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僕達の関係は、近しい者以外には公表しない。そう決めたのは僕の筈なのに、腹が立って仕方ない。久しぶりにアカデミアに来てみれば、ゆめおの隣には見知らぬ女子生徒がいた。二人で楽しそうに笑い合っている。その光景を見て、僕の足は自然と駆けていた。
一秒でも早くその場を離れたくて。気付けば、僕は島の海岸に来ていた。
僕は、ゆめおを信じている。僕の仕事の関係で中々会えないし、他の奴らみたいに素直とも言えない。それでも、僕達の心は通じ合っている。それに、ゆめおが卒業するまでのたった数年我慢すれば、卒業後は一緒に向こうで暮らしてくれると言ってくれた。その約束を支えに、僕だって我慢しているのに。
「馬鹿ゆめお…」
ゆめおの笑顔が好きだ。ゆめおの声で名前を呼ばれるのが好きだ。いつも僕の事を優先してくれる優しいゆめおが好きだ。恥ずかしそうに愛の言葉をくれるゆめおが好きだ。あぁ、こんなに僕はゆめおの事が好きなんだ。
「愛してるんだ、ゆめお…」
「そういうのは、俺の前で言ってほしいな」
「は、…っ!ゆめお、お前、なんでここに!」
背後から、ふわりと僕がプレゼントした香水の匂いに包まれた。耳元に聞こえる心地の良い低音、その声の正体はゆめおだった。ゆめおは僕を背後から抱きしめた。僕はその腕から逃れようとしたが、更に強く抱きしめられた。久しぶりに感じる腕の温もりに包まれたことで、先程まであった怒りが消えてしまった。
「ごめん、エド」
「…何がだ」
「他の女の子と話してたから怒ったのかと思って」
「そう思うなら、気を付けろ」
「うん、本当ごめん」
僕は小さくため息を吐く。ゆめおも何だかんだモテる部類だ。僕より高い身長、趣味の筋トレで鍛えられた筋肉、整った顔立ち、そして何よりあの十代に負けず劣らずのお人好しだ。デュエルもッ僕ほどではないがそれなりに強い。当然、周りが放っておくわけがない。だから、僕は決めた。
「明日、君と僕との関係を公表する」
「え?」
「そうすれば、君の周りに群がる奴等もいなくなる」
「けど、そうしたらお前のキャリアに傷がつくかもしれないんだぞ」
「構わないさ、これぐらいで傷つく様じゃぁプロ失格だ」
それで、君が僕のモノになってくれるなら安いものだ。僕は、明日から起きる出来事を脳裏に浮かびながら目を閉じた。