序章
zzz
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焼ける野原、飛び交う銃声、生々しい金属音
優しい父も兄も、そこにはいなかった。
いるのは獰猛な獣だけだ。
そこにいる全員の顔は紅潮し、息も荒い。
そこには恵みの光も安息の闇もない。
人は何のために争い、なにを勝ち取るのか。
はじめて戦場を見た時からもう幾年か経っているが未だにその答えは見つからない。
それは強さだと兄は言う。
殺し合いのなかで生き残った者だけが強さを得て頂点に立てるのだという。
父は国のためだと言う。
戦に勝てば領土が広がる。領土が広がれば国が豊かになる。
結果的に国民は救われているのだ、と。
それになんの意味がある?
頂点に立ったところで、領土を得たところで
死んでいった者たちに報いはない。
平和の上には犠牲があるのだと、
理解はしていても納得はできない。
国王になれない俺に
できることなんて何も、ない。