彼氏観察日記~名実ともにカレシです~
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「…あ、こんな所に」
公休の日、津軽さんの部屋を掃除していたら、ふいに見つけてしまったな
取扱い説明書などが入った引き出しを開けて、新たに買った掃除機の説明書をしまおうとしたら 見覚えのある日記が入っていた
鍵付きの日記帳で付き合う前に 私が津軽さん観察日記をつけて没収されていた
懐かしさで開いて見ると
「…………。うわ、なにこれ!見返すと津軽さん大好き全快では!」
でも恋する乙女のすることだ。
恥ずかしいけど それが恋なら否定する必要は無い。
それが真実の気持ちだったから。
あの時は彼氏じゃないから津軽さん観察日記と呼んでいたけど
今は名実共にに彼氏です!
白紙のページがだいぶ残っている
「………。やっちゃう?こっそりと」
それはちょっとしたイタズラ心
肝心の家主は、休日出勤で夕方に帰宅予定
とりあえず今日は引き出しに戻して…っと。
彼氏観察日記始めます!
ーーーーーー ー ー
『疲れた顔をして帰宅。上層部との会議が長引き、げんなりしたとの事。疲れていてるからこそ、後ろ姿に色気を感じるのは何故だろう。ソファーで膝枕をリクエストされ、少し愚痴をこぼしてくれた』
よし、こんなもんかな。彼がお風呂に入って間に こっそりと書いた
お泊まりに来た日は なるべく書こう。何年か先に二人で見られたら面白いかも。
津軽さんも こんな引き出しに入れて忘れてるんだろうな
お風呂から上がってくる前にそっと引き出しを閉めた
ーーーーーー ー ー
『明日から津軽さんは出張です。期間は分からない。だから津軽さんの部屋にお邪魔しています。やたら触ってくるし隙あらばキスしてくる。津軽さんも寂しいって思ってくれてるんだと感じました。かわいい。怪我せず無事に帰って来てくださいね。』
ーーーーーー ー ー
『出張は一週間で終わりました。電話もlineも できなくてキツいなと私は感じたんだけど 飄々とした態度の津軽さんからは寂しかったか、よく分からない。仕事だからそれが正しい対応だけど私の方がずっと 沢山好き なんだろうな。津軽さんのお土産はリンゴのラー油漬けでした』
ーーーーーー ー ー
『お昼ご飯は津軽さんと百瀬さんと三人で食堂で食べました。二人はしょうが焼き定食、私は親子丼。親子丼なら横取りされないと思ったら津軽さんに少し食べられました。その時 百瀬さんに睨まれたのは納得できない。津軽さんから私と百瀬さんは 手のひらにある 消化を良くするツボ とやらを押してもらいました。本当かな?』
ーーーーーー ー ー
『観察しようと見るからか、必ず目が合います。
真面目にデスクに向かいパソコンを見ている津軽さんは格好いい。黙ってると本当に完璧です。永遠に見ていたい。
オヤツのピクルスキャンディを私、百瀬さん、課内にいた津軽班員はお口に入れられました。津軽さんの最近のお気に入りです。』
ーーーーーー ー ー
『気になる事がありました。総務の女性がよく津軽さんに会いに来ます。何か貰ってたり話をするだけだったり。昨日の夜その女性と二人で会社の近くを歩いてました。私には仕事と言ってたのに。今日はその事を聞きたくてお邪魔してるけどまだ聞けてません』
ーーーーーー ー ー
『あぁ、喧嘩してしまいました。例の女性の事で、です。また二人で話をしてたので つい嫌味っぽく仲良すぎと言ってしまいました。その女性と距離を取ると言ってくれたんだから、苛ついたこと謝らなきゃ。それとも私 帰った方が良いのかな?ごめんなさい。イヤな言い方をしてしまって。愛してます』
ふぅ
今書いた観察日記を読み返すと、また観察じゃなくただの日記なってるし。
愛してるって、書いてしまった…
ま、暫くは見られないし…いっか!
私はあの女性にイラっとしてて、津軽さんは私が元教官方に可愛がられてるのを我慢してるって苛立って、嫉妬しあっての喧嘩だった
日記を閉じて引き出しにしまう
バスルームからシャワーの音がしないから もうすぐ来るだろう
喧嘩したままは嫌だから、自分の部屋に帰らずにいるけど いたの? って顔されたらショックだな
身構えながらソファーで何となくテレビ見てました風にしている
「優衣、シャワー浴びなー?」
現れた津軽さんは、さっきのイラっとした態度は無くいつも通りの ゆっくりした柔らかい口調
「……はい」
ほっとした
帰らなくても よかったみたい
「あのドラマ配信になってるから上がったら見よう」
「はい、じゃあシャワーお借りします」
なんでもない空気にしてくれて
大人の対応しちゃって…ほんと…
だから好きになっちゃうんだよね
シャワーを借りながら 大人の対応をしてきた津軽さんについても 日記に書きたかったと思い 夜中にこっそり書き足そうと 決意したのだった
ーーーーーー ー ー
上がるとおつまみとワインが用意されていた
「う、うわぁ、津軽さんお手製のおつまみですね、あ、ありがとうございます」
言葉に表しにくい津軽さんらしい、美味しいのか気絶モノなのか分からない珍味が作られていた
意外に美味しいの時があるから 侮れない
「優衣が入り浸るようになってから、冷蔵庫の中身が豊富だし、色々と作れるよね」
「入り浸る…って」
確かに付き合い初めより、来やすくなって、いる事が多いけど
「嬉しいってことじゃん。それに、それが当たり前って思っちゃ駄目だよな」
「え?」
「風呂から出てきて 優衣が帰ってたらどうしようって心配だった。帰んないでくれて良かった」
「わ、私も…! 帰れって思われてたら どうしようって心配してました」
「じゃあさ、お互いに この選択で良かったってことだ」
「待ってください! さっきは突っ掛かってしまい、すみませんでした」
頭を深々下げ謝罪した。
なあなあで終わらせる事も出来たけど 真剣なお付き合いをしていきたいから、これからも。
自分の至らない心からきた嫉妬
イライラした言い方は甘えて無かった事にしてはいけなかった
キョトンとした顔で少しフリーズしたのち
「優衣さん、まあまあ こっちに来なさい」
「…?はい…」
ソファーの隣に座り津軽さんを見上げる
「…怒ってないし、これで仲直り」
「んっ」
ふにゃっと唇を押し当てられる
「ジェラシーでメラメラしてる顔もいいねって言ったら怒る?」
「メラメラって……、だって一緒に歩いてたのは偶然だったと言われても、あの女性めちゃめちゃ津軽さんを狙ってるので…ちょっとは警戒してくださいって思ったんです」
「俺が食べられるとでも?」
「いえ、それは津軽さん拒否するの分かっていますから…」
「え~??なんで分かるのさ~」
「だって津軽さんは私の事が大好きですから。裏切らないの分かる…ので…」
…しまった
つい、言うつもり無かった本音を言って視界にアネモネが入る
アネモネのせい!?
くっ……自信満々なのを馬鹿にされるかな…
自意識過剰とか言われる?
「………」
「今のは…」
「あながち…見当外れでもない、かも知れないかも たぶん」
「んん??あ…はい、ですよね、あははっ…」
「気まずいし、ワインでも飲もうか?」
「ですね…」
「この後、仲直りえっちする?」
「なっ!唐突にそーゆー事…言わないでくださいよ」
「だって了承は必要でしょ?」
「……承諾致しました…」
「だろうね」
「……」
「楽しみにし過ぎて飲みすぎないでね」
「……」
「無視してる?期待してるクセに…優衣さーん?」
「……」
「イチャイチャしとく?」
するっと手を握られれば、冷たい手も甘く柔らかいものに感じるから恋は憎たらしくて、大切で
「勘弁してくださいよ 私を辱しめて遊ぶのは …」
「えぇ?この後、思いきり辱しめてあげるのに?」
「しつこ…」
楽しみにしていた配信のドラマが話し半分で、無駄にドキドキして終わったのは言うまでもない
ーーーーーー ー ー
目が覚めると朝で、身体の違和感が消えてなくて羞恥心に襲われる
辱しめるとか言ってたのに、凄く優しくて満たしてくれるとか…何なのまったく…
隣に津軽さんはもういなくて、キッチンから音がするから朝ごはんを用意してくれてると思うと余計に嬉しくて…
観察日記に追加を書くのを忘れていたな…そんな事を考えながらキッチンに行くと
「おはようございます」
「おはよ~朝食できてるよ」
「ありがとうございます!」
カウンターにあるお皿には、出来立ての目玉焼きとベーコンと………日記…
「日記!!!?」
2度見したキッチンのカウンターには 何故かあの日記が 置いてある
「寝起き大声大会で優勝する気?」
「それ…!その日記帳…見るの久しぶりだなって」
「無いんだよね~鍵」
「あぁ……無くしちゃったんですか?」
「うん、盗まれたみたい」
「えっ大変ですね。私は顔を洗ったら朝食頂こうかな」
「かーぎ…出してよ?」
笑顔で小首を傾げるこの仕草に対抗はできない
「…分かりました… いつから気がついてたんですか?」
「さっきまで知らなかったよ」
「どうして…今さら読もうなんて?」
「ん?気まぐれ?」
朝から?気まぐれで日記を見ようと思うかな
私が書き足した日記を読まれないために、一応鍵は私が持っていた
「どうぞ…出来れば数年後、笑い話になる頃に一緒に読みたかったんですが」
「まぁまぁ、諦めなさい」
「1ヶ月もせず、気づかれるなんて…」
書き足した日記を見られてる間に、洗面所を使い戻って来ると
「恥ずかしいので感想なしでお願いします」
座りながらテーブルに置かれ鍵付き日記帳に目を落とす
「感想なら書いておいたよ」
「えっ!見たいような……やっぱり見たいです」
「感想いらないとか言ったくせに~」
「直筆となると、違いますよ。見ても良いですか?」
「ダメ」
「言うと思いました」
「今度、一緒に見返そう。優衣が還暦を迎えたら御祝いに」
還暦?? 遠い!!
でも それくらい一緒にいるって事で…
こうして、私達の未来を見てくれるようになった変化は嬉しいものだった
自分の人生を諦めてた津軽さんが還暦の約束をしてくれた
ロマンティックでないようで…
津軽さんなりの、私への将来の約束
それは二人の中ではロマンティックと思える……かもしれない
「還暦まで、私と いたいですか?」
「優衣こそ?」
「…いたいですよ…日記は楽しみに取っておきますね。って言うか津軽さん、私の書いた日記をたまに読み返してたんですね」
「なんで?俺くらいになると優衣の気配で、何かやってるって察するんだよ」
「そういう事にしておきましょう。でも、もう日記つけられないのは残念かも」
楽しみな時間だったし、津軽さんへの気持ちを整理することも出来た
こうして、また1つ二人だけの思い出が出来たのも嬉しい
「…しちゃう?」
「えっ?」
「交換日記」
「………。」
「お互いのデスクの引き出しに こっそり入れて置くの。スリルあるじゃん」
「…悪くない…かも」
「マジ?」
「現実は 百瀬さんに即バレて、私が詰め寄られてお尻を蹴られる予測ができますね…」
「仲良しで妬いちゃうんだけど」
「仲良しとは言わない気がしますが、前よりは百瀬さんを分かってるし好きになったと思います」
「えー…モモの方が好き?」
朝食を食べながら、だらっとする会話、私が60歳になっても続いていていくのかな?
だったらいいな…。きっとずっと あなたが好きなんだもん
「津軽さんが好き…」
「…足りない」
「大好きです」
「もっと」
「…愛してます」
「………」
「なにか言ってくださいよ…」
「真っ直ぐ過ぎて、俺には勿体無い子だなって」
「普段、周りから "え~ あれが彼女?" って言われたり、見られたりしてるの私の方ですが?」
「あ、そろそろ時間なくなるよ 遅刻する」
「話をそらされた…」
愛してるって、言ったんだから何か答えて欲しいけど、津軽さんなら言わないんだろうな……
いつか言わせてやる!!
なんとなく日記に目をやると
「これは俺がずっと保管しておくからね」
「はい、大切にしておいて下さいよ。愛してるなんて書いてあるんですから」
照れ隠しで、あえて意地悪に言ってみた
「大切にするよ」
真っ直ぐこっちを見て言うもんだから
心音が耳の奥に激しく聞こえて うるさい
まるで私を大切にするって言われたみたいに感じたんですけど...?
「…あの」
津軽さん赤くなってない…!?
「日記隠してこよーっと」
さっと背中を向けて行ってしまう後ろ姿に、ドキドキが収まらない
私だって顔も耳も赤くなって熱い
「何なんですか、何なんですか…」
愛してるの答えは
大切にすると言ってくれた言葉
あとは津軽さんが日記に書いてくれた言葉
遠い未来の私達は、彼氏観察日記をどんな顔で読むのかな?
胸が温かいのは彼氏のせいだ。
公休の日、津軽さんの部屋を掃除していたら、ふいに見つけてしまったな
取扱い説明書などが入った引き出しを開けて、新たに買った掃除機の説明書をしまおうとしたら 見覚えのある日記が入っていた
鍵付きの日記帳で付き合う前に 私が津軽さん観察日記をつけて没収されていた
懐かしさで開いて見ると
「…………。うわ、なにこれ!見返すと津軽さん大好き全快では!」
でも恋する乙女のすることだ。
恥ずかしいけど それが恋なら否定する必要は無い。
それが真実の気持ちだったから。
あの時は彼氏じゃないから津軽さん観察日記と呼んでいたけど
今は名実共にに彼氏です!
白紙のページがだいぶ残っている
「………。やっちゃう?こっそりと」
それはちょっとしたイタズラ心
肝心の家主は、休日出勤で夕方に帰宅予定
とりあえず今日は引き出しに戻して…っと。
彼氏観察日記始めます!
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『疲れた顔をして帰宅。上層部との会議が長引き、げんなりしたとの事。疲れていてるからこそ、後ろ姿に色気を感じるのは何故だろう。ソファーで膝枕をリクエストされ、少し愚痴をこぼしてくれた』
よし、こんなもんかな。彼がお風呂に入って間に こっそりと書いた
お泊まりに来た日は なるべく書こう。何年か先に二人で見られたら面白いかも。
津軽さんも こんな引き出しに入れて忘れてるんだろうな
お風呂から上がってくる前にそっと引き出しを閉めた
ーーーーーー ー ー
『明日から津軽さんは出張です。期間は分からない。だから津軽さんの部屋にお邪魔しています。やたら触ってくるし隙あらばキスしてくる。津軽さんも寂しいって思ってくれてるんだと感じました。かわいい。怪我せず無事に帰って来てくださいね。』
ーーーーーー ー ー
『出張は一週間で終わりました。電話もlineも できなくてキツいなと私は感じたんだけど 飄々とした態度の津軽さんからは寂しかったか、よく分からない。仕事だからそれが正しい対応だけど私の方がずっと 沢山好き なんだろうな。津軽さんのお土産はリンゴのラー油漬けでした』
ーーーーーー ー ー
『お昼ご飯は津軽さんと百瀬さんと三人で食堂で食べました。二人はしょうが焼き定食、私は親子丼。親子丼なら横取りされないと思ったら津軽さんに少し食べられました。その時 百瀬さんに睨まれたのは納得できない。津軽さんから私と百瀬さんは 手のひらにある 消化を良くするツボ とやらを押してもらいました。本当かな?』
ーーーーーー ー ー
『観察しようと見るからか、必ず目が合います。
真面目にデスクに向かいパソコンを見ている津軽さんは格好いい。黙ってると本当に完璧です。永遠に見ていたい。
オヤツのピクルスキャンディを私、百瀬さん、課内にいた津軽班員はお口に入れられました。津軽さんの最近のお気に入りです。』
ーーーーーー ー ー
『気になる事がありました。総務の女性がよく津軽さんに会いに来ます。何か貰ってたり話をするだけだったり。昨日の夜その女性と二人で会社の近くを歩いてました。私には仕事と言ってたのに。今日はその事を聞きたくてお邪魔してるけどまだ聞けてません』
ーーーーーー ー ー
『あぁ、喧嘩してしまいました。例の女性の事で、です。また二人で話をしてたので つい嫌味っぽく仲良すぎと言ってしまいました。その女性と距離を取ると言ってくれたんだから、苛ついたこと謝らなきゃ。それとも私 帰った方が良いのかな?ごめんなさい。イヤな言い方をしてしまって。愛してます』
ふぅ
今書いた観察日記を読み返すと、また観察じゃなくただの日記なってるし。
愛してるって、書いてしまった…
ま、暫くは見られないし…いっか!
私はあの女性にイラっとしてて、津軽さんは私が元教官方に可愛がられてるのを我慢してるって苛立って、嫉妬しあっての喧嘩だった
日記を閉じて引き出しにしまう
バスルームからシャワーの音がしないから もうすぐ来るだろう
喧嘩したままは嫌だから、自分の部屋に帰らずにいるけど いたの? って顔されたらショックだな
身構えながらソファーで何となくテレビ見てました風にしている
「優衣、シャワー浴びなー?」
現れた津軽さんは、さっきのイラっとした態度は無くいつも通りの ゆっくりした柔らかい口調
「……はい」
ほっとした
帰らなくても よかったみたい
「あのドラマ配信になってるから上がったら見よう」
「はい、じゃあシャワーお借りします」
なんでもない空気にしてくれて
大人の対応しちゃって…ほんと…
だから好きになっちゃうんだよね
シャワーを借りながら 大人の対応をしてきた津軽さんについても 日記に書きたかったと思い 夜中にこっそり書き足そうと 決意したのだった
ーーーーーー ー ー
上がるとおつまみとワインが用意されていた
「う、うわぁ、津軽さんお手製のおつまみですね、あ、ありがとうございます」
言葉に表しにくい津軽さんらしい、美味しいのか気絶モノなのか分からない珍味が作られていた
意外に美味しいの時があるから 侮れない
「優衣が入り浸るようになってから、冷蔵庫の中身が豊富だし、色々と作れるよね」
「入り浸る…って」
確かに付き合い初めより、来やすくなって、いる事が多いけど
「嬉しいってことじゃん。それに、それが当たり前って思っちゃ駄目だよな」
「え?」
「風呂から出てきて 優衣が帰ってたらどうしようって心配だった。帰んないでくれて良かった」
「わ、私も…! 帰れって思われてたら どうしようって心配してました」
「じゃあさ、お互いに この選択で良かったってことだ」
「待ってください! さっきは突っ掛かってしまい、すみませんでした」
頭を深々下げ謝罪した。
なあなあで終わらせる事も出来たけど 真剣なお付き合いをしていきたいから、これからも。
自分の至らない心からきた嫉妬
イライラした言い方は甘えて無かった事にしてはいけなかった
キョトンとした顔で少しフリーズしたのち
「優衣さん、まあまあ こっちに来なさい」
「…?はい…」
ソファーの隣に座り津軽さんを見上げる
「…怒ってないし、これで仲直り」
「んっ」
ふにゃっと唇を押し当てられる
「ジェラシーでメラメラしてる顔もいいねって言ったら怒る?」
「メラメラって……、だって一緒に歩いてたのは偶然だったと言われても、あの女性めちゃめちゃ津軽さんを狙ってるので…ちょっとは警戒してくださいって思ったんです」
「俺が食べられるとでも?」
「いえ、それは津軽さん拒否するの分かっていますから…」
「え~??なんで分かるのさ~」
「だって津軽さんは私の事が大好きですから。裏切らないの分かる…ので…」
…しまった
つい、言うつもり無かった本音を言って視界にアネモネが入る
アネモネのせい!?
くっ……自信満々なのを馬鹿にされるかな…
自意識過剰とか言われる?
「………」
「今のは…」
「あながち…見当外れでもない、かも知れないかも たぶん」
「んん??あ…はい、ですよね、あははっ…」
「気まずいし、ワインでも飲もうか?」
「ですね…」
「この後、仲直りえっちする?」
「なっ!唐突にそーゆー事…言わないでくださいよ」
「だって了承は必要でしょ?」
「……承諾致しました…」
「だろうね」
「……」
「楽しみにし過ぎて飲みすぎないでね」
「……」
「無視してる?期待してるクセに…優衣さーん?」
「……」
「イチャイチャしとく?」
するっと手を握られれば、冷たい手も甘く柔らかいものに感じるから恋は憎たらしくて、大切で
「勘弁してくださいよ 私を辱しめて遊ぶのは …」
「えぇ?この後、思いきり辱しめてあげるのに?」
「しつこ…」
楽しみにしていた配信のドラマが話し半分で、無駄にドキドキして終わったのは言うまでもない
ーーーーーー ー ー
目が覚めると朝で、身体の違和感が消えてなくて羞恥心に襲われる
辱しめるとか言ってたのに、凄く優しくて満たしてくれるとか…何なのまったく…
隣に津軽さんはもういなくて、キッチンから音がするから朝ごはんを用意してくれてると思うと余計に嬉しくて…
観察日記に追加を書くのを忘れていたな…そんな事を考えながらキッチンに行くと
「おはようございます」
「おはよ~朝食できてるよ」
「ありがとうございます!」
カウンターにあるお皿には、出来立ての目玉焼きとベーコンと………日記…
「日記!!!?」
2度見したキッチンのカウンターには 何故かあの日記が 置いてある
「寝起き大声大会で優勝する気?」
「それ…!その日記帳…見るの久しぶりだなって」
「無いんだよね~鍵」
「あぁ……無くしちゃったんですか?」
「うん、盗まれたみたい」
「えっ大変ですね。私は顔を洗ったら朝食頂こうかな」
「かーぎ…出してよ?」
笑顔で小首を傾げるこの仕草に対抗はできない
「…分かりました… いつから気がついてたんですか?」
「さっきまで知らなかったよ」
「どうして…今さら読もうなんて?」
「ん?気まぐれ?」
朝から?気まぐれで日記を見ようと思うかな
私が書き足した日記を読まれないために、一応鍵は私が持っていた
「どうぞ…出来れば数年後、笑い話になる頃に一緒に読みたかったんですが」
「まぁまぁ、諦めなさい」
「1ヶ月もせず、気づかれるなんて…」
書き足した日記を見られてる間に、洗面所を使い戻って来ると
「恥ずかしいので感想なしでお願いします」
座りながらテーブルに置かれ鍵付き日記帳に目を落とす
「感想なら書いておいたよ」
「えっ!見たいような……やっぱり見たいです」
「感想いらないとか言ったくせに~」
「直筆となると、違いますよ。見ても良いですか?」
「ダメ」
「言うと思いました」
「今度、一緒に見返そう。優衣が還暦を迎えたら御祝いに」
還暦?? 遠い!!
でも それくらい一緒にいるって事で…
こうして、私達の未来を見てくれるようになった変化は嬉しいものだった
自分の人生を諦めてた津軽さんが還暦の約束をしてくれた
ロマンティックでないようで…
津軽さんなりの、私への将来の約束
それは二人の中ではロマンティックと思える……かもしれない
「還暦まで、私と いたいですか?」
「優衣こそ?」
「…いたいですよ…日記は楽しみに取っておきますね。って言うか津軽さん、私の書いた日記をたまに読み返してたんですね」
「なんで?俺くらいになると優衣の気配で、何かやってるって察するんだよ」
「そういう事にしておきましょう。でも、もう日記つけられないのは残念かも」
楽しみな時間だったし、津軽さんへの気持ちを整理することも出来た
こうして、また1つ二人だけの思い出が出来たのも嬉しい
「…しちゃう?」
「えっ?」
「交換日記」
「………。」
「お互いのデスクの引き出しに こっそり入れて置くの。スリルあるじゃん」
「…悪くない…かも」
「マジ?」
「現実は 百瀬さんに即バレて、私が詰め寄られてお尻を蹴られる予測ができますね…」
「仲良しで妬いちゃうんだけど」
「仲良しとは言わない気がしますが、前よりは百瀬さんを分かってるし好きになったと思います」
「えー…モモの方が好き?」
朝食を食べながら、だらっとする会話、私が60歳になっても続いていていくのかな?
だったらいいな…。きっとずっと あなたが好きなんだもん
「津軽さんが好き…」
「…足りない」
「大好きです」
「もっと」
「…愛してます」
「………」
「なにか言ってくださいよ…」
「真っ直ぐ過ぎて、俺には勿体無い子だなって」
「普段、周りから "え~ あれが彼女?" って言われたり、見られたりしてるの私の方ですが?」
「あ、そろそろ時間なくなるよ 遅刻する」
「話をそらされた…」
愛してるって、言ったんだから何か答えて欲しいけど、津軽さんなら言わないんだろうな……
いつか言わせてやる!!
なんとなく日記に目をやると
「これは俺がずっと保管しておくからね」
「はい、大切にしておいて下さいよ。愛してるなんて書いてあるんですから」
照れ隠しで、あえて意地悪に言ってみた
「大切にするよ」
真っ直ぐこっちを見て言うもんだから
心音が耳の奥に激しく聞こえて うるさい
まるで私を大切にするって言われたみたいに感じたんですけど...?
「…あの」
津軽さん赤くなってない…!?
「日記隠してこよーっと」
さっと背中を向けて行ってしまう後ろ姿に、ドキドキが収まらない
私だって顔も耳も赤くなって熱い
「何なんですか、何なんですか…」
愛してるの答えは
大切にすると言ってくれた言葉
あとは津軽さんが日記に書いてくれた言葉
遠い未来の私達は、彼氏観察日記をどんな顔で読むのかな?
胸が温かいのは彼氏のせいだ。
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