長旅

ミ「旅は道連れというじゃありませんか!
渓谷を越えるまでは同じ道です
それまでこのミミをお供させてください!」
と頭まで下げてきた

ラ「だめだ、引き返せ。さっきみたいな目にあいたいのか?」

ミ「私、侍女なんです。遣いでどうしてもこの先の村に行かなきゃいけないんです!
お願いします、旦那様ぁ!」

ラ『意地でも着いてくる気さ...しょうがねぇか』

ラ「二人ともこいつも一緒でいいか?」

フ「はい、大丈夫ですよ」
『降りてくる前に見えた子だと思いますし、監視の意味でも同行がいいわね』

リナリーも静かに頷く

ラ「だが渓谷を抜けるまでだからな」

ミ「ありがとうございますうぅぅ
侍女として全身全霊、心も鼻も胸もこめてお仕えしますうぅ!」

そういってラビに抱きつくのだった

ミ『チョロいもんね。AKUMA1体の犠牲で簡単に潜り込めた
全てルル=ベル様の作戦どおり』
その作戦というのは1人を弱らせ、あえて殺さず全員を戦えなくする=イノセンスを盗むというものだった

ラビに抱きつく様子に不信感を抱きながらフェインが眺めていた
フ『所作からして本来はメイドの身分ではなさそうね
擬態しているのかしら、亡命中であればありえそうですし』

川沿いに歩く4人

ミ「私も何かお手伝いを...」

ラ「気持ちだけもらっとくさ」

ミ「そんなこと言わずに〜 あ、こんなのはどうですか?」
そういって大きな扇子で軽く扇ぐ

ラ「オレはいいからリナリーに」

ミ「あ、は~い!」
反対側に回って軽く扇ぐ

リ「ありがとう...」

ミ「あまり具合がよくないみたいですねー
休憩したほうがよくありませんか?」

リ「私なら大丈夫だから...」

そう言いながらふらつきラビが支える

ラ「少し休むさ」

岩に寄りかからせて座らせる。
熱も上がってきており呼吸も浅くなっていた

ラビは川で手ぬぐいを濡らしていた
そこにミミさんが左手に手ぬぐいを持って近づき、鉄槌を取ろうとする

ラ「なにさ!」

ミ「あうぅぅぅ、これも使って貰えればと...余計なことしてすみません..」

ラ「こっちこそ悪かった」

ミ『やっぱりそう簡単にはいかないか
そういえばもう1人のあの黄土色の髪の小柄な子は一体どんなイノセンスだっけ...いやまずはこっちから!』

フ「寒気はないですか?」

リ「うん、大丈夫...」

ラ「ほらリナリー水で濡らした手ぬぐいだ」

そっとおでこに置こうとする
さっとリナリーと前髪をあげるフェイン

フ「これならまだ髪が濡れなくてすみますわ」
手ぬぐいを置いたところでバッシャーンと盛大に水をこぼした音が聞こえた
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