帰郷

千「!その守化縷(スカル)が足りなかったものデ…♥」
怒っているのに気づいた伯爵様が焦りながら仰せになる

フ「では、なぜ科学班の人たちを守化縷(スカル)にすることを事前に仰って下さらなかったのですか?

詳しくは存じませんけれどなれる人も少ないと守化縷(スカル)さんがおっしゃっていましたわ
今だって置いてきてしまいましたのよ」

千「そ、それハ…♥」

ル「主人(あるじ)を責めるな
お前やはり奴らの側なのだろう

主人(あるじ)こいつは向こうで科学者の奴らを庇ったりしました
いくら一族になったといえ、油断ならない」
聞いたフェインが一族の姿になる

フ「……っ
私が向こうにいた時間が長かったため考えが未熟であることは否めませんし、お詫び申し上げます
ですが…事前に言ってくだされば、私はある程度は許容いたしましたし、あそこまで強引な手段に出ることもなかったかと…

私は…ハートやイノセンス・エクソシストはなるべく積極的にと考えております
ただ…そうでない者たちは洪水で滅ぶ時まではせめて日常を送らせたい所存です」
フェインの脳裏にアニタを筆頭とした出来事が思い浮かぶ

バシッ 手を鞭のようにしたルル=ベル様に頬をぶたれる
ル「甘い
他の奴らはそれでいいとしても、科学者の奴らが厄介なものを作り出したらどうする?
もし私達や主人(あるじ)にとって危険なものを作ったら?」

フ「その際はもちろん殺しますわ
私とて一族として目覚めておりますから
ただ“柱”や“イノセンス”への憎しみが強く、他へはまだまだで…
申し訳ございません」
目を伏せ軽く頭を下げる

ル「話にならないわ」
ジャキッとナイフに変化させた腕がフェインの首に当たり血が流れる

フ「いっ…!」

千「ルル!」
焦りの中に多少怒りがありそうな伯爵様

ル「失礼しました主人(あるじ)」

フ「良いのです、伯爵様
あとで治してみますから、自分にも使えるかの確認もできますし…
ルル=ベル様は至って当然の懸念を仰せになっているだけですもの

この痛みはルル=ベル様の怒りなのでしょうし、怒りをぶつけられることくらい構いません
…いつかの贖罪もルル=ベル様にはできておりませんし…」

千「まさかいちAKUMAより自分の価値がないと思っているのですカ!?♥」

フ「…価値というよりは現段階では私の一族としての信用がということですわ
あと私はどの御方の意見も尊重いたします
レロさんだって私を警戒していらっしゃいますしそれは良いのです

私のことを見透かせるような方がいればよいのですがね苦笑
…ただ私はレベル3さんの襲撃を聞かされていなかったのが悲しかっただけです」
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