夏目鬼灯様その2(群青×)

――タララッタタ♪タララッタタ♪タララッタ ターラララー♪

何もない真っ白な空間に、某モンスターをゲットするゲームで有名なト○ワの森のBGMが流れている。
平和な空気の流れるその場所に、唐突にマイクのハウリング音が響いた。

「クフフ……クフフフフ!
やって参りましたよ、やってやりましたよ皆さん!
今日!ここに!天下一武闘会……もとい、異世界間武闘交流会略して異界一武闘会の開催ですよ!!」
「いや待て何それぇぇええ!!?」

勢いよく言い切った骸の言葉に、これまたものすごい勢いでツッコミをした綱吉は、大袈裟な身振り手振りで訴え始める。

「何なのここ!?
何なのその二番煎じな大会名!?
何がしたいんだよお前ー!?」
「二番煎じとは失礼な。
これはリクエストを全うするために、この僕が特別に用意した特設ステージですよ、沢田綱吉。」
「リ、リクエスト?」
「クフフ、本日の主役はこいつです!!」
「ぐげふっ!」

何もない中空から突然人影が落ちてきて、綱吉は慌てて駆け寄る。
そこにいたのは何故か白目を向いて気絶しているスクアーロだ。

「えっ……ちょっ!スクアーロー!!」
「今回のイベントの主旨は、この白髪ロン毛のキューティクルと精神がボロボロになるまで戦わせ、我々はそれを高みから見物して笑おうと言う、古代ローマのコロッセオのごとき粋で高貴なイベントです!」
「いじめだろ!と言うか高みから落とされてスクアーロ既にボロボロだよ!!」
「クフッ……軟弱ですね。
まだまだ甚振り足りませんからさっさと起きてくださいガットネロ。」
「鬼畜かお前ーっ!!」

ごすっという鈍い音と共に、骸の持つ三ツ又槍の柄がスクアーロの鳩尾に落ちた。
再び『ぐふっ!』という呻き声を上げたスクアーロは、それでも何とか復活して起き上がった。

「ゔ……ここは……?」
「まず始めの闘いはこちら!
ドゥルルルルルル……」
「そこ自分でやるの!?」
「スクアーロ VS XANXUSです!」
「始めからクライマックス!!」
「は……?どう言うことだ沢田ぁ?」
「オレも今一よくわかってないけど取り合えず逃げてスクアーロー!!」
「あ゙あ……?」

訳がわからず首を傾げたスクアーロのその後ろ、ぬぅっと現れた男が手に持った拳銃を彼女の頭に押し当てた。

「あ゙……?」
「オレの前に立つな。
カッ消すぞ、カスザメ。」
「は…………!?」

スクアーロの頬を冷や汗が一筋伝う。
次の瞬間、彼女がいた場所を真っ赤な炎が包み込んだ。

「ス……スクアーロさぁぁああん!!!」
「第一回戦、始まりです!!」
「いや終わりでしょこれぇぇえ!!!!」

唐突にBGMがバトル時のものに変わる。
……異界一武闘会の開催である。
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