夏目鬼灯様その2(群青×)

「まあ、反則もありましたし、最後のも怪しいですが、結果3回ゴールリングにボールを通したわけですし、もう良いんじゃないですか?」

ぐてりとソファーに寝転びながら、ジュースを飲みつつ言った骸に、選手達から盛大なブーイングが起こった。
当たり前である。
スポーツマンシップは一体どこに行ったと言うのだろうか。

「僕はバスケより野球派ですし。」
「それって関係ある?」
「なんかさっきのバトルに比べると迫力に欠けますし。」
「命懸けじゃないからね!!」

どうやら骸は、すっかりやる気をなくしてしまっているらしい。
スクアーロは満足げにしていたが、キセキの世代達は、不服そうである。
そりゃそうだ、自分達の試合が迫力に欠けるなんて言われたらムッとするのも当たり前である。

「オレ達だって懸命にやっていたのに、それはないんじゃないのか?」
「と言うか強制的に巻き込まれたのにそんなのってないっスよ!
ね!スクっち!?」
「今さらだな。」
「どうでも良い。
取り合えずそのユニフォームを渡すのだよ。
明日のラッキーアイテムだ。」
「ぶはっ!安定のおは朝厨!」
「まあ帰れるのなら、僕としては嬉しい限りですけど。」
「そうか?
オレは一回戦ってみてーけどな!」
「何度戦っても、勝負にならなそうな気もするけどね。」
「そんなことよりさぁ、そのジュースオレにもくんない?
喉乾いたんだけどー。」
「もう良いから帰ってストバスしようぜ。」
「ああもう……何このカオス……。」
「クフ、面倒なんで纏めて帰してしまいましょうか。」

それぞれに騒ぎだした彼らが、骸の言葉と共に姿を消す。
この度の勝負、結果を纏めるのは少し難しそうである。
身体能力的にはやはり、スクアーロの勝利なのだろうが、バスケのルールに則って言うのならば、どう考えてもスクアーロの反則負け。
あんな勝負ではあっという間に退場である。

「スクアーロの勝ち……?
うぅん……どっちなのかなぁ……。」
「まあ、どっちでも良いではないですか。
僕的には次の勝負の方こそが本命ですよ。」
「は?」

ニヤリと笑った骸は、勢いをつけてソファーから降り、サッと手を上げて得意気に言ったのであった。

「次の勝負は裏世界のプレイヤー達で……」
「オレは逃げるぞ沢田ぁ!!」
「ちょっ……待ってスクアーロぉ!?」
「……これでは勝負になりませんね。」

全くもって、戯言である。
裏世界のプレイヤーとの闘いはスキップすることとし、次の勝負は妖怪達との一騎討ちになったのであった。
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