域市様(復活×黒バス)
「すいません、ちょっと良いですか?」
突然、瀬戸が手を上げて立ち上がった。
幾つもの銃口が一斉に向けられて、流石の彼も少し怯む。
「なんだ?」
「花宮……友人の傷を手当てしたい。」
「……必要はないだろう。
大人しくしていろ。」
「そこのテーブルのナプキンを使うだけだ。
それでもダメか?」
「だから……!」
「待て、それくらいなら構わないだろう。
させてやれ。」
「ありがとうございます。」
瀬戸がテーブルの上のナプキンを取る。
彼らしくもなく、緊張しているのか、机の上にあった食器に手が触れて、カチャリと音を立てる。
「くれぐれも余計なことはするなよ。」
「……わかってる。
オレ達だって死にたくないからな。」
ナプキンを、花宮の後頭部に当てて縛る。
手当てをされながら、花宮はじろりと男達を睨めあげる。
「あんたら、オレ達を人質にして、一体何を仕出かす気なんだ?」
「黙ってろ。」
「このままオレ達人質にして、上手く逃げ切れるとでも思ってんのか?
ふはっ!お前ら程度の脳ミソでそんなに上手く行くわけねーだろ。」
「……なんだと?」
「どんだけ武装して強くなった気でいたって、脳ミソのない奴らには何も出来ねぇ、って話だ。」
「このっ……!」
花宮の武器は、その優れた頭脳と言葉で、とにかく今の彼が出来るのは、敵を煽って隙を作らせること。
頭に血の上った男が、銃身を振り上げる。
撃たずに殴って、黙らせるつもりか。
花宮は目を逸らさずに、男の一番の隙を静かに伺い続ける。
「黙ってろ!」
「隙だらけだバァカ!」
無論、銃を振り上げて隙を作っていたとはいえ、男は十分警戒していた。
この状況を理解しながらも、大胆不敵に自分達を挑発してくる少年。
何か考えがあっての挑発だろう。
彼の手元、足元、全体をしっかり観察する。
しかし、彼が警戒すべき場所は別にあった。
花宮ではない。
瀬戸……でも、ない。
彼らの後ろ、瀬戸の影に隠れていた山崎が、片手にナイフを、片手にフォークを構えていた。
「おらぁ!!」
「な……なに!?」
ビュッと風を切る音、男の顔に向けて、鋭く光る銀の食器が飛んだ。
驚いて手で振り払ったため、男が特に負傷することはなかったが、しかしその瞬間に、彼らが作った隙は、大きなものだった。
ピピッ、と、彼らの体を、何かが遮る。
「ししし、隙あり!」
「勝負あったなぁ!!」
軍服達の体を、見えない何かが拘束し、銃火器を取り上げる。
それはベルフェゴールのワイヤーだったのだが、花宮達がそれを知ることはなく。
「テーブルの影に隠れろ!!」
「うわたたた!?」
「だっ!あぶねっ……!!」
「早くしろ。」
「走れ!」
軍服達の背後を、彼らが取ったのを見て、花宮達が慌ててテーブルの影に隠れた。
軍服達の注意は既に、花宮達からは外れていたため、攻撃を受けることなくテーブルまで移動して、倒したそれを盾に隠れることに成功する。
その後は……あっという間だった。
「ゔお゙お゙ぉい!!!
死にてぇやつから掛かってきなぁ!!」
「しししっ!
ゴキブリみてーに動いててマジキモっ!!」
「折角の綺麗な体が重装備で全部隠れちゃってるじゃなぁい!
勿体ないわぁ!」
「貴様らゴチャゴチャと煩わしいぞ!」
「ムム、レヴィも大概煩わしいよ。」
テーブルの向こうから聞こえてくる声は、残念ながらイタリア語で、花宮達がその内容を知ることは出来なかったが、彼らの会話を掻き消すほどの銃声や破壊音に、全員が口を閉ざして、身を寄せあった。
本当にあっという間の出来事だった。
テーブルの裏に隠れてから、破壊音が止むまで、ほんの3分も掛からなかっただろう。
「ゔお゙ぉい、無事かぁ?」
「無事じゃなかったら王子達クビじゃね?」
「クビって言うかリアル首切りじゃない?」
「ボンゴレに殺られる前にボスに殺られちゃいそうねぇ。」
「ボスに殺されるならほんも……」
「うるせぇぞレヴィ!」
最後の銃声が消えて、すぐに彼らに向けて声が掛けられた。
今度は日本語だ。
さっきの男達とは違って、妙な訛りも少ない流暢な日本語。
恐る恐るテーブルの影から顔を出した花宮は、彼らの姿を下から上までよく見た後、無言のままにテーブルの裏に戻った。
「ってゔお゙い!
何でまた隠れる!」
「血塗れの男達を見て隠れない高校生がいるか!バァカ!!」
「しし、言われてんぜ隊長ー。」
「お前もだぁ!」
「て言うか私達、全員血塗れよ。」
「キィェェァァアア!!オカマが喋ったぁぁあ!!」
「誰がオカマよお゙らぁ!?」
「つーか原お前、キャラ違くない?」
「今作ったー。」
一般人の彼らにとっては、視界の暴力でしかない姿をしているヴァリアー達が、血を拭いて少しはまともな姿になるまで、そんなやり取りがずっと続けられたのであった。
突然、瀬戸が手を上げて立ち上がった。
幾つもの銃口が一斉に向けられて、流石の彼も少し怯む。
「なんだ?」
「花宮……友人の傷を手当てしたい。」
「……必要はないだろう。
大人しくしていろ。」
「そこのテーブルのナプキンを使うだけだ。
それでもダメか?」
「だから……!」
「待て、それくらいなら構わないだろう。
させてやれ。」
「ありがとうございます。」
瀬戸がテーブルの上のナプキンを取る。
彼らしくもなく、緊張しているのか、机の上にあった食器に手が触れて、カチャリと音を立てる。
「くれぐれも余計なことはするなよ。」
「……わかってる。
オレ達だって死にたくないからな。」
ナプキンを、花宮の後頭部に当てて縛る。
手当てをされながら、花宮はじろりと男達を睨めあげる。
「あんたら、オレ達を人質にして、一体何を仕出かす気なんだ?」
「黙ってろ。」
「このままオレ達人質にして、上手く逃げ切れるとでも思ってんのか?
ふはっ!お前ら程度の脳ミソでそんなに上手く行くわけねーだろ。」
「……なんだと?」
「どんだけ武装して強くなった気でいたって、脳ミソのない奴らには何も出来ねぇ、って話だ。」
「このっ……!」
花宮の武器は、その優れた頭脳と言葉で、とにかく今の彼が出来るのは、敵を煽って隙を作らせること。
頭に血の上った男が、銃身を振り上げる。
撃たずに殴って、黙らせるつもりか。
花宮は目を逸らさずに、男の一番の隙を静かに伺い続ける。
「黙ってろ!」
「隙だらけだバァカ!」
無論、銃を振り上げて隙を作っていたとはいえ、男は十分警戒していた。
この状況を理解しながらも、大胆不敵に自分達を挑発してくる少年。
何か考えがあっての挑発だろう。
彼の手元、足元、全体をしっかり観察する。
しかし、彼が警戒すべき場所は別にあった。
花宮ではない。
瀬戸……でも、ない。
彼らの後ろ、瀬戸の影に隠れていた山崎が、片手にナイフを、片手にフォークを構えていた。
「おらぁ!!」
「な……なに!?」
ビュッと風を切る音、男の顔に向けて、鋭く光る銀の食器が飛んだ。
驚いて手で振り払ったため、男が特に負傷することはなかったが、しかしその瞬間に、彼らが作った隙は、大きなものだった。
ピピッ、と、彼らの体を、何かが遮る。
「ししし、隙あり!」
「勝負あったなぁ!!」
軍服達の体を、見えない何かが拘束し、銃火器を取り上げる。
それはベルフェゴールのワイヤーだったのだが、花宮達がそれを知ることはなく。
「テーブルの影に隠れろ!!」
「うわたたた!?」
「だっ!あぶねっ……!!」
「早くしろ。」
「走れ!」
軍服達の背後を、彼らが取ったのを見て、花宮達が慌ててテーブルの影に隠れた。
軍服達の注意は既に、花宮達からは外れていたため、攻撃を受けることなくテーブルまで移動して、倒したそれを盾に隠れることに成功する。
その後は……あっという間だった。
「ゔお゙お゙ぉい!!!
死にてぇやつから掛かってきなぁ!!」
「しししっ!
ゴキブリみてーに動いててマジキモっ!!」
「折角の綺麗な体が重装備で全部隠れちゃってるじゃなぁい!
勿体ないわぁ!」
「貴様らゴチャゴチャと煩わしいぞ!」
「ムム、レヴィも大概煩わしいよ。」
テーブルの向こうから聞こえてくる声は、残念ながらイタリア語で、花宮達がその内容を知ることは出来なかったが、彼らの会話を掻き消すほどの銃声や破壊音に、全員が口を閉ざして、身を寄せあった。
本当にあっという間の出来事だった。
テーブルの裏に隠れてから、破壊音が止むまで、ほんの3分も掛からなかっただろう。
「ゔお゙ぉい、無事かぁ?」
「無事じゃなかったら王子達クビじゃね?」
「クビって言うかリアル首切りじゃない?」
「ボンゴレに殺られる前にボスに殺られちゃいそうねぇ。」
「ボスに殺されるならほんも……」
「うるせぇぞレヴィ!」
最後の銃声が消えて、すぐに彼らに向けて声が掛けられた。
今度は日本語だ。
さっきの男達とは違って、妙な訛りも少ない流暢な日本語。
恐る恐るテーブルの影から顔を出した花宮は、彼らの姿を下から上までよく見た後、無言のままにテーブルの裏に戻った。
「ってゔお゙い!
何でまた隠れる!」
「血塗れの男達を見て隠れない高校生がいるか!バァカ!!」
「しし、言われてんぜ隊長ー。」
「お前もだぁ!」
「て言うか私達、全員血塗れよ。」
「キィェェァァアア!!オカマが喋ったぁぁあ!!」
「誰がオカマよお゙らぁ!?」
「つーか原お前、キャラ違くない?」
「今作ったー。」
一般人の彼らにとっては、視界の暴力でしかない姿をしているヴァリアー達が、血を拭いて少しはまともな姿になるまで、そんなやり取りがずっと続けられたのであった。