戸惑いと雨上がりと約束
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雨が降っても、この子がいると楽しいものとなる
俺たち間で定番化されてる水族館デート
都内は行き尽くすそう!と話をしたのは付き合い始めて すぐだった
そして 平日に休みを合わせたデートは 雨降りということもあり、ドクターフィッシュ目当てにまた水族館に来ていた
「あっ!いましたよ」
タッチプールの横にドクターフィッシュの水槽が設置されていた
優衣は子供の頃に 家族で行った入浴施設の足湯でツンツンされたのがドクターフィッシュに触った最後だと言っていた
俺は記憶にない。たぶんドクターフィッシュは生まれて初めてだった
「……」
「手、入れないの?」
「いざとなると…心の準備が…」
「キミ、いつもタッチプールでトラザメ触ってるのに何で こんな小さい魚にビビってるの??」
「いやいや、分かって無いですね~。津軽さんお先にどうぞ」
?
何故かイタズラをしてくる時の優衣の顔に疑問を持つが大した事じゃないだろう…と、右手を入れてしまった
!!
「んっ…なっ…!」
くすぐったぁー
ソフトタッチなのに大群にツンツンされて、これは優衣が手を入れなかった理由が分かる
「ふふっ」
イタズラ娘は嬉しそうな顔をして、いつの間にはスマホの動画を回していた
「…うわ~撮るとか…モモに報告しよ いじめられたぁ」
「あとで100回は見返します!百瀬さんは、この動画 見たがると思うので私側に引き込めます」
ちっ、最近はモモを脅しに使えなくなり面白くない
仲良くなったのは いいんだけどさ…
「優衣も入れて」
「は、はい。では…」
ゆっくり手のひらが水槽に入れられ、一瞬で魚が集まる
「んあっ…」
「 ! なに いやらしい声だしてんの」
「だっ、だって津軽さんも…」
手を水槽から出した優衣は恥ずかしそうに隣のタッチプールのヒトデを触り出した
今日、絶対 部屋に連れ帰って抱こう。そう決意する俺とは裏腹に、優衣は横に来た小さな男の子に話しかけていた
「ヒトデはね、こうやって触るんだよ」
「わあ~なでなでする~」
「すみません、ありがとうございます」
「いえいえ、1人だと大変ですよね」
男の子の後ろには眠った赤ん坊を抱っこした父親が立っていた
1人で2人の子供を連れて来たんだろう
優衣は気が利くから男の子の相手をしたんだと思う
ほんと、いい子。
さすが俺の優衣だ
父親と男の子がお礼を言って立ち去ると、優衣はその後ろ姿をじっと見ていた
「惚れた?」
「はい?やめてくださいよ そうじゃなくて…」
手を洗った優衣と 手を繋ぎ歩き出した
「想像しちゃったら微笑ましいなぁって、楽しみで」
「なに?」
「津軽さんも 赤ちゃん抱っこしながら上の子を連れて3人で出掛けたりするのかな?素敵すぎて、影に隠れて写真撮りたいなって」
「……。」
信じられない事実だった
嘘をついてる気配はなく、ごく自然に。
夕食は何にしましょうか みたいな流れで。
普通に俺たちの未来、子供の話をしてきた
普通の恋人同士は するのだろうか
普通じゃない俺には経験はないが…
普通のキミは普通じゃない俺に、普通に ふってきた子供の話
「津軽さん…?」
ここで分かった事がある
嫌な気持ちはしなかった。怖い気持ちも。
優衣だから なんだろう。優衣と付き合う内に俺も変わってきているんだと思う
優衣は いつでも、どんな俺でも受け入れてくれたから。
そして逃げ出さず手を握っていてくれたから。
「津軽さーん?どうかしましたか?」
「ん?イルカショー間に合うかなって考えてただけだけど?」
「黙り込まれたら、嫌だったのかと思っちゃいますよ」
「あぁ、別にイヤじゃないけど俺の事 好きすぎるなって」
「そりゃ…好きですけど…」
「はい、はい。分かってる」
「えっ 投げやりな言い方!」
「今夜、作る?」
薄暗いクラゲの水槽の前では優衣が真っ赤になってるかは分からないが、この素直な子が赤くなってるのは間違いない
「そうやって からかう!じゃあ双子を産んで津軽さんにも育休取らせますからね!」
「双子?」
「母方に双子がいますので、可能性はありますよ」
そっか。優衣に瓜二つの娘が、もし2人もいたら…
「…いいかも」
「育児は大変ですよ。でも津軽さんに似た子が二人なんて……うん、いいかも!」
「銀さん手伝ってくれるかな?」
優衣が俺の方をバッと向き、見つめ合う
「……。」
「……。」
どちらともなく笑い始め
「あははっ津軽さん笑わせないでぇ。今度、銀室長の顔みたら今の事、絶対思い出しますよ」
「ほら、いつまでも笑い転げないでイルカショー始まるよ」
「あ、そーだ。行きましょう」
慌て出した優衣に手をぐいぐい引っ張られる
この時の俺は、実はまだフワフワ不思議な気持ちでいたんだ
自分の遺伝子を持った子供なんて…。あんなに自分の血を呪いのように思っていたのに
今の俺は…
優衣との子供を想像して 幸せな気持ちになったんだ
まさかこんな日が来るなんて
水族館を堪能し 外に出た時には もう雨は止んでいた
灰色の曇の隙間から、青い空が少し見え、だからか無性に言いたくなった
ありがとう。優衣。
「えっ?何か言いましたか??」
「また ここに来ような。家族で」
「…っ!…はい。来ましょう!」
いつか遠くない未来に約束。
俺たち間で定番化されてる水族館デート
都内は行き尽くすそう!と話をしたのは付き合い始めて すぐだった
そして 平日に休みを合わせたデートは 雨降りということもあり、ドクターフィッシュ目当てにまた水族館に来ていた
「あっ!いましたよ」
タッチプールの横にドクターフィッシュの水槽が設置されていた
優衣は子供の頃に 家族で行った入浴施設の足湯でツンツンされたのがドクターフィッシュに触った最後だと言っていた
俺は記憶にない。たぶんドクターフィッシュは生まれて初めてだった
「……」
「手、入れないの?」
「いざとなると…心の準備が…」
「キミ、いつもタッチプールでトラザメ触ってるのに何で こんな小さい魚にビビってるの??」
「いやいや、分かって無いですね~。津軽さんお先にどうぞ」
?
何故かイタズラをしてくる時の優衣の顔に疑問を持つが大した事じゃないだろう…と、右手を入れてしまった
!!
「んっ…なっ…!」
くすぐったぁー
ソフトタッチなのに大群にツンツンされて、これは優衣が手を入れなかった理由が分かる
「ふふっ」
イタズラ娘は嬉しそうな顔をして、いつの間にはスマホの動画を回していた
「…うわ~撮るとか…モモに報告しよ いじめられたぁ」
「あとで100回は見返します!百瀬さんは、この動画 見たがると思うので私側に引き込めます」
ちっ、最近はモモを脅しに使えなくなり面白くない
仲良くなったのは いいんだけどさ…
「優衣も入れて」
「は、はい。では…」
ゆっくり手のひらが水槽に入れられ、一瞬で魚が集まる
「んあっ…」
「 ! なに いやらしい声だしてんの」
「だっ、だって津軽さんも…」
手を水槽から出した優衣は恥ずかしそうに隣のタッチプールのヒトデを触り出した
今日、絶対 部屋に連れ帰って抱こう。そう決意する俺とは裏腹に、優衣は横に来た小さな男の子に話しかけていた
「ヒトデはね、こうやって触るんだよ」
「わあ~なでなでする~」
「すみません、ありがとうございます」
「いえいえ、1人だと大変ですよね」
男の子の後ろには眠った赤ん坊を抱っこした父親が立っていた
1人で2人の子供を連れて来たんだろう
優衣は気が利くから男の子の相手をしたんだと思う
ほんと、いい子。
さすが俺の優衣だ
父親と男の子がお礼を言って立ち去ると、優衣はその後ろ姿をじっと見ていた
「惚れた?」
「はい?やめてくださいよ そうじゃなくて…」
手を洗った優衣と 手を繋ぎ歩き出した
「想像しちゃったら微笑ましいなぁって、楽しみで」
「なに?」
「津軽さんも 赤ちゃん抱っこしながら上の子を連れて3人で出掛けたりするのかな?素敵すぎて、影に隠れて写真撮りたいなって」
「……。」
信じられない事実だった
嘘をついてる気配はなく、ごく自然に。
夕食は何にしましょうか みたいな流れで。
普通に俺たちの未来、子供の話をしてきた
普通の恋人同士は するのだろうか
普通じゃない俺には経験はないが…
普通のキミは普通じゃない俺に、普通に ふってきた子供の話
「津軽さん…?」
ここで分かった事がある
嫌な気持ちはしなかった。怖い気持ちも。
優衣だから なんだろう。優衣と付き合う内に俺も変わってきているんだと思う
優衣は いつでも、どんな俺でも受け入れてくれたから。
そして逃げ出さず手を握っていてくれたから。
「津軽さーん?どうかしましたか?」
「ん?イルカショー間に合うかなって考えてただけだけど?」
「黙り込まれたら、嫌だったのかと思っちゃいますよ」
「あぁ、別にイヤじゃないけど俺の事 好きすぎるなって」
「そりゃ…好きですけど…」
「はい、はい。分かってる」
「えっ 投げやりな言い方!」
「今夜、作る?」
薄暗いクラゲの水槽の前では優衣が真っ赤になってるかは分からないが、この素直な子が赤くなってるのは間違いない
「そうやって からかう!じゃあ双子を産んで津軽さんにも育休取らせますからね!」
「双子?」
「母方に双子がいますので、可能性はありますよ」
そっか。優衣に瓜二つの娘が、もし2人もいたら…
「…いいかも」
「育児は大変ですよ。でも津軽さんに似た子が二人なんて……うん、いいかも!」
「銀さん手伝ってくれるかな?」
優衣が俺の方をバッと向き、見つめ合う
「……。」
「……。」
どちらともなく笑い始め
「あははっ津軽さん笑わせないでぇ。今度、銀室長の顔みたら今の事、絶対思い出しますよ」
「ほら、いつまでも笑い転げないでイルカショー始まるよ」
「あ、そーだ。行きましょう」
慌て出した優衣に手をぐいぐい引っ張られる
この時の俺は、実はまだフワフワ不思議な気持ちでいたんだ
自分の遺伝子を持った子供なんて…。あんなに自分の血を呪いのように思っていたのに
今の俺は…
優衣との子供を想像して 幸せな気持ちになったんだ
まさかこんな日が来るなんて
水族館を堪能し 外に出た時には もう雨は止んでいた
灰色の曇の隙間から、青い空が少し見え、だからか無性に言いたくなった
ありがとう。優衣。
「えっ?何か言いましたか??」
「また ここに来ような。家族で」
「…っ!…はい。来ましょう!」
いつか遠くない未来に約束。
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