フェイン・キュアー

ル「自家製のケーキで、美味しく焼けましたからな」

フ「自分でお作りになるので!?
…毒など入っていませんよね?」

ル「フ…まさか
寄付をしてくれる所に毒を持ったりはしませんよ
私も食べるというのに」

フ「それならよかったです
用意してくださったので食べましょうか
椅子が合うかわかりませんが…」

緊張感がありながらもしばらく共に過ごした
途中上司部下共に菓子作りが好きなことに驚いたりもしながら時間が過ぎていった

ル「見た目に反して気骨があるようで安心しましたよ
これなら彼らとも上手くやっていけそうだ

…レディーの部屋に長くお暇しましたな
現場は厳しいですががんばってくださいね、それでは失礼」
ルベリエが帰るとリンクは多少安堵した

フ「こちらに来たら皆さんの生活になじまないといけないとばかり思っていたけれど、話が合う人がいそうで良かったわ
現場に出ない人は一般の人に合わせる必要はないものね」

リ「…は…」
リンクは呆気にとられた

フ「あら、意外ですか?」

リ「長官の印象は良くないものかとばかり…」

フ「貴族の会話ってああいうものですから大丈夫ですよ
それに最後は“レディーの部屋に長くお暇した”とおっしゃっていたじゃありませんか
あれは最初の非礼を詫びてくれたのですよ、認めもしてくれたようですしよかったですわ」

リ「は、はぁ…」

フ「初対面が大事ですからね、甘く見られなくてよかったです
しかしこちらが寄付しているのに、ここでは向こうが上司というのは不思議な感覚ですね」

リ『貴族というのはよく分からないな…
長官に1つでもキュアー家や王女のことについて情報を得るように言われたが、苦戦しそうだ…』

その日の夕食はリンクに持ってきてもらい部屋でゆっくりと過ごした
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