帰郷

フ「…っ私は家族として認められていないのですか…?
分かっていればエクソシストでない親しい人を避難させて、ことを見守っていましたのに…!」
泣きそうな顔で言う

「まぁ私の評判が向こうでは高まったかもしれませんけれど…
ふぅ…取り乱して失礼しました
私が至らないことが原因ですわよね…申し訳ありませんでした
私、少し歩いてきますわ」
優雅に軽いお辞儀をしてドアを出ていく

千「フェイン…」
その場に残されたお二方は、しばらくドアの方を見つめていた

フ『はぁ困りましたわ…
イノセンスを消せばすぐに解決することですが…』
人が来なさそうな高台で悩んでいた

フ「今頃向こうは元帥達が来てるでしょうね…
レベル3さんたちもなんだか当たり前になりそうですし…
日本で戦慄したあの日々は一体…」
団服を着たまま一族の姿になった手を見下ろす

『…いつか向こうを滅ぼすのは分かっていますし、そうしたいとも思っているけれども、でもだからと言って私の親しい人達をすぐに葬り去れるかと聞かれれば、まだそれほどの覚悟はできていない…

最後の時まで少しでも楽しく過ごしていてほしい、でも皆様の悲しむ姿やお怒りになる姿、お痛わしい姿はもう二度と見たくない!!

…徐々に覚悟を決めることができたら一番嬉しいのだけれど…
どう考えてもルル=ベル様の仰せになったことが正しいわ、私が未熟すぎるのよね…

どうしたものかしら』
心落ち着くセピアカラーの優しく美しい景色を眺めながらそんなことを考えていた

千「ルル、任務でのフェインはどうしでしたカ?♥」
フェインが去った後、沈黙を破ったのは伯爵様であられた

ル「… 最初はおとなしくしていました。
ただ守化縷(スカル)が出てきてから、守化縷たちを妨害し、科学者達が守化縷になるのを阻止しようとしていました

「私たちにも認められるほどの科学者がいるのは嬉しいが、ヤツらを使った守化縷は作らないでくれ」といったことを言い、
10体の攻撃を一気に受けようとしていました」

千「ハイ!? 何故デス?」

ル「彼女が言っていたのは、「生き残れたらその数だけ、科学者に手出しさせない」ということでした。」

千「…」

ル「アレン・ウォーカーが来てからはAKUMA破壊に加担することはなかったですが、守化縷(スカル)を妨害
恐らくエクソシスト以外の面識のある人間を助けたかったということかと

その後ウォーカーを打ちのめし、私がウォーカーを連れ去ろうとしたところで、「それはダメだ」と言われ、やはり教団側かと私が言った直後、科学班の結界装置(タリズマン)に阻害されました」

千「ちょっとルルそんなこと言ったんですカ?!」
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