。僕達今日から、同級生なんだからさ♪」
おどける白蘭に、γは小さく舌打ちをした。
白蘭とγは、イタリアからの留学生として、秀徳高校に潜入していた。
綱吉達とは違い、イタリアの高校からの留学生で、金と時間を持て余して日本に暇潰し、もとい、自分達の新たな可能性を求めて来た、という設定らしい。
お互い17才で、本当なら二年生のはずなのだが、無理を言って一年生にしてもらった。
護衛対象は一年生であったし、二人共高校生には見えない程度には大人びているため、どの学年に入っても『大人っぽいね』と言われる結果に変わりはない。
「オレ達が大人びてると言うよりは、日本人が子供っぽいんじゃねーかと思うけどな」
「僕はハーフだけど、まあ確かに、日本人は発育不良だよねー」
白蘭は、自分達を遠巻きに見ている女子生徒にヒラヒラと手を振る。
女子生徒達は、黄色い声を上げて喜んだ。
精神的にも幼いような気がするなぁ、とイタリア語で呟かれた言葉に、γは誰もお前には言われたくねーだろう、と返す。
肩をすくめて曖昧に返した白蘭は、女子生徒達のグループに自分から突入していった。
まずは護衛対象の周りから、詳しい情報を引き出していくつもりなのだろうか。
白蘭に話し掛けられた女子生徒は、嬉しそうに顔を輝かせながら、聞かれたことを素直に答えていく。
人の懐に入り込むのは白蘭の十八番。
対象に近付くのは奴に任せておけば良いか、とγが思った、丁度その時。
一人の男子生徒と目があった。
好奇心旺盛そうなキラキラと輝く瞳、話し出したそうにウズウズとしている様子。
そんな彼は護衛対象である高尾和成だ。
本来なら無視するところだが、今回は丁度良い。
γは穏やかな笑みを浮かべて、自分から話し掛けにいった。
白蘭のやり方よりも早く、ターゲットに近付けそうだ。
「よぉ」
「おう!ガンマだっけ?オレ高尾和成ってーんだ。ヨロシクな」
「ああ、ヨロシクな。……なあ、突然でワリーんだが、後で学校の中、案内とかしてくれねーか?」
「よしきた!任せろ!!」
じゃあ昼休みに行こーぜ!
と言った高尾は、始終笑顔で話していて、思わずγは自分のボスであり、恋人である一人の少女を思い出す。
朝、笑顔で自分達を送り出してくれた彼女は、今頃何をしているのだろうか。
「ガンマ達ってイタリアから来たんでしょ?元から知り合い?」
「ん?ああ、まあそんなところだな」
高尾に話し掛けられて、γは意識を現実に戻した。
元々社交的な性格なのだろう。
のんびりとしたペースで質問を投げ掛けてくる高尾との会話は、γの想像していた高校生との会話よりもずっと、心の落ち着くものだった。
「ガンマ達はこっちにいる間、部活とかすんの?」
「あ?部活……そうだな、たまにはそういうのをやってみるのも良いかも知れねーな」
「お!ならウチの部活こない?」
「高尾の部活か?」
「バスケ部なんだけどさー、結構強いんだぜ?」
「ほー、興味あるな」
話を聞く限りでは、ここのバスケ部は都内3強の1つに数えられるほど強いらしく、γもスポーツは嫌いではないため、興味がある、というのは強ち嘘ではない。
「なら放課後はバスケ部だな。オレと、そこにいる緑のデカイ奴が、一年生レギュラーなんだ」
「一年生なのに?」
「俗にいう天才ってやつ?なーんてなーwwww」
高尾はケラケラと笑うが、γは内心ドキリとする。
彼らは『天才』……。
故に今、狙われていて、自分達がそれを守りに来た……。
シリアスな考えを打ち壊すように、教室のスピーカーからチャイムの音が響く。
「まー放課後、楽しみにしてろよ!」
「……ああ、楽しみにしてるぜ」
自分の座席に戻る高尾を見送り、戻ってきた白蘭と小声で会話を交わす。
「高尾クンと接触できたみたいだね♪」
「ああ、放課後にバスケ部に連れていってくれるらしい」
「ラッキーだね。彼と緑間クン、相棒みたいな関係らしいから、高尾クンと仲良くなれれば、自然と緑間クンとも話せそうだよ♪」
「……あの短時間で情報聞き出したのか?」
「まあねー♪」
軽い調子の白蘭に呆れたような感心したようなため息を吐き、γは前に向き直った。
一時間目の授業は数学らしい。
「……」
マフィア一筋に生きてきたγは、今まで勉強はろくにしてこなかった。
もらった教科書に並ぶのは、イタリア語でも日本語でもない、謎の暗号である。
「プッ……、γクン、僕が教えてあげようか?……ククッ」
笑いを堪えきれずに話す白蘭に、γが殺気立ったのは不可抗力であろう。
「うるせぇよ白蘭」
「まあまあ、ピリピリしないで。僕達今日から、同級生なんだからさ♪」
おどける白蘭に、γは小さく舌打ちをした。
白蘭とγは、イタリアからの留学生として、秀徳高校に潜入していた。
綱吉達とは違い、イタリアの高校からの留学生で、金と時間を持て余して日本に暇潰し、もとい、自分達の新たな可能性を求めて来た、という設定らしい。
お互い17才で、本当なら二年生のはずなのだが、無理を言って一年生にしてもらった。
護衛対象は一年生であったし、二人共高校生には見えない程度には大人びているため、どの学年に入っても『大人っぽいね』と言われる結果に変わりはない。
「オレ達が大人びてると言うよりは、日本人が子供っぽいんじゃねーかと思うけどな」
「僕はハーフだけど、まあ確かに、日本人は発育不良だよねー」
白蘭は、自分達を遠巻きに見ている女子生徒にヒラヒラと手を振る。
女子生徒達は、黄色い声を上げて喜んだ。
精神的にも幼いような気がするなぁ、とイタリア語で呟かれた言葉に、γは誰もお前には言われたくねーだろう、と返す。
肩をすくめて曖昧に返した白蘭は、女子生徒達のグループに自分から突入していった。
まずは護衛対象の周りから、詳しい情報を引き出していくつもりなのだろうか。
白蘭に話し掛けられた女子生徒は、嬉しそうに顔を輝かせながら、聞かれたことを素直に答えていく。
人の懐に入り込むのは白蘭の十八番。
対象に近付くのは奴に任せておけば良いか、とγが思った、丁度その時。
一人の男子生徒と目があった。
好奇心旺盛そうなキラキラと輝く瞳、話し出したそうにウズウズとしている様子。
そんな彼は護衛対象である高尾和成だ。
本来なら無視するところだが、今回は丁度良い。
γは穏やかな笑みを浮かべて、自分から話し掛けにいった。
白蘭のやり方よりも早く、ターゲットに近付けそうだ。
「よぉ」
「おう!ガンマだっけ?オレ高尾和成ってーんだ。ヨロシクな」
「ああ、ヨロシクな。……なあ、突然でワリーんだが、後で学校の中、案内とかしてくれねーか?」
「よしきた!任せろ!!」
じゃあ昼休みに行こーぜ!
と言った高尾は、始終笑顔で話していて、思わずγは自分のボスであり、恋人である一人の少女を思い出す。
朝、笑顔で自分達を送り出してくれた彼女は、今頃何をしているのだろうか。
「ガンマ達ってイタリアから来たんでしょ?元から知り合い?」
「ん?ああ、まあそんなところだな」
高尾に話し掛けられて、γは意識を現実に戻した。
元々社交的な性格なのだろう。
のんびりとしたペースで質問を投げ掛けてくる高尾との会話は、γの想像していた高校生との会話よりもずっと、心の落ち着くものだった。
「ガンマ達はこっちにいる間、部活とかすんの?」
「あ?部活……そうだな、たまにはそういうのをやってみるのも良いかも知れねーな」
「お!ならウチの部活こない?」
「高尾の部活か?」
「バスケ部なんだけどさー、結構強いんだぜ?」
「ほー、興味あるな」
話を聞く限りでは、ここのバスケ部は都内3強の1つに数えられるほど強いらしく、γもスポーツは嫌いではないため、興味がある、というのは強ち嘘ではない。
「なら放課後はバスケ部だな。オレと、そこにいる緑のデカイ奴が、一年生レギュラーなんだ」
「一年生なのに?」
「俗にいう天才ってやつ?なーんてなーwwww」
高尾はケラケラと笑うが、γは内心ドキリとする。
彼らは『天才』……。
故に今、狙われていて、自分達がそれを守りに来た……。
シリアスな考えを打ち壊すように、教室のスピーカーからチャイムの音が響く。
「まー放課後、楽しみにしてろよ!」
「……ああ、楽しみにしてるぜ」
自分の座席に戻る高尾を見送り、戻ってきた白蘭と小声で会話を交わす。
「高尾クンと接触できたみたいだね♪」
「ああ、放課後にバスケ部に連れていってくれるらしい」
「ラッキーだね。彼と緑間クン、相棒みたいな関係らしいから、高尾クンと仲良くなれれば、自然と緑間クンとも話せそうだよ♪」
「……あの短時間で情報聞き出したのか?」
「まあねー♪」
軽い調子の白蘭に呆れたような感心したようなため息を吐き、γは前に向き直った。
一時間目の授業は数学らしい。
「……」
マフィア一筋に生きてきたγは、今まで勉強はろくにしてこなかった。
もらった教科書に並ぶのは、イタリア語でも日本語でもない、謎の暗号である。
「プッ……、γクン、僕が教えてあげようか?……ククッ」
笑いを堪えきれずに話す白蘭に、γが殺気立ったのは不可抗力であろう。