お礼とそして、
「そこにいるのは極限、スクアーロ達ではないのか!?」
「あ、本当!」
「はひ!スクアーロさんにディーノさんに山本さんです!」
キャッチボールで疲れて、並盛の河原で休憩をしていたオレ達に、突然声が掛けられた。
河原の上の歩道を見上げると、笹川兄妹と、三浦ハルが手を振っていた。
オレが手を振り返すと、ハルと京子が転がるように駆けてくる。
「今から会いに行こうと思ってたんです!」
「一緒にランチでも行きませんか!」
「ランチ?」
「オレ達は昨日、途中で帰ってしまったからな!今日は一緒に昼飯でも食いたいと話していたのだ!」
「お、良いな!」
そう言えばそろそろ良い時間か……。
ディーノと同じ様にオレも首を縦に振って同意する。
「ならオレが奢ってやる」
「え?でも……」
「この間の礼だぁ。どっちにしろガキんちょと割り勘するほど、金に困っちゃいねぇしなぁ」
「ならば極限頼んだぞ!」
「はひー!太っ腹ですね!」
幸いなことに、昨日ヴァリアーに連絡を入れて滞在中に必要な資金は手に入れている。
まあ、昼飯を奢るだけでこの間の借りが返せるなんて思えねぇけど、改めて礼だけでも伝えられたら、と、思う。
「すぐそこのファミレスで良いぞ!」
「お、代理戦の時に行ったとこだな」
「そんなところで良いのかぁ?」
「オッケーです!」
「では極限行くぞ!」
と、そんな具合に話も纏まり、倍に増えた人数でファミレスに向かうことになったのである。
* * *
「オレは極限肉だ!ハンバーグライス大盛りだぞ!」
「じゃあ私はカルボナーラにしようかな」
「ハルはペペロンチーノが良いです!」
「んじゃあオレは和食が良いのな。んー、……豚カツ定食で!」
「オレは中華にすっかなー。担々麺で!」
「オレは鉄火丼定食だ」
全員が注文し終え、店員が行った後、オレは3人に向けて頭を下げた。
「改めて、この間はあんたらのお陰で助かった……、ありがとな」
「え、ええ!?そんな……私達は何にもしてませんよ!」
「はひっ!そうですよ!頭をあげてください!!」
「オレ達が好きでやったことだからな!礼を言われることではないのだ!」
「……お゙う。もし今度、何かあったら、テメーらのことも助けてやる」
「うむ!それでオレは十分だぞ!」
「私はまた遊びに来てくれるだけでも十分ですよ」
「ハルもまたスクアーロさんとお食事したり、遊んだりしたいです!」
「だってよ!良かったな、スクアーロ」
「……また日本に来る」
明るくそう言われて、思わず口元を緩める。
また、と言われることが、こんなに嬉しいなんて……、少し、大袈裟だろうか……?
「じゃあ今度来た時は一緒にショッピングに行きましょう!」
「わあ!良いねハルちゃん!お洋服とかいっぱい買おうね!!」
「じゃーオレ達とは海とか山とかお祭りとか色んなとこに遊びに行くのな!」
「折角日本に来るのなら並中ボクシング部にも寄ると良いぞ!」
「あはは、大人気だなスクアーロー。なんか妬けちまうな!!」
「一日で買い物に海、山、祭り、更に中学校にも寄らねぇとならないのか……」
「休みが1日なこと前提なのか!?」
いや、日本とイタリアは遠いから、一日中遊ぶにしても、滞在と行き帰り含めて最低2日半分は時間がないとキツいしな……。
そう頻繁に休みが取れる訳でもないから、仕事以外で来るとなると、難しいな……。
「そんな難しく考えるなって!仕事で来たときに、ちょっとついでに遊んでく、くらいで良いんじゃねーのか?」
「仕事の時は予定ビッシリ詰めるから、たぶん無理だ」
「ああ……、お前は、そうだよな……」
仕事の話になってしまったせいで、一気に嫌なことを思い出す。
なんか勢いで日本に滞在することになっちまったけど、本国に帰ったら……、書類とか、どうなってるんだろう……。
机の上に積み上がった書類の壁をイメージして、精神にドカーンと、ダメージを受けた。
うわぁぁああ、胃が痛い……。
オレの背負う空気は、図らずも重くなってしまう。
イタリア、帰りたく、ナイ。
「スクアーロってホントに仕事ばっかりなのなー。あんま仕事ばっかしてると体壊すぜ?」
「時には休息も必要だと、コロネロ師匠もおっしゃっていたぞ?」
「……まあ、取れるときに、取るようにするぜぇ」
今のところ、帰った後はしばらく取れなさそうだけれども。
「……はひ、頼んでたのが来ましたよ!お仕事なんてヘビーな悩みは置いといて、ご飯食べましょう!」
「そうですよ!」
「極限食うぞ!」
ハルに促されて、オレも運ばれてきた飯に手を付ける。
……鉄火丼のマグロは、あまり新鮮ではなかった。
今度は竹寿司に行って、美味しい魚が食べたい……。
「あ、本当!」
「はひ!スクアーロさんにディーノさんに山本さんです!」
キャッチボールで疲れて、並盛の河原で休憩をしていたオレ達に、突然声が掛けられた。
河原の上の歩道を見上げると、笹川兄妹と、三浦ハルが手を振っていた。
オレが手を振り返すと、ハルと京子が転がるように駆けてくる。
「今から会いに行こうと思ってたんです!」
「一緒にランチでも行きませんか!」
「ランチ?」
「オレ達は昨日、途中で帰ってしまったからな!今日は一緒に昼飯でも食いたいと話していたのだ!」
「お、良いな!」
そう言えばそろそろ良い時間か……。
ディーノと同じ様にオレも首を縦に振って同意する。
「ならオレが奢ってやる」
「え?でも……」
「この間の礼だぁ。どっちにしろガキんちょと割り勘するほど、金に困っちゃいねぇしなぁ」
「ならば極限頼んだぞ!」
「はひー!太っ腹ですね!」
幸いなことに、昨日ヴァリアーに連絡を入れて滞在中に必要な資金は手に入れている。
まあ、昼飯を奢るだけでこの間の借りが返せるなんて思えねぇけど、改めて礼だけでも伝えられたら、と、思う。
「すぐそこのファミレスで良いぞ!」
「お、代理戦の時に行ったとこだな」
「そんなところで良いのかぁ?」
「オッケーです!」
「では極限行くぞ!」
と、そんな具合に話も纏まり、倍に増えた人数でファミレスに向かうことになったのである。
* * *
「オレは極限肉だ!ハンバーグライス大盛りだぞ!」
「じゃあ私はカルボナーラにしようかな」
「ハルはペペロンチーノが良いです!」
「んじゃあオレは和食が良いのな。んー、……豚カツ定食で!」
「オレは中華にすっかなー。担々麺で!」
「オレは鉄火丼定食だ」
全員が注文し終え、店員が行った後、オレは3人に向けて頭を下げた。
「改めて、この間はあんたらのお陰で助かった……、ありがとな」
「え、ええ!?そんな……私達は何にもしてませんよ!」
「はひっ!そうですよ!頭をあげてください!!」
「オレ達が好きでやったことだからな!礼を言われることではないのだ!」
「……お゙う。もし今度、何かあったら、テメーらのことも助けてやる」
「うむ!それでオレは十分だぞ!」
「私はまた遊びに来てくれるだけでも十分ですよ」
「ハルもまたスクアーロさんとお食事したり、遊んだりしたいです!」
「だってよ!良かったな、スクアーロ」
「……また日本に来る」
明るくそう言われて、思わず口元を緩める。
また、と言われることが、こんなに嬉しいなんて……、少し、大袈裟だろうか……?
「じゃあ今度来た時は一緒にショッピングに行きましょう!」
「わあ!良いねハルちゃん!お洋服とかいっぱい買おうね!!」
「じゃーオレ達とは海とか山とかお祭りとか色んなとこに遊びに行くのな!」
「折角日本に来るのなら並中ボクシング部にも寄ると良いぞ!」
「あはは、大人気だなスクアーロー。なんか妬けちまうな!!」
「一日で買い物に海、山、祭り、更に中学校にも寄らねぇとならないのか……」
「休みが1日なこと前提なのか!?」
いや、日本とイタリアは遠いから、一日中遊ぶにしても、滞在と行き帰り含めて最低2日半分は時間がないとキツいしな……。
そう頻繁に休みが取れる訳でもないから、仕事以外で来るとなると、難しいな……。
「そんな難しく考えるなって!仕事で来たときに、ちょっとついでに遊んでく、くらいで良いんじゃねーのか?」
「仕事の時は予定ビッシリ詰めるから、たぶん無理だ」
「ああ……、お前は、そうだよな……」
仕事の話になってしまったせいで、一気に嫌なことを思い出す。
なんか勢いで日本に滞在することになっちまったけど、本国に帰ったら……、書類とか、どうなってるんだろう……。
机の上に積み上がった書類の壁をイメージして、精神にドカーンと、ダメージを受けた。
うわぁぁああ、胃が痛い……。
オレの背負う空気は、図らずも重くなってしまう。
イタリア、帰りたく、ナイ。
「スクアーロってホントに仕事ばっかりなのなー。あんま仕事ばっかしてると体壊すぜ?」
「時には休息も必要だと、コロネロ師匠もおっしゃっていたぞ?」
「……まあ、取れるときに、取るようにするぜぇ」
今のところ、帰った後はしばらく取れなさそうだけれども。
「……はひ、頼んでたのが来ましたよ!お仕事なんてヘビーな悩みは置いといて、ご飯食べましょう!」
「そうですよ!」
「極限食うぞ!」
ハルに促されて、オレも運ばれてきた飯に手を付ける。
……鉄火丼のマグロは、あまり新鮮ではなかった。
今度は竹寿司に行って、美味しい魚が食べたい……。