柘榴様(海を越え×ぬら孫)
「どうだぁ!なかなか良い出来だろぉ!!」
ばさーっと試着室のカーテンを捲って、着物を着せた乙女を幹部達にお披露目する。
おーっ!と上がる歓声。
乙女の絹のように艶やかな黒髪が、赤い着物によく映えている。
髪型も少し弄ったから、いつもとだいぶ雰囲気が違く見える。
「お姉さま、とても綺麗です!」
「ふふん、妾は何を着ても似合ってしまうからのう。」
「ほう、しっかり形になっているな……。」
「だろぉ?」
感心した様子の鬼童丸に、ない胸を張って自慢する。
悲しくなんてない、オレは男だ、悲しくなんてない。
「折角だぁ、少し化粧もしてみるかぁ?」
「化粧?」
「お姉さまはこのままでも十分じゃない!」
「オレならもっと綺麗にしてやれるぜ?」
「ほ、本当!?」
「狂骨、お主少しチョロすぎるぞ。」
狂骨の説得にも成功して、オレは乙女を鏡台の前に連れていく。
あんまり濃くしてしまうと、せっかくの美人が台無しになっちまうからな。
薄めに、元の素材を活かす感じで。
「お主化粧も出来るのか?」
「まあなぁ。」
「普段、化粧なんてしたこともないのに、器用じゃのう。」
「かつてはド器用とまで言われたからなぁ。
任せろぉ。」
オレの事をド器用なんて呼んだのは白蘭のバカである。
まあその通りだから、別に良いけど。
その後器用貧乏って言われたときにはぶん殴ったな……。
今となっては良い思い出だ……。
「……と、こんな感じでどうだぁ?」
「ほう……悪くない。」
「お姉さま綺麗!スゴく綺麗です!」
しんみりと思い出に浸っている間も、オレの手は忙しなく動いていて、乙女の化粧もあっという間に完成する。
ふはは、オレ様のヴァリアークオリティー舐めんじゃねーぞ。
「どうじゃ、美しいか?」
「よぅくお似合いです、羽衣狐様。」
「闇の聖母よ……。」
「オレの好みじゃねー。」
「茨木童子は黙ってろぉ。」
「ああ?文句あんのかガキ?やるか?」
「また、玉潰されたいのかぁ?」
「ガッ……!ぶっ殺す!!」
「やめい、茨木童子。」
鬼童丸に手刀を落とされて、茨木童子はゴロゴロと床を転げ回る。
ざまあねぇぜ。
満足したところで、オレはチラリと時計を見上げる。
時刻は既に、午後三時を回っていた。
「乙女、ちょうど良い時間だし、その格好のままおやつでも食べようぜ。」
「うむ、ちょうど小腹が空いたところじゃ。
妾はカステラが食べたい。」
「あたしも!あたしも食べたい!」
「はいはい。」
「ぐっ……人間に食いもんで釣られて懐いてんじゃねぇぞ、狂骨!」
バカが何か叫んでいるようだが、オレはリクエスト通りにカステラを用意するべく、部屋を出たのである。
ばさーっと試着室のカーテンを捲って、着物を着せた乙女を幹部達にお披露目する。
おーっ!と上がる歓声。
乙女の絹のように艶やかな黒髪が、赤い着物によく映えている。
髪型も少し弄ったから、いつもとだいぶ雰囲気が違く見える。
「お姉さま、とても綺麗です!」
「ふふん、妾は何を着ても似合ってしまうからのう。」
「ほう、しっかり形になっているな……。」
「だろぉ?」
感心した様子の鬼童丸に、ない胸を張って自慢する。
悲しくなんてない、オレは男だ、悲しくなんてない。
「折角だぁ、少し化粧もしてみるかぁ?」
「化粧?」
「お姉さまはこのままでも十分じゃない!」
「オレならもっと綺麗にしてやれるぜ?」
「ほ、本当!?」
「狂骨、お主少しチョロすぎるぞ。」
狂骨の説得にも成功して、オレは乙女を鏡台の前に連れていく。
あんまり濃くしてしまうと、せっかくの美人が台無しになっちまうからな。
薄めに、元の素材を活かす感じで。
「お主化粧も出来るのか?」
「まあなぁ。」
「普段、化粧なんてしたこともないのに、器用じゃのう。」
「かつてはド器用とまで言われたからなぁ。
任せろぉ。」
オレの事をド器用なんて呼んだのは白蘭のバカである。
まあその通りだから、別に良いけど。
その後器用貧乏って言われたときにはぶん殴ったな……。
今となっては良い思い出だ……。
「……と、こんな感じでどうだぁ?」
「ほう……悪くない。」
「お姉さま綺麗!スゴく綺麗です!」
しんみりと思い出に浸っている間も、オレの手は忙しなく動いていて、乙女の化粧もあっという間に完成する。
ふはは、オレ様のヴァリアークオリティー舐めんじゃねーぞ。
「どうじゃ、美しいか?」
「よぅくお似合いです、羽衣狐様。」
「闇の聖母よ……。」
「オレの好みじゃねー。」
「茨木童子は黙ってろぉ。」
「ああ?文句あんのかガキ?やるか?」
「また、玉潰されたいのかぁ?」
「ガッ……!ぶっ殺す!!」
「やめい、茨木童子。」
鬼童丸に手刀を落とされて、茨木童子はゴロゴロと床を転げ回る。
ざまあねぇぜ。
満足したところで、オレはチラリと時計を見上げる。
時刻は既に、午後三時を回っていた。
「乙女、ちょうど良い時間だし、その格好のままおやつでも食べようぜ。」
「うむ、ちょうど小腹が空いたところじゃ。
妾はカステラが食べたい。」
「あたしも!あたしも食べたい!」
「はいはい。」
「ぐっ……人間に食いもんで釣られて懐いてんじゃねぇぞ、狂骨!」
バカが何か叫んでいるようだが、オレはリクエスト通りにカステラを用意するべく、部屋を出たのである。