帰郷

部屋へ入るとプラントがバチバチと音を立てていた
千「これはヤツらが転送をキャンセルしてくれたおかげで、この有様デス!♥」

フ『まぁ…教団側が助かった結果、こんなことになってしまったのですね…』
「なんとお詫びをすればよいのか…
他のところは大丈夫でしたか…?」

千「えぇ他のところは問題ありませんヨ♥
ただ、これが最後にしてかなり重要な役割でしてねェ
なんせAKUMAをつくるのに欠かせませんカラ♥
これ作るのすごいお金と汗と時間がかかってるんですヨ!♥」
ビリッとハンカチを食いちぎる伯爵様

ノアとして目覚めたこともあってより怒りが伝わってきた
腸が煮えくり返る、では到底収まりもしない感情だった
フ「申し訳ございません、止めることができずかようなことになってしまって…」

千「そういえば…誰が演奏していたか知っていますカ?♡ どこにピアノがあったのデス?♥」
聞き方こそ穏やかでも、断らせないギラギラとした眼力でお聞きになられた

フ「…アレンさんが演奏していましたわ
場所についてはアレンさんだけが最初に入って、分からなかったですが…」

千「!アレン・ウォーカーが弾いていたのデスカ!?♥
なんということカ…!♥」

フ『何か良くないことでもあったのでしょうか…まあエクソシストが弾けるなんて変ですわよね』
伯爵様の様子を伺い、どうしたものかとルル=ベル様に視線を移すと、いたって冷静にしていらした

千「まぁいつか捕まえて聞き出せばいいデショウ…♥
ひとまずはプラントを取り戻すのが先決♥
そこでフェイン、家族になった証として任務デス♥」

フ「はい、なんなりと」

千「ルルと共にプラントを取り返しナサイ♥」

フ「!…詔(みことのり)のままに
ルル=ベル様は私と共にでも構いませんか?」

ル「主人(あるじ)の命(めい)なら私は構わない」

千「協力してくれてよかっタ♥
は〜ほっとしましたヨ、フェイン♥
拒否されたらどうしたものかト♥」

フ「ふふ、もともとは皆様方のものでございますから」
『断るなんてありませんけれど、もし断っていたら…
考えたくもないですわ…』
ブルッと震えた

千「それじゃ、早速計画立てまショウ!♥」

フ「えぇ」
そうしてプラント取り戻し計画の打ち合わせが行われていった
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