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スザク×ルルーシュ

木漏れ日の下、ブラウン色の髪をそよ風に遊ばせて枢木スザクは一人微睡んでいた。陽射しは熱いが、木陰で寝転べば昼寝には丁度良い。
うつらうつらと船を漕いでいたら、いつの間にか意識は夢の中へとんでいた。

「…スザク?」

心地よい風が頬を撫でる中、先程夢の中へ旅立った少年へ声をかける人影が一つ。漆黒の髪、宝石を思わせるアメジストの瞳。
アッシュホォード学園副会長のルルーシュ・ランペルージだ。ルルーシュは、気持ちよさそうに眠るスザクを見つけ今一度声をかけようとして、止める。
日頃の軍隊の訓練に学園にも通う親友を見て、余程疲れが溜まっているのだろうと思う。眠る
スザクの隣に腰を下ろし、心地いい風に自身も目を細めた。
穏やかな時間が流れる。

(こうしていると、戦争をしている事を忘れてしまうな…)

風が吹くと隣で眠る親友の髪の毛が、ふわふわと揺れる。それを起こさないように、そうっと撫でれば途端にスザクが身動ぎした。

「…ん…ルルーシュ?」
「悪い。起こしてしまったな」

目を擦りながら上体を起こし、ん〜!と伸びをしたスザクはまだ眠そうな目をして、ぼんやりとルルーシュを見ている。

「もう少し寝てても構わないが…」

午後の授業開始までまだ30分はある。何なら自分が起こしてやる、と言葉を続けようとするとスザクの腕がルルーシュの肩を抱き込み、そのまま柔らかな芝生へ押し倒した。

「なっ……!」

急に視界が回転し、一瞬目を閉じるも自分を押し倒した人物に抗議しようと口を開く。
が、

「ルルーシュも一緒寝ようよ」

ふにゃりと笑った少年に文句も言えなくなってしまう。仕方がないな、と苦笑しつつ柔らかな芝生に頬を寄せ新緑の香りを楽しみながら目を細めれば、さらりと髪を撫でるそよ風。
早くも目の前の友人は、うつらうつらと船を漕いでいる。その様子に、くすりと笑みを浮かべてルルーシュも睫毛の影を落とす。

(この時間がずっと続けばいいのに)

叶わなくたって願ってしまう。
それほどに今この瞬間は、途轍もなく幸せで。
ルルーシュも優しいそよ風に夢の中へ旅立って行った。



ふと目を覚ましたスザクが、目と鼻の先で眠るルルーシュに驚き起こすか起こさないか迷ってる内に、始業のベルが鳴り慌て出すのは数十分後の話。


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