愛を紡ぐ物語をこれからも
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side優衣
仕事終わりに 遊びに来た津軽さんの部屋
話の流れで 私と出会う前のフレンズの皆さんとの飲み会、津軽会の写真を見せてもらっていた
「皆さん若いですね~」
「俺も久しぶりに見た 自由に見ててお茶淹れてくる」
「ありがとうございます」
津軽さんのスマホ画面をスワイプした瞬間…
(え! ? こ、これは…!)
居酒屋のような和室に座る阿佐ヶ谷さんと山本さんの隣に可愛い女の子
心臓がドクンっと跳ねたのは、
女の子の隣に座る津軽さんが女の子の肩に腕を回し自分に引き寄せるようにしていたから
(当時の彼女…だよね 可愛い子だなぁ)
フレンズの皆さんの飲み会に居るって事は、きっと一夜限りの女の子じゃないってことで…
小柄で、綺麗っと言うより落ち着いた感じの可愛い子だ。
勝手に色気のある子やモデルみたいな美人が元カノだと思ってたから意外と言うか…
(ふ~ん…。)
これ以上は見るのは よそう
そう思っても 見たくない、見てみたい、二つの気持ちにスワイプしようとする指が迷う
(…あれ? この子、どこかで見たことがある?どこだっけ)
つい無意識でスワイプすると津軽さんと女の子の身体を密着させたツーショットが出てきた
(はい、彼女確定…。)
ーーーーーーーー ー ー
side津軽
「はい、ショウガ紅茶。あれ 写真もう見なくていいの?」
「はい、見せて頂きありがとうございます」
閉じられたスマホはテーブルに置かれていた
まあ、真面目な子だしね
自分のスマホを自由に触らせるなんて優衣が人生で初めてだ
信用してるし全然いいんだけど真面目な彼女は、スッと返してくれていた
「じゃあ優衣の見てる連ドラ見よう、録画してあるから」
「え、わざわざ録画しててくれたんですか?」
「うん、最近は夜は張り込みか、残業でデスクにかじりついてたから、ウチに来た時に見れるように」
「…なんか優しい」
「いやいや、これくらい俺の通常モードだから」
「ふふっありがとうございます!」
優衣の横に座りリモコンを持つと、隣の可愛い彼女の肩を抱いた
びくっ
「その反応は初々しすぎない?なになに取って食いはしないよ」
「なんで…でしょう」
「俺が聞いてんの~」
優衣は、未だによく分からない部分もある
2人きりは久しぶりだから?照れて…る?
顔も身体も緊張してるのは分かるが、なんだろう…嫌な予感がする
こういう " 勘 " は外さない
案の定、終始 優衣は緊張ぎみで
だから抱かずに寝ようとすれば抱きついてきて したいとせがんできた。
珍しく…積極的で あまり夜更かしさせないように…と思ってたのに2人で寝不足になってしまったのだった
ーーーーーーーー ー ー
side優衣
「ふぅー」
カバンをソファーに投げ、スーツのままベッドに沈む
捜査中の事件が大きく動き、明日からは少しだけ余裕ができる。
家に着いてホッとしたからか急にお腹が空いてきた
冷蔵庫の中に何かあったか想いを馳せていると
ピンポーン♪
玄関のチャイムが突然鳴れば、それは
(津軽さん…?)
当たり前のように ただいま~と入って来て、玄関で話すのもなんなので もちろん中に招き入れる
「あの どうかしました?」
「うん、今回の捜査で一役買ったウサに、ご褒美」
「えぇ? いえいえ仕事ですし褒められると怖いですって」
「いらないの?特上牛タン塩弁当」
「その包みは!ほのかに漂うお高いお肉の香り…!頂きます。」
「現金だねーほら口直しにゼリーも買ってきたよ」
「また優しい…」
「ん?お茶持ってくるから座ってて」
勝手知ったる我が家のようにキッチンに消えていく後ろ姿
津軽さんは…私の比じゃなく忙しかった
労いの言葉だけでも嬉しいのに...
なのに、
お弁当を買いに行ってくれて 映えるカワイイゼリーも買って来てくれた
そして今、食事の用意してくれてる
(昨日のこと、やっぱり変に思ってるのかな?)
ヤキモチから積極的になり過ぎたベッドの上
気を遣わせてしまってる
疲れてるだろうに。ほっとく事も出来たのに来てくれた
それは私の事を大事に思ってくれてるからで。
くすぐったい気持ちと後ろめたい気持ちと、完全には消えないヤキモチ
今の彼女は私だし特別だと言ってくれた
今ある私の幸せを大切にしなきゃ…だよ
だいたい…私はどうなの?
写真どころか元カレ本人に遭遇させてるし、行くなと行って欲しくて食事に誘われてると津軽さんに言ったりした。
だけどね、他意はなさそうだけど
なんで写真残してるの?
とか…不毛だ。
ーーーーーーーー ー ー
side津軽
(俺はまた何かやらかしたのか?)
以前、優衣が珍しくご機嫌ナナメだと思い、何かやらかしたのか?と謝ったら、それは優衣の勘違いだった事がある
あれこれお喋りし、率直に聞いてくるこの子が何も言わないなら自分から聞くしかない
優衣とは ずっと仲良くやっていきたいから、分からない事は聞くしかない 。
仕事終わりに急いで某焼き肉店の特上弁当とコンビ新作のゼリーを土産に優衣の家に来た
食べ終えた頃には、俺に気を使ってるようにも見え優衣の中で何か落としどころを見つけようとしてるのを感じる
(こっちから切り出すか)
「食べ終わったなら一緒にお風呂入る?お湯ためてこようかな」
「ん?いえ、今日は疲れたのでシャワーだけにします。って言うかウチに泊まりますか?」
「優衣が素直になるまでは、毎日泊まりにくる」
「それは、どういう…」
「昨日なにかあった?俺なりに考えたけど分からないし、俺をこんなに振り回すの君だけだよ?」
「なんか前も…こんな事ありましたね。すみません」
「それで??旨い肉を食べたんだから思ってることは吐き出しなさい」
「…仕事が忙しくてちょっと疲れてしまいまして 津軽さんに…甘えたい気分だったんです」
(ん~、言いたくない…か。)
「そっか」
「はい、気を遣わせてすみませんでした」
「じゃあ一緒にシャワー浴びよう?」
「津軽さんの場合、シャワーだけで終わらないんですよ…」
「キライじゃないくせに」
ぷにぷにほっぺを ツンツンとすれば恋人の顔を覗かせてくれるは もう知っている
呆れたような顔じゃなく、こうやって甘えた顔を見せるのは俺だけの特権にして欲しい
だから優衣との関係を大切に育てて行くために、たくさん話をしていきたい
「むぅ~…掌で転がされてる気がします」
「俺だって、たまには優衣に転がされてみたーい」
「えぇ?一生かけても無理ですね…」
またこうして、イチャイチャで機嫌を取るなんてあまり良くないと思いつつも女の子には効果は絶大で今回は優衣も気持ちがほぐれてるように感じる
何を気にしてるのか…
(いつか話してくれんのかな)
結局お湯をためて やんや言いながら結局二人で手を繋ぎバスルームに消えたのだった
ーーーーー ー ー ー
Side優衣
またイチャイチャな夜を過ごした翌日、私は百瀬さんと外から戻り、今日の捜査状況を纏めるべく残業が待っていた
「昼飯抜きで頭が回らない…!!」
「わっ 瀬戸内くん食べてないの?」
課に入るなり瀬戸内くんの悲痛な声が聞こえてきたと思えば、私のお腹に視線をやる
瀬戸内「吉川先輩は…満腹そうでいいですねっ」
「コンビニで良ければ買ってくるから 待ってて!」
百瀬「おまえ、今 絶対パシられるためにロックオンされてたぞ」
「?いや、でも同じ班の大事な後輩ですから」
瀬戸内「ありがとうございます!じゃあ ついでにコレ警視庁に持って行ってください。先輩!」
百瀬「ほら」
「うん…い、いいんです。私はデキル先輩なんで! さらっと終わらせて戻ってきます。 瀬戸内くんが手を離せないのは事実だし」
書類の入った封筒を持ち、まず警視庁に向かった
目的地は鑑識課。
ここに、忘れかけてたあの人に会うとは夢にも思わずに...。
~鑑識課~
「皆川です。木村は今席を外してますので、私がお預かりします」
木村さんを探していると一人の女性が声をかけてくれた
「あ、ありがっ..とうございます」
この女性、皆川さんとは数回顔を合わせた事があるが挨拶以外で言葉を交わした事はなかった
(元カノ!?!?えぇっ…びっくりしたぁ…)
ニコッと微笑む彼女は写真より大人びていていた
そりゃそうだ 数年前の事だから
(元カノは鑑識官…か…。私より少し年上かな。しかも巨乳…)
お礼を言い封筒を渡すと
「そうだ、津軽警視はお元気ですか?昔お世話になったんです。相変わらず怪しい物を食べてたり…?」
「はい、相変わらず妙なもの食べてます…よくご存知ですね」
(き、気になってるの? 聞きたくないけど、話の流れ上っ!)
「そうなんです。最近は接点がなかったんですが 今回の事件でお役に立てれば幸いです」
「そんなっ情報提供して頂き助かりました」
「あ、ごめんなさい 引き留めてしまって」
「いえ、では木村さんにもよろしく御伝えください」
賑やかに別れたが心臓がバクバクうるさい
警察庁近くのコンビニに向かいながら、この なんとも言えない複雑な気持ち
こんな持っていても仕方ない気持ち…
ぬぐい捨てようと高速早足で歩く
(元カノって事は一旦忘れて、津軽さんに皆川さんの事、一言だけでも報告しないと…)
べつに二人に、" 今 " 何かある訳じゃない事くらい分かってる
でも二人は昔、恋人同士でキスしたり それ以上も...
津軽さんの部屋のあのベッドで?
まさか!彼女のためにあのダブルベッドにした?
妄想は膨らみ普段は津軽さんに出さない嫉妬心は むくむくと大きくなり
パンッ!
…頬を両手で叩いた
「………だめ 職場でしょ…なに考えてんの…」
(こんなに気にするなんて…思わなかったな)
何とか瀬戸内くんのお弁当を買い、コンビニの新商品パクチーミントちょい辛味キャンディーを口に入れた
「…んぶっ…マズ」
気持ちを切り替えながら警察庁に戻ったのだった
ーーーーー ー ー
Side津軽
「ただいま~」
百瀬「津軽さんお疲れ様です」
「モモ早かったね ウサちゃんは?」
百瀬「あいつなら瀬戸内のパシりになって警視庁とコンビニです」
瀬戸内「違いますよーカワイイ後輩のために鑑識課と昼飯を買いに行ったんです」
「あぁ、警視庁の鑑識ね…」
百瀬「……」
瀬戸内「俺だって警視庁まで皆川お姉さまの顔見に行きたかったけど…吉川先輩がどうしても行くって」
百瀬「なにがお姉さまだ 仕事しろ!」
瀬戸内「はーい」
(そっか、ウサが…)
何かが引っ掛かる…ウサの様子がおかしくなった時…確か…
自分のデスクのパソコンの電源を入れながら考える
スマホ…昔の写真...見ててあの頃、付き合ってたのが...皆川だ
付き合った期間は短かったが飲み会にも連れて行ってて、
津軽会…
飲み会の写真!!!
慌ててプライベート用のスマホを取り出し過去の写真を遡る
( ! あ~……やってしまった)
俺のスマホに女の子の写真なんてウサしかいないと思い込んでいたが、マツオが俺のスマホで撮った写真が出てきて思わずに頭を抱えたくなる
「ごめんねー瀬戸内くんお待たせ」
課内にウサのよく通る声が聞こえた
瀬戸内「先輩?顔が…死んでますけど」
「死んでる!?」
いつもの調子で瀬戸内と話してるウサの顔は……確かに死んでいた…。
ーーーーーーー ー ー
Side優衣
瀬戸内くんに死んでると言われた顔は、パクチーミント飴ちょい辛味のせいだろう
(なかなかのお味だった!お陰で気持ちが切り替えられたな)
あとで津軽さんに袋ごとあげようとデスクにしまった
誰も居なくなった課内で残業し、日中出来なかった書類仕事や 今日の報告書をまとめ終わった頃
グゥ~と軽くお腹が鳴る…
早く終わらせたくて夕食を抜いたからだ
(お腹空いた…作るのめんどうだな…コンビニに寄ろう、お弁当残ってるかな…いやカップラーメンでもいい、カップラーメンなら家にあったし)
窓の外に目をやり、強風だな~と思いながら今夜の夕食について思い巡らせていると
スッと津軽さんの気配を感じ振り向く
「あっ…おどかし損ねた」
「ちょ、びっくりはしてますよ。 普通に歩いてきてくださいって言ってるのに」
「終わったんでしょ?一緒に帰ろ 車あるし」
「わあ~、ありがとうございます!ちょうど外の風が強いな~って思ってたんです」
「そこはカレシと帰れて嬉しいじゃないの?」
「…迎えに来てくれて嬉しいです」
なんだか最近はべったり一緒にいるなぁ
これが当たり前になって…
贅沢になって欲張りになり、津軽さんに飽きられない?
ふと覗かせたのは不安な気持ち
こんな風にズブズブに甘やかされたら…
「ほら、行くよ。ウチ来なよ」
手を握られて、軽く引っ張られる
「あ、でも、あの、」
「…なに?」
「やっぱり今日は一人で…かえ」
「話、あるんだ」
「話?」
休憩を取らず この時間まで働いてたと知られたくなくないし
お腹が空きすぎてラーメンモードだし
甘やかされて、逆に心配なんだけど…
一緒がいい…
結局、人目を避けつつ津軽さんの車で送ってもらったのだった
ーーーーーーー ー ー
Side津軽
瀬戸内に顔が死んでると指摘されてたが、やはり皆川に会ったんだろう
警察庁から連れ帰る時の優衣、
(窓の外を見ながら物思いに耽ってた…)
俺の気配に気づいて振り返ったのは流石だか、何となく顔に元気がない
残業だろうがシャキシャキしてる子なのに
きっと気にしてんだよな
一緒に帰るのも断ろうとしたり…。
真面目に話さなければ と、俺の部屋に連れ帰ったが優衣は 心許なさそうにソファーに座った
「お茶飲む?コーヒーがいい?」
「あ……あの」
「ん?」
「じゃあ、お茶お願いします」
二人でお茶を飲みながらソファーに座るが…
さてなんて切り出すか
ほぼほぼ見たくなかった写真を見たのは間違いないが、万が一違ったら、知らなかった元カノ情報を知ってしまう事になる
「津軽さん、話…って何でしょうか?」
「ん~、さっき俺が帰ろって声かけた時、なに考えてた?」
「えっと、なんだったかな?…あ、窓の外の風の強さに外出たくないな、 とかだったかと」
嘘をついてはいないが、何か隠してる。
確定、で間違いないか?
「正直に話しちゃいなよ?ねっ?我慢はよくないからさ」
あまり暗い空気にならないように、さらっと聞くが返ってきたのは
「? …」
少し困惑した顔をしたが、うつ向き 表情が見えずらい
「嫌だった…よな」
「いえ!お茶はホッとします。ただ実は...私 すごく…」
やや噛み合ってないような会話に?ハテナが出たその時ー
グゥ~~
(はっ…??なにソファーの軋む音…では無い)
「うわぁ!す、すみません お腹が空いて限界で!」
「えぇ?何も食べてなかった?残業なら途中で何か食べなよ」
「だ、だってまた、こん詰めてるって心配させたくなくて!課にいる時から何食べようか ずっと考えてたらっラーメンが食べたくて!」
「いやいや、別に…言いなよ。そっか...ラーメンの事考えてたんだ、ラーメン…」
「はい…すみません、せっかく2人きりなのに恋人らしさがなくて...恥ずかしい」
まさか腹を減らしてラーメンの事を考えてた、なんて…ほんと優衣のこと読めないな、俺は。
とりあえずカップラーメンが食べたいと言う彼女に買いだめしてあった、なんの面白みもないカップラーメンを作ってあげる
「あー…おいしい…こんな遅くにラーメンって罪悪感もありますが そこがまた最高」
こんなカップラーメンでも美味しそうにすすってカワイイなーとか、優衣って見てるだけで癒される
「普通あんなデカイ腹の音、なかなか聞けないよね」
「一生の不覚!記憶から抹消してください」
食べ終え水を飲む優衣は、さっきより元気になっている
じゃあ、わざわざ元カノの話なんて出さない方がいいのかも…
見たは…見た、んだと思う
でも蒸し返さなくても昔の事だし、削除してなかった事に意味はないと理解してるだろう
「あの~、津軽さん私、話したい事があって」
「うん?」
ーーーーーーー ー ー
Side優衣
(あの話、しようかな。)
私の恥ずかしいお腹の音だって、笑ってくれてラーメンを作ってくれた。
最近私たちは、いい感じだし。 きっとヤキモチ妬いたって言っても愛想を尽かされない気がする
「あの~津軽さん私、話したい事があって」
「うん?」
「……今日、警視庁の鑑識行ったら皆川さんから津軽さんはお元気ですか?って話になって」
「そうなんだ」
「すみません!実は この前スマホの写真を見ちゃって」
「だよね…そうだと思った」
「故意に見たわけじゃないんです…」
「削除した」
「えっ 別にそこまで…」
ホッとした…という感情は急いで隠した
時間とともに、気持ちに折り合いがついたのは事実だったわけで…
津軽さんの過去に嫉妬心を持つのはキリがない
今、私は愛されてる自覚があるから…
例え相手が可愛くて才女で胸が大きくても!
「優衣、嫌な思いさせてごめんね?」
「そんなっ!勝手に見ちゃって…自爆しただけで…。過去に彼女いるのは、そりゃ理解してますし、でも…」
「でも?」
「結構、妬いちゃうもんですね」
照れ隠しに あははっと笑えば なぜか少し嬉しそうな津軽さんの顔があった
「ふぅーん?そうなんだー、そっか~」
「胸は大きい方が好きなのかな、とか」
「はぁ?」
「わ、私は一応日本人の平均よりはありますよ?一応…」
「君はどう思うわけ?」
「…えーっと…」
「んー?」
「私に...そういうのを求めてない…のは分かります」
「そーゆー事だよ ほら、おいで」
手を伸ばされ抱き締められたのは一瞬のことで、彼の香りに包まれたら…
(100パーセント彼氏!…うん、ここが一番安心する。私だけの場所にしておきたい)
好きと言えなかったあの頃
あと一歩を踏み込めず、でも踏み込みたくて…焦れったい気持ちに恋い焦がれていた
それが今は一人占めできて、抱き締めてもらえて、抱き締められる幸せ。
こんな風に抱き締められて、気持ち良くて脳がとろける寸前になるのなら
ヤキモチも たまにはいいのかも、…なんて。
少し身体が離れ見つめ合う
正直見つめ合うだけで溶けちゃいそうなくらいで…ズルいよ
唇が触れるまで あと…。
後日ーーー
ある日 津軽さんの部屋にお泊まりした朝だった
目を覚ますと広いダブルサイズのベッドで私たちは くっついて寝ていて
と、言うか津軽さんはスマホゲームをしている
(私のベッドがシングルだから その癖で密着?)
「おはよ」
「おはようございます...朝からゲーム…」
「うん、でも…はい、止めたよ?」
「別に止めて欲しくて言ったんじゃ...」
「え?寝顔みてて欲しかった?」
「だから言ってないですっ」
「ちゃんと寝顔を堪能してからゲームしたよ」
「なっ!…って言うかすみません、津軽さんベッドのそんな端に落ちそうになって...」
「あぁ、いいよ 大丈夫」
「だってダブルベッドの意味なくないです?」
「いいじゃん。くっついてたいしー」
「…じゃあなんでダブル買ったん...あ、いや...」
「ん?」
「起きましょうか。パンとご飯どっちがいいですか?」
(危ない危ない、ダブルベッドの購入理由なんて、こんな良い朝に知りたくないよ)
「部屋が広いからさー、1人だけどダブル買っただけ」
「…!…そ、ですか」
「今すっごい安心したでしょー?」
「なんの事ですか、別に気にしてないんで」
(気にしてました!彼女の影響でないのですね!!)
「あっそ、じゃあ ついでに教えると初めて この部屋に入ってベッドに寝た女の子は」
「そこまで聞いてないんですけど!」
「カクテル飲ませたら酔いつぶれちゃって、おんぶしてベッドに寝かせてさー」
「……だから聞いてないしっ」
(知りたくないしっ)
「ちょっと失敗したなって、連れ帰った事をさ。女の子なんだって意識しちゃったから」
「それはワンナイトで終わらなかったってことですか?」
「俺、ソファーで寝たし。ワンナイトどころが数えきれないくらい、このベッドで寝てるよ」
「あのぉ~、フツウ恋人にそんな話しないですよ?」
「ははっ、そう?」
「そうですよ。ダブルベッドは女の子連れ込むためって話します?」
「あははっ にぶちんウサは健在だね」
「はい?にぶちん…」
「月の兎スペシャル」
「あ、えー…だって」
月の兎スペシャルは津軽班に配属されて、私の歓迎会が開かれた時に津軽さんが頼んでくれた特製カクテル
二人にとって思い出のカクテルだ
「おバカさんだね」
「うぅっ…言い返せない」
「ずっと気にしてたの?早く聞けば良かったのに」
「だって、津軽さんなら そういうのも当たり前だろうし」
「ふーん何気に失礼じゃん?」
「だって、だって…そこまで、気にしてなかったんですけど相手の女性の顔をリアルに知ってしまったら複雑な気持ちになって」
「まあねー、昔のことは変えられないけど」
「あっ 否定はしてないですよ」
「うん、ただ言えるのは優衣がこの部屋に初めて入った女の子。優衣だけ」
「お、女の子って歳でもないですけどね」
「あれ~赤くなってる?」
「津軽さんの気のせいです…」
「そういう顔されると素直にさせたくなっちゃうよねー優衣は男心くすぐるの上手いよ」
え?と思って目が合うと、余裕の表情でクスッと笑う彼に覆い被され鎖骨にキスが落とされる
「! ちょっ、仕事行かなきゃいけないんですよ?」
「分かってる…」
分かってると言いながら 首すじにキスを落とし続け ちゅうっと軽く吸われ…感じてしまう
(流されそう…気持ちいい)
津軽さんのモサッとした髪の毛が頬にふわふわ当たり、この行為に流されたくなるが キスで止まれば良いが、今は朝で。エッチなことはできない
「だ、だめですぅ、時間が…」
「うん…」
ついには唇に降ってきたキスを受け入れてしまう
すっかりキスが上手くなった津軽さんの熱量に押されて流されたいけど…でも
「…っん ダメです…こ、ここまで」
「……チっ…」
「舌打ちされたぁ」
「優衣だけだかんね、俺を舌打ちさせる女の子は」
「…はい、スミマセン」
はぁ。と髪をかきあげる姿は色気があって
(好き、津軽さんのこと大好きだなぁ…)
「パン焼こうか?目玉焼きも欲しいよね 優衣はコーヒー淹れて」
…伝えたいって思った
恥ずかしくて言葉にならなかったけど、
津軽さん流の言い回しで愛情を伝えてくれて安心させてくれる優しさに胸がいっぱいで
「10秒頂けますか?」
「ん~、うん?」
ベッドの上で身体を起こしている津軽さんを抱き締めた
私を特別な女の子にしてくれて
(ありがとうございます。ずっと津軽さんを大切にします)
愛ってきっと、この感情なんだな
津軽さんから初めて教えられたものだった。
仕事終わりに 遊びに来た津軽さんの部屋
話の流れで 私と出会う前のフレンズの皆さんとの飲み会、津軽会の写真を見せてもらっていた
「皆さん若いですね~」
「俺も久しぶりに見た 自由に見ててお茶淹れてくる」
「ありがとうございます」
津軽さんのスマホ画面をスワイプした瞬間…
(え! ? こ、これは…!)
居酒屋のような和室に座る阿佐ヶ谷さんと山本さんの隣に可愛い女の子
心臓がドクンっと跳ねたのは、
女の子の隣に座る津軽さんが女の子の肩に腕を回し自分に引き寄せるようにしていたから
(当時の彼女…だよね 可愛い子だなぁ)
フレンズの皆さんの飲み会に居るって事は、きっと一夜限りの女の子じゃないってことで…
小柄で、綺麗っと言うより落ち着いた感じの可愛い子だ。
勝手に色気のある子やモデルみたいな美人が元カノだと思ってたから意外と言うか…
(ふ~ん…。)
これ以上は見るのは よそう
そう思っても 見たくない、見てみたい、二つの気持ちにスワイプしようとする指が迷う
(…あれ? この子、どこかで見たことがある?どこだっけ)
つい無意識でスワイプすると津軽さんと女の子の身体を密着させたツーショットが出てきた
(はい、彼女確定…。)
ーーーーーーーー ー ー
side津軽
「はい、ショウガ紅茶。あれ 写真もう見なくていいの?」
「はい、見せて頂きありがとうございます」
閉じられたスマホはテーブルに置かれていた
まあ、真面目な子だしね
自分のスマホを自由に触らせるなんて優衣が人生で初めてだ
信用してるし全然いいんだけど真面目な彼女は、スッと返してくれていた
「じゃあ優衣の見てる連ドラ見よう、録画してあるから」
「え、わざわざ録画しててくれたんですか?」
「うん、最近は夜は張り込みか、残業でデスクにかじりついてたから、ウチに来た時に見れるように」
「…なんか優しい」
「いやいや、これくらい俺の通常モードだから」
「ふふっありがとうございます!」
優衣の横に座りリモコンを持つと、隣の可愛い彼女の肩を抱いた
びくっ
「その反応は初々しすぎない?なになに取って食いはしないよ」
「なんで…でしょう」
「俺が聞いてんの~」
優衣は、未だによく分からない部分もある
2人きりは久しぶりだから?照れて…る?
顔も身体も緊張してるのは分かるが、なんだろう…嫌な予感がする
こういう " 勘 " は外さない
案の定、終始 優衣は緊張ぎみで
だから抱かずに寝ようとすれば抱きついてきて したいとせがんできた。
珍しく…積極的で あまり夜更かしさせないように…と思ってたのに2人で寝不足になってしまったのだった
ーーーーーーーー ー ー
side優衣
「ふぅー」
カバンをソファーに投げ、スーツのままベッドに沈む
捜査中の事件が大きく動き、明日からは少しだけ余裕ができる。
家に着いてホッとしたからか急にお腹が空いてきた
冷蔵庫の中に何かあったか想いを馳せていると
ピンポーン♪
玄関のチャイムが突然鳴れば、それは
(津軽さん…?)
当たり前のように ただいま~と入って来て、玄関で話すのもなんなので もちろん中に招き入れる
「あの どうかしました?」
「うん、今回の捜査で一役買ったウサに、ご褒美」
「えぇ? いえいえ仕事ですし褒められると怖いですって」
「いらないの?特上牛タン塩弁当」
「その包みは!ほのかに漂うお高いお肉の香り…!頂きます。」
「現金だねーほら口直しにゼリーも買ってきたよ」
「また優しい…」
「ん?お茶持ってくるから座ってて」
勝手知ったる我が家のようにキッチンに消えていく後ろ姿
津軽さんは…私の比じゃなく忙しかった
労いの言葉だけでも嬉しいのに...
なのに、
お弁当を買いに行ってくれて 映えるカワイイゼリーも買って来てくれた
そして今、食事の用意してくれてる
(昨日のこと、やっぱり変に思ってるのかな?)
ヤキモチから積極的になり過ぎたベッドの上
気を遣わせてしまってる
疲れてるだろうに。ほっとく事も出来たのに来てくれた
それは私の事を大事に思ってくれてるからで。
くすぐったい気持ちと後ろめたい気持ちと、完全には消えないヤキモチ
今の彼女は私だし特別だと言ってくれた
今ある私の幸せを大切にしなきゃ…だよ
だいたい…私はどうなの?
写真どころか元カレ本人に遭遇させてるし、行くなと行って欲しくて食事に誘われてると津軽さんに言ったりした。
だけどね、他意はなさそうだけど
なんで写真残してるの?
とか…不毛だ。
ーーーーーーーー ー ー
side津軽
(俺はまた何かやらかしたのか?)
以前、優衣が珍しくご機嫌ナナメだと思い、何かやらかしたのか?と謝ったら、それは優衣の勘違いだった事がある
あれこれお喋りし、率直に聞いてくるこの子が何も言わないなら自分から聞くしかない
優衣とは ずっと仲良くやっていきたいから、分からない事は聞くしかない 。
仕事終わりに急いで某焼き肉店の特上弁当とコンビ新作のゼリーを土産に優衣の家に来た
食べ終えた頃には、俺に気を使ってるようにも見え優衣の中で何か落としどころを見つけようとしてるのを感じる
(こっちから切り出すか)
「食べ終わったなら一緒にお風呂入る?お湯ためてこようかな」
「ん?いえ、今日は疲れたのでシャワーだけにします。って言うかウチに泊まりますか?」
「優衣が素直になるまでは、毎日泊まりにくる」
「それは、どういう…」
「昨日なにかあった?俺なりに考えたけど分からないし、俺をこんなに振り回すの君だけだよ?」
「なんか前も…こんな事ありましたね。すみません」
「それで??旨い肉を食べたんだから思ってることは吐き出しなさい」
「…仕事が忙しくてちょっと疲れてしまいまして 津軽さんに…甘えたい気分だったんです」
(ん~、言いたくない…か。)
「そっか」
「はい、気を遣わせてすみませんでした」
「じゃあ一緒にシャワー浴びよう?」
「津軽さんの場合、シャワーだけで終わらないんですよ…」
「キライじゃないくせに」
ぷにぷにほっぺを ツンツンとすれば恋人の顔を覗かせてくれるは もう知っている
呆れたような顔じゃなく、こうやって甘えた顔を見せるのは俺だけの特権にして欲しい
だから優衣との関係を大切に育てて行くために、たくさん話をしていきたい
「むぅ~…掌で転がされてる気がします」
「俺だって、たまには優衣に転がされてみたーい」
「えぇ?一生かけても無理ですね…」
またこうして、イチャイチャで機嫌を取るなんてあまり良くないと思いつつも女の子には効果は絶大で今回は優衣も気持ちがほぐれてるように感じる
何を気にしてるのか…
(いつか話してくれんのかな)
結局お湯をためて やんや言いながら結局二人で手を繋ぎバスルームに消えたのだった
ーーーーー ー ー ー
Side優衣
またイチャイチャな夜を過ごした翌日、私は百瀬さんと外から戻り、今日の捜査状況を纏めるべく残業が待っていた
「昼飯抜きで頭が回らない…!!」
「わっ 瀬戸内くん食べてないの?」
課に入るなり瀬戸内くんの悲痛な声が聞こえてきたと思えば、私のお腹に視線をやる
瀬戸内「吉川先輩は…満腹そうでいいですねっ」
「コンビニで良ければ買ってくるから 待ってて!」
百瀬「おまえ、今 絶対パシられるためにロックオンされてたぞ」
「?いや、でも同じ班の大事な後輩ですから」
瀬戸内「ありがとうございます!じゃあ ついでにコレ警視庁に持って行ってください。先輩!」
百瀬「ほら」
「うん…い、いいんです。私はデキル先輩なんで! さらっと終わらせて戻ってきます。 瀬戸内くんが手を離せないのは事実だし」
書類の入った封筒を持ち、まず警視庁に向かった
目的地は鑑識課。
ここに、忘れかけてたあの人に会うとは夢にも思わずに...。
~鑑識課~
「皆川です。木村は今席を外してますので、私がお預かりします」
木村さんを探していると一人の女性が声をかけてくれた
「あ、ありがっ..とうございます」
この女性、皆川さんとは数回顔を合わせた事があるが挨拶以外で言葉を交わした事はなかった
(元カノ!?!?えぇっ…びっくりしたぁ…)
ニコッと微笑む彼女は写真より大人びていていた
そりゃそうだ 数年前の事だから
(元カノは鑑識官…か…。私より少し年上かな。しかも巨乳…)
お礼を言い封筒を渡すと
「そうだ、津軽警視はお元気ですか?昔お世話になったんです。相変わらず怪しい物を食べてたり…?」
「はい、相変わらず妙なもの食べてます…よくご存知ですね」
(き、気になってるの? 聞きたくないけど、話の流れ上っ!)
「そうなんです。最近は接点がなかったんですが 今回の事件でお役に立てれば幸いです」
「そんなっ情報提供して頂き助かりました」
「あ、ごめんなさい 引き留めてしまって」
「いえ、では木村さんにもよろしく御伝えください」
賑やかに別れたが心臓がバクバクうるさい
警察庁近くのコンビニに向かいながら、この なんとも言えない複雑な気持ち
こんな持っていても仕方ない気持ち…
ぬぐい捨てようと高速早足で歩く
(元カノって事は一旦忘れて、津軽さんに皆川さんの事、一言だけでも報告しないと…)
べつに二人に、" 今 " 何かある訳じゃない事くらい分かってる
でも二人は昔、恋人同士でキスしたり それ以上も...
津軽さんの部屋のあのベッドで?
まさか!彼女のためにあのダブルベッドにした?
妄想は膨らみ普段は津軽さんに出さない嫉妬心は むくむくと大きくなり
パンッ!
…頬を両手で叩いた
「………だめ 職場でしょ…なに考えてんの…」
(こんなに気にするなんて…思わなかったな)
何とか瀬戸内くんのお弁当を買い、コンビニの新商品パクチーミントちょい辛味キャンディーを口に入れた
「…んぶっ…マズ」
気持ちを切り替えながら警察庁に戻ったのだった
ーーーーー ー ー
Side津軽
「ただいま~」
百瀬「津軽さんお疲れ様です」
「モモ早かったね ウサちゃんは?」
百瀬「あいつなら瀬戸内のパシりになって警視庁とコンビニです」
瀬戸内「違いますよーカワイイ後輩のために鑑識課と昼飯を買いに行ったんです」
「あぁ、警視庁の鑑識ね…」
百瀬「……」
瀬戸内「俺だって警視庁まで皆川お姉さまの顔見に行きたかったけど…吉川先輩がどうしても行くって」
百瀬「なにがお姉さまだ 仕事しろ!」
瀬戸内「はーい」
(そっか、ウサが…)
何かが引っ掛かる…ウサの様子がおかしくなった時…確か…
自分のデスクのパソコンの電源を入れながら考える
スマホ…昔の写真...見ててあの頃、付き合ってたのが...皆川だ
付き合った期間は短かったが飲み会にも連れて行ってて、
津軽会…
飲み会の写真!!!
慌ててプライベート用のスマホを取り出し過去の写真を遡る
( ! あ~……やってしまった)
俺のスマホに女の子の写真なんてウサしかいないと思い込んでいたが、マツオが俺のスマホで撮った写真が出てきて思わずに頭を抱えたくなる
「ごめんねー瀬戸内くんお待たせ」
課内にウサのよく通る声が聞こえた
瀬戸内「先輩?顔が…死んでますけど」
「死んでる!?」
いつもの調子で瀬戸内と話してるウサの顔は……確かに死んでいた…。
ーーーーーーー ー ー
Side優衣
瀬戸内くんに死んでると言われた顔は、パクチーミント飴ちょい辛味のせいだろう
(なかなかのお味だった!お陰で気持ちが切り替えられたな)
あとで津軽さんに袋ごとあげようとデスクにしまった
誰も居なくなった課内で残業し、日中出来なかった書類仕事や 今日の報告書をまとめ終わった頃
グゥ~と軽くお腹が鳴る…
早く終わらせたくて夕食を抜いたからだ
(お腹空いた…作るのめんどうだな…コンビニに寄ろう、お弁当残ってるかな…いやカップラーメンでもいい、カップラーメンなら家にあったし)
窓の外に目をやり、強風だな~と思いながら今夜の夕食について思い巡らせていると
スッと津軽さんの気配を感じ振り向く
「あっ…おどかし損ねた」
「ちょ、びっくりはしてますよ。 普通に歩いてきてくださいって言ってるのに」
「終わったんでしょ?一緒に帰ろ 車あるし」
「わあ~、ありがとうございます!ちょうど外の風が強いな~って思ってたんです」
「そこはカレシと帰れて嬉しいじゃないの?」
「…迎えに来てくれて嬉しいです」
なんだか最近はべったり一緒にいるなぁ
これが当たり前になって…
贅沢になって欲張りになり、津軽さんに飽きられない?
ふと覗かせたのは不安な気持ち
こんな風にズブズブに甘やかされたら…
「ほら、行くよ。ウチ来なよ」
手を握られて、軽く引っ張られる
「あ、でも、あの、」
「…なに?」
「やっぱり今日は一人で…かえ」
「話、あるんだ」
「話?」
休憩を取らず この時間まで働いてたと知られたくなくないし
お腹が空きすぎてラーメンモードだし
甘やかされて、逆に心配なんだけど…
一緒がいい…
結局、人目を避けつつ津軽さんの車で送ってもらったのだった
ーーーーーーー ー ー
Side津軽
瀬戸内に顔が死んでると指摘されてたが、やはり皆川に会ったんだろう
警察庁から連れ帰る時の優衣、
(窓の外を見ながら物思いに耽ってた…)
俺の気配に気づいて振り返ったのは流石だか、何となく顔に元気がない
残業だろうがシャキシャキしてる子なのに
きっと気にしてんだよな
一緒に帰るのも断ろうとしたり…。
真面目に話さなければ と、俺の部屋に連れ帰ったが優衣は 心許なさそうにソファーに座った
「お茶飲む?コーヒーがいい?」
「あ……あの」
「ん?」
「じゃあ、お茶お願いします」
二人でお茶を飲みながらソファーに座るが…
さてなんて切り出すか
ほぼほぼ見たくなかった写真を見たのは間違いないが、万が一違ったら、知らなかった元カノ情報を知ってしまう事になる
「津軽さん、話…って何でしょうか?」
「ん~、さっき俺が帰ろって声かけた時、なに考えてた?」
「えっと、なんだったかな?…あ、窓の外の風の強さに外出たくないな、 とかだったかと」
嘘をついてはいないが、何か隠してる。
確定、で間違いないか?
「正直に話しちゃいなよ?ねっ?我慢はよくないからさ」
あまり暗い空気にならないように、さらっと聞くが返ってきたのは
「? …」
少し困惑した顔をしたが、うつ向き 表情が見えずらい
「嫌だった…よな」
「いえ!お茶はホッとします。ただ実は...私 すごく…」
やや噛み合ってないような会話に?ハテナが出たその時ー
グゥ~~
(はっ…??なにソファーの軋む音…では無い)
「うわぁ!す、すみません お腹が空いて限界で!」
「えぇ?何も食べてなかった?残業なら途中で何か食べなよ」
「だ、だってまた、こん詰めてるって心配させたくなくて!課にいる時から何食べようか ずっと考えてたらっラーメンが食べたくて!」
「いやいや、別に…言いなよ。そっか...ラーメンの事考えてたんだ、ラーメン…」
「はい…すみません、せっかく2人きりなのに恋人らしさがなくて...恥ずかしい」
まさか腹を減らしてラーメンの事を考えてた、なんて…ほんと優衣のこと読めないな、俺は。
とりあえずカップラーメンが食べたいと言う彼女に買いだめしてあった、なんの面白みもないカップラーメンを作ってあげる
「あー…おいしい…こんな遅くにラーメンって罪悪感もありますが そこがまた最高」
こんなカップラーメンでも美味しそうにすすってカワイイなーとか、優衣って見てるだけで癒される
「普通あんなデカイ腹の音、なかなか聞けないよね」
「一生の不覚!記憶から抹消してください」
食べ終え水を飲む優衣は、さっきより元気になっている
じゃあ、わざわざ元カノの話なんて出さない方がいいのかも…
見たは…見た、んだと思う
でも蒸し返さなくても昔の事だし、削除してなかった事に意味はないと理解してるだろう
「あの~、津軽さん私、話したい事があって」
「うん?」
ーーーーーーー ー ー
Side優衣
(あの話、しようかな。)
私の恥ずかしいお腹の音だって、笑ってくれてラーメンを作ってくれた。
最近私たちは、いい感じだし。 きっとヤキモチ妬いたって言っても愛想を尽かされない気がする
「あの~津軽さん私、話したい事があって」
「うん?」
「……今日、警視庁の鑑識行ったら皆川さんから津軽さんはお元気ですか?って話になって」
「そうなんだ」
「すみません!実は この前スマホの写真を見ちゃって」
「だよね…そうだと思った」
「故意に見たわけじゃないんです…」
「削除した」
「えっ 別にそこまで…」
ホッとした…という感情は急いで隠した
時間とともに、気持ちに折り合いがついたのは事実だったわけで…
津軽さんの過去に嫉妬心を持つのはキリがない
今、私は愛されてる自覚があるから…
例え相手が可愛くて才女で胸が大きくても!
「優衣、嫌な思いさせてごめんね?」
「そんなっ!勝手に見ちゃって…自爆しただけで…。過去に彼女いるのは、そりゃ理解してますし、でも…」
「でも?」
「結構、妬いちゃうもんですね」
照れ隠しに あははっと笑えば なぜか少し嬉しそうな津軽さんの顔があった
「ふぅーん?そうなんだー、そっか~」
「胸は大きい方が好きなのかな、とか」
「はぁ?」
「わ、私は一応日本人の平均よりはありますよ?一応…」
「君はどう思うわけ?」
「…えーっと…」
「んー?」
「私に...そういうのを求めてない…のは分かります」
「そーゆー事だよ ほら、おいで」
手を伸ばされ抱き締められたのは一瞬のことで、彼の香りに包まれたら…
(100パーセント彼氏!…うん、ここが一番安心する。私だけの場所にしておきたい)
好きと言えなかったあの頃
あと一歩を踏み込めず、でも踏み込みたくて…焦れったい気持ちに恋い焦がれていた
それが今は一人占めできて、抱き締めてもらえて、抱き締められる幸せ。
こんな風に抱き締められて、気持ち良くて脳がとろける寸前になるのなら
ヤキモチも たまにはいいのかも、…なんて。
少し身体が離れ見つめ合う
正直見つめ合うだけで溶けちゃいそうなくらいで…ズルいよ
唇が触れるまで あと…。
後日ーーー
ある日 津軽さんの部屋にお泊まりした朝だった
目を覚ますと広いダブルサイズのベッドで私たちは くっついて寝ていて
と、言うか津軽さんはスマホゲームをしている
(私のベッドがシングルだから その癖で密着?)
「おはよ」
「おはようございます...朝からゲーム…」
「うん、でも…はい、止めたよ?」
「別に止めて欲しくて言ったんじゃ...」
「え?寝顔みてて欲しかった?」
「だから言ってないですっ」
「ちゃんと寝顔を堪能してからゲームしたよ」
「なっ!…って言うかすみません、津軽さんベッドのそんな端に落ちそうになって...」
「あぁ、いいよ 大丈夫」
「だってダブルベッドの意味なくないです?」
「いいじゃん。くっついてたいしー」
「…じゃあなんでダブル買ったん...あ、いや...」
「ん?」
「起きましょうか。パンとご飯どっちがいいですか?」
(危ない危ない、ダブルベッドの購入理由なんて、こんな良い朝に知りたくないよ)
「部屋が広いからさー、1人だけどダブル買っただけ」
「…!…そ、ですか」
「今すっごい安心したでしょー?」
「なんの事ですか、別に気にしてないんで」
(気にしてました!彼女の影響でないのですね!!)
「あっそ、じゃあ ついでに教えると初めて この部屋に入ってベッドに寝た女の子は」
「そこまで聞いてないんですけど!」
「カクテル飲ませたら酔いつぶれちゃって、おんぶしてベッドに寝かせてさー」
「……だから聞いてないしっ」
(知りたくないしっ)
「ちょっと失敗したなって、連れ帰った事をさ。女の子なんだって意識しちゃったから」
「それはワンナイトで終わらなかったってことですか?」
「俺、ソファーで寝たし。ワンナイトどころが数えきれないくらい、このベッドで寝てるよ」
「あのぉ~、フツウ恋人にそんな話しないですよ?」
「ははっ、そう?」
「そうですよ。ダブルベッドは女の子連れ込むためって話します?」
「あははっ にぶちんウサは健在だね」
「はい?にぶちん…」
「月の兎スペシャル」
「あ、えー…だって」
月の兎スペシャルは津軽班に配属されて、私の歓迎会が開かれた時に津軽さんが頼んでくれた特製カクテル
二人にとって思い出のカクテルだ
「おバカさんだね」
「うぅっ…言い返せない」
「ずっと気にしてたの?早く聞けば良かったのに」
「だって、津軽さんなら そういうのも当たり前だろうし」
「ふーん何気に失礼じゃん?」
「だって、だって…そこまで、気にしてなかったんですけど相手の女性の顔をリアルに知ってしまったら複雑な気持ちになって」
「まあねー、昔のことは変えられないけど」
「あっ 否定はしてないですよ」
「うん、ただ言えるのは優衣がこの部屋に初めて入った女の子。優衣だけ」
「お、女の子って歳でもないですけどね」
「あれ~赤くなってる?」
「津軽さんの気のせいです…」
「そういう顔されると素直にさせたくなっちゃうよねー優衣は男心くすぐるの上手いよ」
え?と思って目が合うと、余裕の表情でクスッと笑う彼に覆い被され鎖骨にキスが落とされる
「! ちょっ、仕事行かなきゃいけないんですよ?」
「分かってる…」
分かってると言いながら 首すじにキスを落とし続け ちゅうっと軽く吸われ…感じてしまう
(流されそう…気持ちいい)
津軽さんのモサッとした髪の毛が頬にふわふわ当たり、この行為に流されたくなるが キスで止まれば良いが、今は朝で。エッチなことはできない
「だ、だめですぅ、時間が…」
「うん…」
ついには唇に降ってきたキスを受け入れてしまう
すっかりキスが上手くなった津軽さんの熱量に押されて流されたいけど…でも
「…っん ダメです…こ、ここまで」
「……チっ…」
「舌打ちされたぁ」
「優衣だけだかんね、俺を舌打ちさせる女の子は」
「…はい、スミマセン」
はぁ。と髪をかきあげる姿は色気があって
(好き、津軽さんのこと大好きだなぁ…)
「パン焼こうか?目玉焼きも欲しいよね 優衣はコーヒー淹れて」
…伝えたいって思った
恥ずかしくて言葉にならなかったけど、
津軽さん流の言い回しで愛情を伝えてくれて安心させてくれる優しさに胸がいっぱいで
「10秒頂けますか?」
「ん~、うん?」
ベッドの上で身体を起こしている津軽さんを抱き締めた
私を特別な女の子にしてくれて
(ありがとうございます。ずっと津軽さんを大切にします)
愛ってきっと、この感情なんだな
津軽さんから初めて教えられたものだった。
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