帰郷

デビュタントは滞りなく進み、ゆったりとした交流の場となっていった。
アピスとも合流し、互いのデビュタントを祝った。

ア「ダンスお疲れ様!
やっぱり大人気だったね」

フ「ありがとう、アピスもお疲れ様。
それはキャメロット外務大臣のおかげよ」

ア「えーあの気取り野郎?」

フ「アピス!なんてこというの!?
あんなに嫌味なく華麗に場を制するなんて素敵じゃない」

ア「それはそうだけどー、自分の立場活かして打算的に動く感じがさ〜
こう…自分のこと鼻にかけてて、鼻につくっていうか…」

フ「まあ確かにそういうところはあるかもしれないけれど…
私はあんな風に頭のきれる人になりたいわ」

ア「えぇ〜絶対やめた方がいいって!
ところで任務任されたって聞いたけど、教団に乗り込むんだって?大丈夫?」

フ『お父様とお母様は…あちらで話しているから大丈夫そうね
側近や側仕え、使用人も…いないわね』
「えぇ大丈夫よ。皆、療養していてたまに鍛錬する人がいるくらいだから
教団が襲われるなんて夢にも思ってなさそう、というかこの平和な時間が続いたらいいのにと思っているようだもの

気持ちは分かるけれどね」

ア「そうなんだ〜
なんかイノセンスからの反発とかはないの?」

フ「うーん、私のメモリーが攻撃性を加えるものではないからか特にないわね」

ア「あーうん、よかった。
それもなんだけど、教団を裏切るってイノセンスを裏切ることになるわけじゃん、それは大丈夫?」

フ「ああ、なるほど…
まあ多少はあるけれど、ここにこうして立てるくらいの軽度なものよ」

ア「そうなんだ!よかったぁ」

フ「心配してくれてありがとう。それにプラントは元々皆様方のものだから、そんなに反発も起きないのではないかしら…

あ!それか私が強い罪悪感を感じていないからという可能性もあるわ…!」

ア「あ〜確かに」

フ「真相はよく分からないけれどね」

ア「まぁ元気そうならよかったよ じゃあ頑張ってね」

フ「えぇまたね」

その後コネを作ろうとする大人や同年代の対応に、時々サロンでの友人や知り合いなどの対応をしてデビュタントは幕を閉じた
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