覚醒

ア「ど、どうするんですか師匠!?」

ク「止めるしかねェだろ」

ア「え?」

ク「要は「卵」を奪いればいい方舟を起動させて、
この転送を止めれば「卵」は新しい方舟に届かない」

ア「こんな得体の知れない舟どうやって!?」

リ「元帥…何か知ってるんですか?方舟を動かせる方法を…?」

ク「オレじゃないお前がやるんだ アレン」

ア「!!?」

驚くアレンをよそに、クロス元帥は呪文を唱え始める

ク「オン、アバタ、ウラ、マサラカト
効けよ…!バル!!!」

するとキンと音がして、プラントの動きが止まった

ク「術で転送を邪魔して若干だが進行を遅らせる…お前が舟を動かせアレン!
急げもう消滅の時間だ」

ア「は?まって下さい 何言ってるか全然分かりません師匠!!」

ク「とっておきの部屋を開けるティムに従え、そうすりゃ分かる」

ティムのしっぽから空間への穴が開いた

ア「どうして僕が…っ」

リ「アレンくんっ!!!」

ク「お前にしかできんからだ…馬鹿弟子」

アレンが穴に飲み込まれた後、凄まじい音をたてて崩れ始めた
リナリーはクロス元帥に抱えられ、フェインは肩ぐるまをしてもらうことになった

フ『た、高いですわ…!世界が小さく見えるわ…』

さらに崩壊する中、少しでも足場の多いところに移動していく
ザザッ無線機にもノイズが入り通信できない

ク「チッ早くしろ馬鹿弟子!」

転送を妨げる術を解く訳にもいかず、卵から離れすぎないよう頑張る
…ピガガッ
「馬っっ鹿弟子ぃぃぃ!!!!」
無線機が繋がる音が聞こえたなり、元帥は大声で叫んだ

「とっとと転送止めろオラァ!!「部屋」に行けたのか!?」

リ『元帥 無線機持ってたの!?』
「アレンくん大丈夫?!」
フ「聞こえますか?」

ア「リナリーにフェイン?
あっはい大丈夫です。
ってかなんか3人の声近くないですか
師匠、2人に触らないでください!!」

ク「お前、こっちが今どんだけの床面積で頑張ってると思ってんだ オイ
抱っこと肩ぐるまくらいでピーピー」

リ「気にしなくていいから!!アレンくん!」

ク「そこにピアノはないか!?」
ア「えっはい、ありますが…」

ク「それが船を動かす「心臓」になる、弾け!」
そう言われて固まるアレン
44/48ページ
スキ