戸惑い

ラ「!どういうことさ?」

ア「戦わずに引き返せと言うんですか」

ティエ「まだ千年伯爵と戦うべき時じゃないってことだよ
生きながらえるのも人としての使命だと私は考える

今生存している適合者は教団にいるヘブラスカ、ソカロ、クラウドとマリアン、そしてここにいる10人だけなんだよ
君たちを危険にはさらしたくないんだ
苦しい時には引くことを選択すべきじゃないかな」

ラ「進むべきか、引くべきかか……ふっ
でもティエドール元帥、それと同じ言葉を前にも聞いてるさ」
そう言ってちょめ助の伝言を思い出す

ラ「でもその時ここにいる眠り姫がさ
進もう、ここで引き返したらここまで積み重ねてきてくれた人達の命を踏みにじることになるって…
だから俺らはどんなにボロボロになっても進む覚悟を決めたんさ」

クロ「その通りである…!」
泣きながら答えるクロウリー

フ「犠牲になったのは人だけではありませんの」

ミ「私たち、前に進みたいんです」

チャ「俺たちも!」

ティエ「…そこにいる君も同意見かね?」

ア「…はい 僕も前に進みたいです」
と決意した眼差しの後笑顔で答えた

ティエ「はあ~、そうか
ならもう問わないことにするよこれまでの旅も辛かったろうね
けどこれから先の道は本当に茨の道だよ」
ティエドール元帥諦めてそう言うとそれぞれ準備を始めた

フ「ふぅ…ミック卿がノアの方だなんて…」

ミ「フェインちゃん…」

フ「あら、ミランダさん」

ミ「まさか顔見知りが敵だなんて…戦いにくいんじゃないかしら」

フ「そうですわね……
でも戦う相手が私でなかったとはいえあちらは本気でした
いざという時はやむを得ないのかもしれません...戦わなくてはと思っています!
ですが…なるべく戦うのは避けたいものですね」

ミ「そうよね、当然だと思うわ…」

フ「ありがとう存じます」
珍しくフェインが弱々しい笑顔を見せた

アレンのそばではリナリーが何とか立とうとしていた
リ「しっかりしなきゃ...」
リナリーが顔を上げるとアレンが手を差し出していた

リ「だ、大丈夫、一人で立てる」
立ち上がろうとするものの、やはりうまくいかない

ア「リナリー、行きましょう 一緒に
師匠のもとへ」
今度は膝をついて手を差し出した

リ「うん 一緒に…」

アレンの手を取ろうとした瞬間、パチっと電流のようなものが見えた
ア「え?」

レ「見つけたレロ!」
下に1つ大きな黒い星が広がり、その中にリナリーは落ちていった

ア「リナリー!」

その様子を驚いて皆が見る
アレンが星に触れると飲み込まれていく

ラ「アレン!」

ラビとクロウリー、フェイン、チャオジーが続けて駆けよって飲み込まれていくアレンを止めようとする

ティエ「いかん!狙いはリナリーだ!」
その言葉を聞いて神田が走る

ティエ「とまれ!」
言葉も虚しく辺り一体は光に包まれたーーー
40/40ページ
スキ