覚醒

ア「あの…?
僕ピアノは生まれてこの方1度も…
ピエロの時笛吹いたくらいしか…」

ク「ティムが楽譜をもってる」

ア「ってちょっと!!楽譜の読み方なんて知りませんッッ!!」

ク「借金増えんのとどっちがいい」
ア「どっちも無理です!!!」
ノイズが混じり始め、クロス元帥が言い終わらぬうちに勝手に通信は切れてしまった

ク「クソっ やってくれよ馬鹿弟子…!」

しばらく3人が必死に耐えていると、どこからかピアノの音が聞こえてきた
リ「ピアノ…?」
ク「きたか!通じろ!」
ノイズをたてている無線機に言う

ザザッ願いが通じたのか無線機が通る音が聞こえた
ク「方舟を操れアレン!!お前の望みを込めて弾けっ!!」

ア「のっ望み!?」

ク「早くしろっ!!」

ア『僕の望みは…』
「消えるな 方舟エエエェェェェ!!」
しばらくしてピアノが鳴り止むと「卵」も元に戻り始めた

フ「卵が元に戻っていきますわ…!」

ク「転送を止めたんで消滅プログラムも解除されたか
ギリギリだったな、でもまあこれで「生成工場(プラント)」は転送不完全で伯爵の元に届かんだろう
師弟の勝利だアレン、はっはっはっ!」

沈黙が流れる
フ『ということはAKUMAさんを作れなくなるということですわよね…』
フェインだけが顔面蒼白で「生成工場(プラント)」を見上げていた

フ「アレンさん?」
リ「アレンくん大丈夫?」

ク「アレン、お前のいる「部屋」に行くからこっちにドアを出せ
お前が望めば開く」

鍵盤の音が1つ聞こえると目の前にドアが現れた
フ『方舟のことをよく知っている様子ですわ…』

リナリーがドアを開けて、それに続く
入るとピアノとソファーのある質素な部屋だった

ア「リナリー よかった無事で」
リ「アレン…くん?
崩壊が止まったの。ピアノの音がね、聞こえてきて…アレンくんが弾いたの…?」
ア「うん……」

少し視線を上げ、クロス元帥の方を見て睨むアレン。
ク「お前が何を言いたいのか分かってる、コワイ顔すんなよ」

ア「どうして…っ あの楽譜は…」

ラ「ごはんですよーッッ!!!」
いいかけたところに、ラビの大声が聞こえてきた
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