「スペルビ!!」

ディーノの鋭い声が、オレの名を呼ぶ。
体が熱くなったのは一瞬で、その後には妙な倦怠感と、それとは矛盾する体の軽さを感じる。
なんと表現すれば良いのか、重りをつけて運動した後にそれを外したような、そんな解放感だ。

「スペルビ！無事か!?」
「う……ああ、平気だ……」

自分の胸をペタペタ触ると、いつも通りの平面が当たる。
やっぱり、どうやら体が元に戻ったらしい。
あの煙は、１０年バズーカと似たようなもんなのだろうか。

「ケホッ……、どうやら元に戻れたみてぇだなぁ」
「ス……スペルビ……お前……！」

オレの弾んだ声に対して返ってきた声は、何故だろうか、とても驚いているようだった。

「お前体が……縮んでるぞ！」
「はあ？だから胸が元に戻ったって……」
「そうじゃなくて！スクアーロ、子どもになってるよ！」
「はぁ!?」

沢田に言われて、胸以外の色んなところを確認してみる。
よく見てみると、手が小さいし、いつもよりもだいぶ体が細い、小さい。
着ていた服もブカブカになっていたし、近寄ってきたディーノ達がやたら大きく見える。

「こ、今度は……幼児化かぁぁああ!!!!」

オレの叫びがホテルのロビーに響き渡る。
どうやらまた、薬を盛られたらしかった。


　＊　＊　＊


後日、六道骸他数名が拠点として利用している建物を、ヴァリアーの者達が襲ったとか……。