お昼寝
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「うう……限界……」
どのくらい時間が経ったのだろう。少年の頭を乗せたままのうららの足は、とうに感覚を失い、じんじんと鈍い痺れを訴えていた。
起こすのもかわいそうだと思い、息を殺して、そっと頭を持ち上げる。そのまま、できるだけ音を立てないように畳へ下ろそうとした―が。
「……なに?」
眠たげな声がして、動きが止まる。
「眠いんだけど」
「ご、ごめんね。足がしびれちゃって……」
そう言うと、しげるは目をこすり、またひとつ大きなあくびをした。
「ふーん」
気のない返事のまま、しげるは無表情でうららの足先を、つん、と突く。
「きゃ!」
痺れたところに直接触れられ、じん、とした感覚にくすぐったさが混じる。思わず声が上がると、しげるは何か面白いものを見つけたように、にやりと口角を上げた。
「ちょっと……ふふっ、今ダメ!」
足を引こうとするが、力が入らず、思うように動かない。
「へえ」
楽しそうに、もう一度、指先でつん、と突かれる。
「もう……くすぐったいんだから!」
声が裏返るのを自覚しながら訴えると、しげるは半身を起こして、じっとこちらを見た。
「そんなになるまで、俺の頭置いてたの」
少しだけ、意外そうな声音。
「……起こすの、かわいそうだったから」
そう答えると、しげるは一瞬だけ間を置き、すぐにいつもの調子に戻った。
「へえ。優しいんですね」
それだけ言って、今度は足を突くのをやめ、満足したように畳へごろりと転がる。
「じゃ、いいや」
そう言って、あっさりと目を閉じた。
「ちょっと、また寝るの?」
「ん……眠い」
さっきまでの意地の悪さが嘘みたいに、呼吸はすぐに整っていく。うららはその様子をしばらく見つめてから、小さく息をついた。
「……本当に、猫みたい」
今度は膝ではなく、そっと頭のそばに腰を下ろす。白い髪が、畳の上に無造作に広がっている。
足のしびれは、まだ完全には引いていない。それでも、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。そしてうららも同じように畳に転がる。
昼下がりの静かな部屋に、二つ目の規則正しい寝息が、静かに重なっていった。
