再会
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店を出るころには、泣いたせいか、頭が少しふわふわしていた。夜風が、熱を持った頬に心地いい。
……このまま工場に行っても会えないわよね。ならまた今度会いに行こう。
そう思って歩き出した、そのときだった。
「おー、姉ちゃん」
後ろから、酒臭い声。振り返る間もなく、手首をつかまれる。
「!!」
「一杯付き合ってくれよぉ」
「男二人じゃ味気ねぇのよ」
力が入らない。振りほどこうとしても、うまくいかない。
「放してください」
「いいじゃねぇか。なじみの店近いんだ」
「い、行きません」
酔っ払いの腕を掴む力が少し強くなり、強引に引き寄せられる。転びそうになったその瞬間。
「悪いな」
低く、落ち着いた声が頭上から割って入る。
「その人、オレの連れなんだ」
肩を抱かれる。自然で、迷いのない動きだった。おかげでうららは支えられる形で立っていられた。うららはその声に体が、ぴたりと固まる。顔を上げることができない。上げてしまったら、六年間、必死に抑えてきたものが溢れてしまいそうだった。酔っ払いは男の出現に驚いたのか、掴んでいた手首を放す。
「いいだろぉ。少し貸してくれよぅ」
「貸せない」
「ケチくせぇな……」
「こんな奴より、オレたちのほうがいい思いできるぜ、姉ちゃん」
今度はうららの腰に手をまわそうと、もう一人の酔っ払いが近づく。その瞬間、男は酔っ払いの足を軽く払う。次に目にした時には酔っ払いは地面に転がっていた。
「酔いすぎだな」
冷たく静かな声。
「早く帰ったほうがいいぜ」
それだけ言って、もう相手を見ない。後ろから酔っ払いの怒鳴る声が背中に刺さる。うららの肩を抱いたまま、その場を離れた。
二人の足音だけが、夜道に聞こえる。肩越しに伝わる体温が、あまりにも懐かしくて、あまりにも現実で。うららは、ただ黙って、歩き続けた。
彼の顔を見ないまま。
名前も呼ばないまま。
……このまま工場に行っても会えないわよね。ならまた今度会いに行こう。
そう思って歩き出した、そのときだった。
「おー、姉ちゃん」
後ろから、酒臭い声。振り返る間もなく、手首をつかまれる。
「!!」
「一杯付き合ってくれよぉ」
「男二人じゃ味気ねぇのよ」
力が入らない。振りほどこうとしても、うまくいかない。
「放してください」
「いいじゃねぇか。なじみの店近いんだ」
「い、行きません」
酔っ払いの腕を掴む力が少し強くなり、強引に引き寄せられる。転びそうになったその瞬間。
「悪いな」
低く、落ち着いた声が頭上から割って入る。
「その人、オレの連れなんだ」
肩を抱かれる。自然で、迷いのない動きだった。おかげでうららは支えられる形で立っていられた。うららはその声に体が、ぴたりと固まる。顔を上げることができない。上げてしまったら、六年間、必死に抑えてきたものが溢れてしまいそうだった。酔っ払いは男の出現に驚いたのか、掴んでいた手首を放す。
「いいだろぉ。少し貸してくれよぅ」
「貸せない」
「ケチくせぇな……」
「こんな奴より、オレたちのほうがいい思いできるぜ、姉ちゃん」
今度はうららの腰に手をまわそうと、もう一人の酔っ払いが近づく。その瞬間、男は酔っ払いの足を軽く払う。次に目にした時には酔っ払いは地面に転がっていた。
「酔いすぎだな」
冷たく静かな声。
「早く帰ったほうがいいぜ」
それだけ言って、もう相手を見ない。後ろから酔っ払いの怒鳴る声が背中に刺さる。うららの肩を抱いたまま、その場を離れた。
二人の足音だけが、夜道に聞こえる。肩越しに伝わる体温が、あまりにも懐かしくて、あまりにも現実で。うららは、ただ黙って、歩き続けた。
彼の顔を見ないまま。
名前も呼ばないまま。
