夏目鬼灯様その2(群青×)

■第3ステージ 1回戦 VS京妖怪



「さてさてさて!やって参りました、夜の京都ステージです!」
「えーと、ここは?」
「詳しくは群青の鮫、海をこえ×ぬら孫を読むのです。
ここは京都、夜の相剋寺です。
相手はこちら、京妖怪のロリっ娘アイドル狂骨(娘)です!」
「きゃあ!?何ここ……あっ!鮫弥!!」
「ぬら孫?鮫弥?え?」
「え……マジでここどういう設定なんだぁ?
つぅかオレ大体の妖怪とは戦闘済みだぜ?」

バスケコートから出た彼らは、気付くと夜中の寺にいた。
スクアーロは不愉快そうに眉を寄せて、首をかしげている。
自分は一体、今何回目の転生で、そしてどのようにしてここに連れてこられたのだろう。
そして自分と同じように首をかしげている綱吉と狂骨に声を掛けた。

「で、オレは今すぐ戦えるが、どうする?」
「なんかワケわかんないけど、女の子相手に戦うのはねぇ……。」
「ムッ……ちょっとそこのあんた!
なめないでよ?あたしだって京妖怪の幹部なんだからね!」
「と、言ってることですし、どうぞ一戦行ってきてください。」

骸に促されて、スクアーロと狂骨はお互いに前へと進み出る。

「ふぅ……お前とまともにぶつかり合うのは初めてかぁ?」
「そうかも。
あたし、本気でいくからね!」

狂骨の言葉ににっと笑みを浮かべたスクアーロは、片手に札を、片手に剣を構えて、鋭く息を吐いた。

「それでは、はじめ!」

骸の合図と共にスクアーロが札を宙に投げ付ける。
狂骨の畏が展開され、綱吉はぶるりと体を震わせたが、スクアーロは気にした様子もなく、顔の前に手を構えて叫んだ。

「爆!」
「きゃあ!?」

ばら蒔かれた札が、空中で爆発し、爆風と炎が狂骨を襲う。
だが彼女も、見た目こそ幼い娘の姿だが、立派な京妖怪なのだ。
その程度で怯むほどの肝の持ち主ではない。
即座に身を屈めて、煙の少ない場所から敵を探す。

「そこね!」

煙の中でチラリと見えた影に、狂骨は眷属の蛇をけしかける。
しかし蛇が噛みついたのは、人間ではなく、紙だった。
式神である。
どうやらスクアーロが囮に作ったらしい。
ビリビリと紙が破ける音に、狂骨も自分が化かされたことに気が付く。

「どこに行ったの!?」
「さぁて……どこだろなぁ?」
「な……!?」

その声は狂骨の背後から聞こえてきた。
慌てて振り向こうとした狂骨は、その時確かに、彼女の事を畏れていた。
狂骨の肩に手が伸びる。
殺られる……、そう思って目を閉じた瞬間に感じたのは、額への柔らかな衝撃だった。

「オレの勝ち、だなぁ。」
「ふぇ……?」

とん、と額に手刀を当てられ、狂骨はぽかんと口を開けて目の前の彼女を見上げる。
にっと笑ったスクアーロは、狂骨の頭を優しく撫でると、離れて見ていた骸に大きな声で呼び掛けた。

「お゙い!これで良いだろぉ?」
「相変わらず女子供にはゲロが出るほど甘いですね似非紳士野郎。」
「その言葉そっくりそのままてめぇに返してやる。」
「まあ良いでしょう。
と言うかここではあなた、大体の妖怪と戦ってますから、ぶっちゃけやることなくて……。」
「だからっておチビと戦わせんじゃねぇ。」
「ちょっ……チビってあたしのこと!?」
「まあまあ落ち着いてさっさと僕の世界から出ていってください。」
「ちょっと勝手に……あっ!」
「ゔおっ!?狂骨が消えた……。」

骸にしろスクアーロしろ、それぞれ勝手に話した後に狂骨が骸の手によって元いた場所へと帰される。
呆れた目で骸を見たスクアーロは、『狐に呪われても知らねぇぞ』と呟く。
骸は狂骨を帰したことで満足したのか、顎に手を当てて考え込んでいる。

「本当に困りました。
鋏野郎はタイマンだと即負けですし、あの似非クリスチャンは長々と語っている間にシバかれそうですし、鬼童丸とか言うのは一度引き分けてたんでしたっけ?
ふむ……羽衣狐はちょっとリクエストで戦うには大物すぎますし、陰陽師達はまだ絡みが少ないですからねぇ……。」
「スクアーロ……骸は何語をしゃべっているの……?」
「オレも知りたいが……たぶん次の対戦カード考えてんじゃねぇのかぁ?」

ぶつぶつと一人言を呟き続ける骸のことを引いた目で見ながら、綱吉は疲れたように呟いた。

「ほんと……、いつになったら終わるのかな、これ。」
「……よし!次に行きましょう、次です!
次は忍者ステージです。
Japanese☆NINJAです!」

あっという間に夜の京都を通り過ぎ、次のステージを目指す。
六道骸主催のこの武闘会、まだまだ終わりそうもない。
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