戸惑い

コンコン
アニタ「どうぞ」

リ「アニタさん」

アニタ「どうしたの?」

リ「これ…」
そう言って髪留めを見せる

リ「ごめんなさい。お母さんの形見なのに…
頂いた髪留め1つなくしてしまって....」

アニタ「ううん、あなたが無事な方が嬉しいわ」

リ「ありがとう お返しします」
一瞬こちらにくるよう手を向けるが、途中ではっとし髪を解く

アニタ「とめてくれる?」

リ「はい!」

リ「私、この髪留めに命を守られた気がします
今度はアニタさんの命を守ってくれますように」

アニタ「…ありがとう」

リ「アニタさん?」
不安な表情になるリナリー

リナリーを静かに抱きしめ
アニタ「クロス様をお願いします」

リ「…はい」

リナリーを離すと静かに部屋を出ていった
看板に出ると雨が振っていた

アニタ「雨だ...クロス様の一番好きな天気」

マ「主、作業は全て完了しました
次の指示を」

すると悲しく笑って
アニタ「船を停止! エクソシスト様方とAKUMAを看板に呼んでちょうだい」

皆で看板に出た そして異変に気づく
ク「船員が誰もいないぞ」

ラ「!ほんとだ」

リ「?.....まさか!」

アニタ「ごめんなさい彼らには見送りは不要と伝えました 今は船内で宴会をして騒いでいます
最後の一時をどうか各々の思うように過ごさせたかったのです」

リ「残ったのはあなた方だけなんですか?」

フ「なんてこと…猛攻撃だったとはいえ…」

ミランダが再び泣き始めた
するとアニタがミランダの肩に手を置く

アニタ「いいのです 私達は皆、AKUMAに家族を殺されサポーターになった
復讐の中にしか生きられなくなった人間なのですから
我ら同志の誰一人後悔などしておりません」
穏やかな笑顔で言う

マ「江戸へ行くと我らが来た道を引き返さないとあなた方は言ってくださった
それが嬉しいのです」

「「「勝ってください、エクソシスト様!!」」」
突然放送が響いた
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