夏目鬼灯様その2(群青×)

●第8回戦 スクアーロVSボンゴレボーイズ



シモンファミリーとの戦いは、スクアーロの敗北に終わった。
しかし7人の敵相手に、よくやったものだと綱吉は思う。
もしあれが殺し合いだったなら、まあ間違いなく、躊躇なく殺れるスクアーロが勝っていたことだろう。

「とりあえず……スクアーロ大丈夫?」
「大丈夫に見えるならテメーの眼球は腐ってやがるぜ……。」
「ああ……うん、だよね。」

ぜぇぜぇと肩で息をして、床に倒れ込んでいるスクアーロは、先程炎真に食らった重力操作のダメージが抜けきらないらしく、いつもでは考えられないほどにぐったりとしていた。
ここまで休みなく連戦し続けているのだから当たり前か、なんて思ったその直後には、骸の手によって新たな対戦相手が現れ始めていた。

「クフフ!その調子で苦しみなさい……、くたばりなさい!
次の敵はボンゴレ10代目雷の守護者、アホ牛ことランボです!」
「ぴぎゃ!?」
「場違いな奴来たーっ!!」

すてん、と落ちてきたのは、特徴的なもじゃもじゃヘアー、牛柄のつなぎ、折れ曲がった角、ボヴィーノの暴走牛ランボであった。
彼を見たとたんに、スクアーロは懐に手を突っ込んで立ち上がる。

「ス、スクアーロ!?」
「ゔお゙ぉお!!!」
「まさか本気でやる気じゃ……!?」
「取ってきやがれ!ブドウ飴だぁ!」
「って餌付けー!」

懐から出したもの……ブドウのキャンディを思いっきり遠くに投げる。
「ランボさんの飴ー!」と叫びながら追っていったランボが、その場に戻ってくることはなかったのであった……。



「……さて、では気を取り直して、次の対戦者を召喚いたしましょう。」

5分後、もう戻ってこないと判断したのか、骸は大きなため息を吐いてそう言った。
5分間の間にスクアーロの体力も少しは回復したようだ。
全快には程遠いが、一応立ち上がって敵を待つ余裕はあるらしい。

「次はこの男です!」
「うおーっ!極限ー!!」
「き、京子ちゃんのお兄さん!」
「そう、極限熱い死ぬ気男笹川了平!
さあガットネロ!
タコ殴りにされてきなさい!」
「断る!」

骸の熱い声援を背に、スクアーロは了平に向けて拳を構えたのであった。
……先程のシモンとの戦いでほとんどの武器をダメにしたせいである。

「スクアーロって素手で戦えるの!?」
「……ある程度はなぁ。」
「ボクシング対決か?
極限燃えるぞ!」
「では、始め!」

骸の掛け声を合図に、戦いが始まる。
二人はほぼ同時に地面を蹴ったのだった。
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