mono様(群青)
継承式がシモンファミリーに潰されたのが、今から5年前。
9世がボンゴレ解体を裏社会に告げたのが、今から3年前。
そして裏社会の情勢が安定し、ヴァリアーがボンゴレから独立したのが、今から1年前。
現在、自警団として新しく生まれ変わったボンゴレが表から人々を護り、傭兵集団となったヴァリアーが裏から暴力で抑え付ける。
そんな体制が、整いつつある、とある日の事だった。
「……はあ、懇親パーティー、なぁ」
『うん、XANXUSにも出てもらいたいと思ってね』
電話の向こうの沢田は、平然とそう言った。
昔はビビりでうるせぇガキだったくせに、今では腹の底が読めないムカつく野郎になってしまっている。
成長……なのだろうが、昔の素直さがたまに懐かしくなる。
「XANXUSが本気で行くと思うのかぁ?」
『スクアーロなら出来るでしょ?』
「お前なぁ……」
『別に面倒な決まりもないし、最低限のTPOを守ってくれれば良いんだ。じゃあ、お願いね』
「あ゙ぁ!?てめっ……ちょっと待て!!」
『じゃあね!』
ぶつっと切れた通話。
ああ、また面倒事を押し付けられた……。
重たいため息を落として、受話器を置く。
「懇親パーティー、ねぇ……」
マフィアボンゴレが潰れたときから比べると、オレ達の仕事はだいぶ楽になった。
それだけ仕事が減ったと言うことだが、その割に収入が増えているのは……、まあ、あの時期はタダ働きが多かったからなぁ……。
とにもかくにも、そう言うわけで、オレ達にはパーティーに参加しても問題ない程度の余裕はある。
ボスと作戦隊長が丸一日アジトを離れるとなると、部下は大変だろうが……今は急ぎの仕事もないし、何とかなるだろう。
「そう言うわけだから、パーティーに参加してもらうぞぉ、ザンザス」
「…………」
ちょうど、タイミングよく、部屋に入ってきたザンザスにそう言ったら、無言のまま思いっきり嫌そうな顔で返された。
まあそりゃあ、そうなるわな。
「ボンゴレ主催の懇親パーティーだとよ」
「……何故オレが参加しなけりゃならない。テメーが勝手に行ってれば良いだろ」
「ボンゴレ自警団初代直々の頼みだぜ?」
「はあ?」
「無視するわけにはいかねぇんだよ。パーティーは1週間後。準備はしておいてやるから、当日にわがまま言うんじゃねぇぞ」
「…………」
「不満げな顔してもダメなもんはダメだ」
「チッ……」
8年経とうが、それからまた5年経とうが、ザンザスのワガママは変わらない。
だがしかし、昔より少しは、丸くなったか。
嫌がりはするが、暴れる様子はないザンザスに安心して、再びやりかけだった仕事に取り掛かろうとしたときだった。
「……カスザメ、テメーも用意を怠るな」
「あ?当たり前だろぉ。お前を一人で行かせるつもりは……」
「そうじゃねぇ。オレの隣に立つんだ。綺麗に着飾って来いっつってんだ」
「……はあ?」
と、そんな流れで。
オレは何故か知らんが、女としてザンザスに着いていくことになったのだった。
9世がボンゴレ解体を裏社会に告げたのが、今から3年前。
そして裏社会の情勢が安定し、ヴァリアーがボンゴレから独立したのが、今から1年前。
現在、自警団として新しく生まれ変わったボンゴレが表から人々を護り、傭兵集団となったヴァリアーが裏から暴力で抑え付ける。
そんな体制が、整いつつある、とある日の事だった。
「……はあ、懇親パーティー、なぁ」
『うん、XANXUSにも出てもらいたいと思ってね』
電話の向こうの沢田は、平然とそう言った。
昔はビビりでうるせぇガキだったくせに、今では腹の底が読めないムカつく野郎になってしまっている。
成長……なのだろうが、昔の素直さがたまに懐かしくなる。
「XANXUSが本気で行くと思うのかぁ?」
『スクアーロなら出来るでしょ?』
「お前なぁ……」
『別に面倒な決まりもないし、最低限のTPOを守ってくれれば良いんだ。じゃあ、お願いね』
「あ゙ぁ!?てめっ……ちょっと待て!!」
『じゃあね!』
ぶつっと切れた通話。
ああ、また面倒事を押し付けられた……。
重たいため息を落として、受話器を置く。
「懇親パーティー、ねぇ……」
マフィアボンゴレが潰れたときから比べると、オレ達の仕事はだいぶ楽になった。
それだけ仕事が減ったと言うことだが、その割に収入が増えているのは……、まあ、あの時期はタダ働きが多かったからなぁ……。
とにもかくにも、そう言うわけで、オレ達にはパーティーに参加しても問題ない程度の余裕はある。
ボスと作戦隊長が丸一日アジトを離れるとなると、部下は大変だろうが……今は急ぎの仕事もないし、何とかなるだろう。
「そう言うわけだから、パーティーに参加してもらうぞぉ、ザンザス」
「…………」
ちょうど、タイミングよく、部屋に入ってきたザンザスにそう言ったら、無言のまま思いっきり嫌そうな顔で返された。
まあそりゃあ、そうなるわな。
「ボンゴレ主催の懇親パーティーだとよ」
「……何故オレが参加しなけりゃならない。テメーが勝手に行ってれば良いだろ」
「ボンゴレ自警団初代直々の頼みだぜ?」
「はあ?」
「無視するわけにはいかねぇんだよ。パーティーは1週間後。準備はしておいてやるから、当日にわがまま言うんじゃねぇぞ」
「…………」
「不満げな顔してもダメなもんはダメだ」
「チッ……」
8年経とうが、それからまた5年経とうが、ザンザスのワガママは変わらない。
だがしかし、昔より少しは、丸くなったか。
嫌がりはするが、暴れる様子はないザンザスに安心して、再びやりかけだった仕事に取り掛かろうとしたときだった。
「……カスザメ、テメーも用意を怠るな」
「あ?当たり前だろぉ。お前を一人で行かせるつもりは……」
「そうじゃねぇ。オレの隣に立つんだ。綺麗に着飾って来いっつってんだ」
「……はあ?」
と、そんな流れで。
オレは何故か知らんが、女としてザンザスに着いていくことになったのだった。