突撃!隣の浮気現場!!
日本のとある町、とある駅前で、一人の女性が人を待っていた。
背が高く、モデルのようなすらりと伸びる手足。
腰まで届く長い茶髪を耳にかけるその人を見て、男性のグループが声を掛けた。
「お姉さん暇?オレ達と遊ばない?」
「外国の人?日本語わかる?」
「オレ達が観光案内してあげるよ。一緒に楽しい事しようぜ!」
口々に言う男達に、彼女はにっこりと微笑んで言った。
「脳ミソすっかすかのカス野郎が話し掛けてくんじゃねぇよドカス」
「……は?」
「潰すぞ」
「ひっ……!?」
「お、おい、行こうぜ!」
「そ、そうだな……!」
スゴスゴと引き下がる彼らを笑顔で見送る彼女。
そんな彼女を陰から見守り、密かにガッツポーズをしながら喜びに小声で叫ぶ男がいた。
「流石はスク!オレ達に出来ないことを平然とやってのけ」
「ディーノさん声大きいですって!」
「しし、何ならここで二度と話せないようにしてやんぜ?」
「だぁあ!うっせぇよテメーら!だいたい跳ね馬!テメー恋人の浮気掛かってるっつぅから、心優しい10代目が手伝ってくださってるんだぞ!」
「でもスクアーロに限って、それはないと思うんだけどなー」
「それはどうかしらー?案外一途そうな子に限ってコロッと……」
「うわぁぁあスク嘘だと言ってくれぇぇえ!」
「だからディーノさん声大きいですってばーっ!」
「んもう!冗談なのに!」
「情緒不安定だなボス……」
植え込みの陰からコッソリと様子を見るのは、キャバッローネのディーノ、ロマーリオ。
そしてディーノを宥めようとする綱吉達並盛3人衆。
その隣で気配を殺し、ヴァリアークオリティーを間違った方向に発揮しているのは、ベルとルッスーリアだ。
そして彼らの見詰める先にいる女性、言わずもがな、スクアーロである。
「にしても、スクちゃんだって、女の子らしい格好しようと思えば出来るのねぇ……」
「つぅかあの茶髪って幻術使ってね?」
「才能の無駄遣いってこう言うことか……。でもスクアーロ、何でわざわざ女の格好までして、こんなところに来たんだろうね?」
「そりゃ浮気っすよ」
「いや獄寺君、断言はちょっと……」
「うぅっ……!スクなんで……オレと言う者がありながらぁっ……!」
「ディーノさんがこうなるから……」
「て言うか、ディーノさん何かいつもよりもテンション高いのな?」
「いや……ボスはずっと悩み続けていてろくに寝てなかったからな……」
「しし、テンション振り切れてんだよ」
「ああ……なるほど」
イタリアから日本へとスクアーロが発つとき、彼女の様子がおかしいことに気付いた3人+巻き込まれたロマーリオは、ずっとスクアーロの跡をつけながら、この調子でいたらしい。
そして日本につき、簡単な仕事をさっさと済ませたスクアーロの跡を追って来てみれば、彼女はいつもなら絶対にしないようなお洒落をして、誰かを待っている。
たまたまその場を通り掛かった並盛3人衆を巻き込み、スクアーロを見張る運びとなったのだった。
「でも本当に誰を……」
綱吉が言い掛けたとき、スクアーロがパッと顔を上げた。
それに気付いて、全員がその視線の先に顔を向ける。
そこにいたのは、柄シャツに黒いスーツを粋に着こなすちょいワル風な男……ここまで来て濁す必要はないだろう、トライデント・シャマルがそこにいた。
シャマルは腕組をして仁王立ちをしているスクアーロに気付くと、手を振りながら駆け寄り……そしてスクアーロに鳩尾を蹴られた。
ちなみに今日のスクアーロは、そこそこ踵の分厚い靴を履いている。
ピンヒールではないが……痛そうだ。
「おせぇ」
「ぐふっ……ごめんよスクアーロちゃん」
「次オレに迷惑掛けたら舌を抜く」
「そこまで重罪!?」
どうやらシャマルが遅刻してきたらしく、スクアーロはたいそうご立腹である。
だがその様子を、綱吉達は把握していなかった。
シャマルの姿を認識した途端に、ディーノが瞳孔を開いてムチを構えたからである。
ディーノの気持ちはわからないでもないが、今襲ってしまっては二人が何のために会っているのかもわからないままになってしまうかもしれない。
「ツナ、悪いが止めないでくれ!アイツだけはオレが……!」
「ちょっ!本当に落ち着いて下さいってばディーノさん!!仕事の都合で会ってるだけかもしれないですし!」
「落ち着けボス!決定的な証拠を掴むまでは動くな!」
そして彼らがそんなことをしている間にシャマルは復活。
どこから取り出したのか、真っ赤なバラの花束をスクアーロに渡した。
「この花束を用意していてな……。綺麗なあんたに似合うかと……」
「凄く、邪魔だぁ」
「……あ、そっすか」
そして敢えなく撃沈。
ざまあみろ!と叫び出しそうなディーノの口を押さえて、ルッスーリアは首をかしげた。
「本当にどうしてシャマルとなんて会ってるのかしら……?それもあんなにお洒落して」
「だっからよー、浮気だろ?」
「そうかしらぁ~?でもこの間だって私と二人で恋愛トークしたけどぉ、全然そんな気配無かったわよ?」
ちなみにルッスーリアの言う恋愛トークは強制である。
仕事終わりで灰のように燃え付きかけたスクアーロを、無理矢理付き合わせて行われた、ルッスーリアの、ルッスーリアによる、ルッスーリアのための女子()トークである。
だがその場でスクアーロが何と言っていたとしても、現に今、彼女はこうして彼氏に内緒で、別の男と会っているわけだ。
ルッスーリアは頻りに首を傾げながら、二人の様子をよく観察する。
どうやら二人はこれから移動するらしい。
何とかディーノを落ち着かせ、7人は絶妙な距離を保ちながら、尾行を再開したのであった。
背が高く、モデルのようなすらりと伸びる手足。
腰まで届く長い茶髪を耳にかけるその人を見て、男性のグループが声を掛けた。
「お姉さん暇?オレ達と遊ばない?」
「外国の人?日本語わかる?」
「オレ達が観光案内してあげるよ。一緒に楽しい事しようぜ!」
口々に言う男達に、彼女はにっこりと微笑んで言った。
「脳ミソすっかすかのカス野郎が話し掛けてくんじゃねぇよドカス」
「……は?」
「潰すぞ」
「ひっ……!?」
「お、おい、行こうぜ!」
「そ、そうだな……!」
スゴスゴと引き下がる彼らを笑顔で見送る彼女。
そんな彼女を陰から見守り、密かにガッツポーズをしながら喜びに小声で叫ぶ男がいた。
「流石はスク!オレ達に出来ないことを平然とやってのけ」
「ディーノさん声大きいですって!」
「しし、何ならここで二度と話せないようにしてやんぜ?」
「だぁあ!うっせぇよテメーら!だいたい跳ね馬!テメー恋人の浮気掛かってるっつぅから、心優しい10代目が手伝ってくださってるんだぞ!」
「でもスクアーロに限って、それはないと思うんだけどなー」
「それはどうかしらー?案外一途そうな子に限ってコロッと……」
「うわぁぁあスク嘘だと言ってくれぇぇえ!」
「だからディーノさん声大きいですってばーっ!」
「んもう!冗談なのに!」
「情緒不安定だなボス……」
植え込みの陰からコッソリと様子を見るのは、キャバッローネのディーノ、ロマーリオ。
そしてディーノを宥めようとする綱吉達並盛3人衆。
その隣で気配を殺し、ヴァリアークオリティーを間違った方向に発揮しているのは、ベルとルッスーリアだ。
そして彼らの見詰める先にいる女性、言わずもがな、スクアーロである。
「にしても、スクちゃんだって、女の子らしい格好しようと思えば出来るのねぇ……」
「つぅかあの茶髪って幻術使ってね?」
「才能の無駄遣いってこう言うことか……。でもスクアーロ、何でわざわざ女の格好までして、こんなところに来たんだろうね?」
「そりゃ浮気っすよ」
「いや獄寺君、断言はちょっと……」
「うぅっ……!スクなんで……オレと言う者がありながらぁっ……!」
「ディーノさんがこうなるから……」
「て言うか、ディーノさん何かいつもよりもテンション高いのな?」
「いや……ボスはずっと悩み続けていてろくに寝てなかったからな……」
「しし、テンション振り切れてんだよ」
「ああ……なるほど」
イタリアから日本へとスクアーロが発つとき、彼女の様子がおかしいことに気付いた3人+巻き込まれたロマーリオは、ずっとスクアーロの跡をつけながら、この調子でいたらしい。
そして日本につき、簡単な仕事をさっさと済ませたスクアーロの跡を追って来てみれば、彼女はいつもなら絶対にしないようなお洒落をして、誰かを待っている。
たまたまその場を通り掛かった並盛3人衆を巻き込み、スクアーロを見張る運びとなったのだった。
「でも本当に誰を……」
綱吉が言い掛けたとき、スクアーロがパッと顔を上げた。
それに気付いて、全員がその視線の先に顔を向ける。
そこにいたのは、柄シャツに黒いスーツを粋に着こなすちょいワル風な男……ここまで来て濁す必要はないだろう、トライデント・シャマルがそこにいた。
シャマルは腕組をして仁王立ちをしているスクアーロに気付くと、手を振りながら駆け寄り……そしてスクアーロに鳩尾を蹴られた。
ちなみに今日のスクアーロは、そこそこ踵の分厚い靴を履いている。
ピンヒールではないが……痛そうだ。
「おせぇ」
「ぐふっ……ごめんよスクアーロちゃん」
「次オレに迷惑掛けたら舌を抜く」
「そこまで重罪!?」
どうやらシャマルが遅刻してきたらしく、スクアーロはたいそうご立腹である。
だがその様子を、綱吉達は把握していなかった。
シャマルの姿を認識した途端に、ディーノが瞳孔を開いてムチを構えたからである。
ディーノの気持ちはわからないでもないが、今襲ってしまっては二人が何のために会っているのかもわからないままになってしまうかもしれない。
「ツナ、悪いが止めないでくれ!アイツだけはオレが……!」
「ちょっ!本当に落ち着いて下さいってばディーノさん!!仕事の都合で会ってるだけかもしれないですし!」
「落ち着けボス!決定的な証拠を掴むまでは動くな!」
そして彼らがそんなことをしている間にシャマルは復活。
どこから取り出したのか、真っ赤なバラの花束をスクアーロに渡した。
「この花束を用意していてな……。綺麗なあんたに似合うかと……」
「凄く、邪魔だぁ」
「……あ、そっすか」
そして敢えなく撃沈。
ざまあみろ!と叫び出しそうなディーノの口を押さえて、ルッスーリアは首をかしげた。
「本当にどうしてシャマルとなんて会ってるのかしら……?それもあんなにお洒落して」
「だっからよー、浮気だろ?」
「そうかしらぁ~?でもこの間だって私と二人で恋愛トークしたけどぉ、全然そんな気配無かったわよ?」
ちなみにルッスーリアの言う恋愛トークは強制である。
仕事終わりで灰のように燃え付きかけたスクアーロを、無理矢理付き合わせて行われた、ルッスーリアの、ルッスーリアによる、ルッスーリアのための女子()トークである。
だがその場でスクアーロが何と言っていたとしても、現に今、彼女はこうして彼氏に内緒で、別の男と会っているわけだ。
ルッスーリアは頻りに首を傾げながら、二人の様子をよく観察する。
どうやら二人はこれから移動するらしい。
何とかディーノを落ち着かせ、7人は絶妙な距離を保ちながら、尾行を再開したのであった。