ゴーラッシュ!!(フェイザーのみ)
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皆さんこんにちは、俺の名はゆめおと言います。生まれも育ちも六葉町、好きな食べ物は寿司と焼肉、地元の第8宇宙人中学校に通いながら放課後はMIK職員として町のパトロールを行うただのしがないデュエリストです。
さて、ここで突然ですが皆さんは付き合ってる恋人から浮気をしていると勘違いされた事はありますか?ある方は是非手を上げて名乗り出てそうなった時の対処法について教えてください。なるべく早く可及的速やかに…え、何故そんなに焦っているのかって?それはですね…現在進行系で俺自身がとある勘違いにより恋人から浮気を疑われて問い詰められているからです。
「ゆめお、どういう訳か話してもらうぞ」
今日もいつもと同じなんてことない1日が終わる筈だった。いつもの様に学校が終わり勤め先のMIKに出勤するために一度帰宅し、MIKの制服に着替えてからのんびりとMIKの本部ビルに出勤し他の隊員に交じって町のパトロールをする筈だったのだが、MIKのビルに入った瞬間ビル中に突如としてけたたましい音と共に「大至急ゆめお隊員は総帥室に来るように」という女性職員のアナウンスが流れた。何が起こったのか分からないままとりあえず言われた通りフェイザーの元へ急ぐとそこには珍しく眉間にしわを寄せ不機嫌オーラを纏うフェイザーがいた。そして、開口一番に「ゆめお、君は他の女性と浮気をしているのか?」と尋ねられた…というのがここまでのハイライトである。状況がよく分からないって?それは俺も同じである。
「話もなにも何の事だよ、話しが全く見えないんだけど」
「では、質問を変えよう…この写真はなんだ?」
全く身に覚えがないことで疑われるのは非常に困る。ましてやそれが浮気だなんて絶対にあり得ない。何年フェイザーに片思いして必死にアプローチし続けた末に彼氏という立場になれたと思ってるんだよと眉を顰める俺に対してフェイザーは1枚の写真を見せてきた。俺はそれを見て血の気が引いてしまった。
「そ、それは…」
その写真に写るのは俺と一人の女性であった。どこかの店で商品を見ながら楽しそうに話すその姿は端から見れば仲睦まじいカップルの一瞬を撮影した写真にしか見えない。
「偶然見回りをしていた私の部下から報告があった、この女性は誰だ?」
「そ、その人は……」
フェイザーからの視線が痛いだがその女性について話すことはできない。何故ならそれはフェイザーへのホワイトデーのお返しを探していた時に話しかけてきてくれたアクセサリーショップの店員さんたからである。いや、それなら正直に言ってしまえばいいじゃないかと思うだろうがそれは出来ない。何故ならサプライズとしてかっこよくプレゼントを渡せなくなるだろ?
「ゆめお、私はお前を愛している。だから、教えてくれないか、この女性は誰なんだ」
「いや、あの、それはだな…まだ教えられないというか…でも誓って浮気じゃない!信じてくれフェイザー!」
「…どうあっても教えてはくれないのだな」
そう一言呟いてから徐ろにフェイザーは立ち上がると同時に何故かデュエルディスクを机から取り出した。
何でかな非常に嫌な予感がするんだが。
「ゆめお、私とデュエルしろ。私が勝ったらこの女性は誰なのかお前とどういう関係なのか教えてもらうぞ」
「いや、何でそこでデュエル!?!?」
常日頃から思うのだが何故デュエリストとは大事なことをいつもデュエルで決めようとするのか?言葉よりもカードで語れってことなのか?…と考えている内にフェイザーはデュエルディスクを装着し無言の圧を与えてくる…まぁこうなったら仕方ない。フェイザーは普段はポヤポヤしているが、一度決めたらそれを貫く男だから今更俺が何を言おうとも覆す気はないだろうし、こうなったら大人しくデュエルするしかない…俺、別にそこまでデュエル強い訳じゃないんだけどな。
「準備は出来たようだな」
「あぁ、いつでもいいぜ」
「「ゴーラッシュ!!」」
「先攻は俺が貰うぜ!誓って浮気なんてしていない俺のドロー!」
そうして俺が引いた5枚の手札はモンスター2枚に魔法が2枚と罠の1枚だが、先攻にしては中々悪くない手札だな。
「俺は、手札からレジェンドプリーストとレジェンドスカウトを召喚!そして、プリーストの効果発動!デッキの上からカードを3枚ずつ墓地に送る…その後の効果はフェイザーのフィールドにモンスターがいない為使えないので俺はカードを3枚伏せてターンエンド」
俺の伏せカードの1枚は魔法カード七宝船と残りの2枚は罠カード魔法の筒と現世の戦いだ。このカードはフェイザーがドロー又はモンスターを召喚・特殊召喚した時に俺の墓地にいるレジェンドモンスターを1体デッキに戻すことで俺のフィールドのモンスターの攻撃力がこのターンだけ1200上げてそのターンの間効果破壊耐性を付与するカードだ。俺は先程プリーストの効果でカードを墓地に送ったが、その中にはグランドレジェンドマジシャンが墓地に落とされた。次のターン、フェイザーがドローした時現世の戦いを発動してグランドレジェンドマジシャンをデッキに戻せばプリーストとハンターの攻撃力は共に2400になり破壊耐性も付くからし、仮にそれを上回る攻撃力を持つ上級モンスターから攻撃を受けたとしても魔法の筒でダメージを跳ね返してしまえばいい。我ながら完璧なプレイングだ。
「私のターン、ドロー」
「フェイザーがドローした時、俺は罠カード現世の戦いを発動!墓地のグランドレジェンドマジシャンをデッキに戻し、フィールドのプリーストとスカウトの攻撃力を1200上げ、効果破壊耐性を付与させる!」
「…私は、アビスレイヤーボジャノーイを召喚。アビスレイヤーボジャノーイの効果発動、手札から海竜族を1枚デッキに戻して1枚ドロー、その後私の墓地にモンスターがいない場合もう1枚ドロー…更に私はアビスレイヤーケートスを召喚、続いてアビスレイヤーボジャノーイをリリースしてアビスレイヤーマカラを召喚」
「アビスレイヤーケートスの効果発動、ゆめおのフィールドにモンスターがいる場合デッキの上から1枚墓地へ送る。その後マカラの攻撃力を400アップさせる。次にマカラの効果発動、デッキの上からカードを1枚墓地に送り、それが海竜族モンスターだった場合1枚ドローする…来たか」
フェイザーとは何度もデュエルしてきているから分かるが、フェイザーのマキシマムデッキは3枚揃えれば強いが、パーツを探す時間が必要になる。俺のデッキで仮にマキシマムされると正直倒すのは至難の業だなのでマキシマムされる前に速攻で倒す必要があるのだが、あれあれ何だかフェイザーが笑っているような…まさか、そんな…は?
「海神の底に、一層の深淵へ続く扉あり…放たれし時、アビスの運命や、果たして……マキシマム召喚!出でよ!深淵海竜アビス・クラーケン!!」
「嘘だろおおおおおお!!!?」
俺の目の前に現れたのは俺達の何倍もの大きなクラーケンであった。いくらソリッドビジョンとは言えその巨体から発する威圧感に思わず身体が後ずさってしまう。しかも心なしかクラーケンの奴、俺の事を睨んでないか?え、何、使い手の怒りがモンスターにも影響してるのか?そんなバカな
「アビスクラーケンの1つ目の効果発動、私の手札を1枚捨ててレジェンドプリーストを表側守備表示に変更する!この効果を使ったことでこのターンクラーケンの攻撃は貫通する。次に2つ目の効果発動、私の墓地のモンスターカードを5枚までデッキに戻して戻した数の合計×300ゆめおのモンスターの攻守を下げる…そして、私の墓地にモンスターがいない場合ゆめおの伏せカードを1枚破壊する!」
「俺のマジシリがぁああ!!!」
「バトルだ…星砕き!」
「4000〜!!!」
現世の戦いは攻撃力しか上げれないから攻守を変えられると効果が無意味になる上に、プリーストの守備力は300しかないのでクラーケンの効果で1枚でも墓地のモンスターを戻してしまえば、守備力0に下げられてしまえばどうにもできない。こんなの実質ダイレクトアタックじゃねえかよ!!という想いを抱きながら俺はクラーケンによる攻撃を受けた。くそ、まじで痛え。
「これで私はターンエンド…ゆめお、私はこれ以上お前を傷つけたくない。正直に話してくれれば私はサレンダーするつもりだ」
ダメージを受けて蹌踉めく俺に言葉を投げ掛けるフェイザー、その目から言葉にならない悲しみが込められているように見える。こんな事になるぐらいならサプライズなんて考えず正直に話しておけば良かったのかな、と考えながらそれでも俺は立ち上がる。
「俺の、ターン…ドロー!」
これ以上フェイザーに悲しい顔をさせたくない、ならばこのデュエルを早く終わらせてさっさとサプライズの事を話すに限る。頼むぞ、俺のデッキと願いながらドローした手札を見て俺は思わず顔を引き攣らせた。何故なら手札にクラーケンに対抗出来うるだけのカードがないからだ。俺のフィールドのモンスタはレジェンドスカウトのみ。そして手札にあるのは、レジェンドセイバー、レジェンドプリーストが2枚、そしてグランドレジェンドマジシャンの2枚。
このままマジシャンを出したとしてもクラーケンを倒すことは出来ないし効果破壊耐性も今のクラーケンにあるから、今俺がやれる事とすればプリーストの効果で墓地にあいつを送ってからレジェンドセイバーの効果で手札に回収するか、一か八かスカウトと七宝船のドローであいつらを引く事。そう、俺の「七宝神レジェンドデッキ」にて唯一この状況で対抗出来る可能性があるグランドレジェンドセイバーと米大を何としても呼び寄せなければならない。正直成功するかどうかは運次第だからあまりやりたくないんだけど…。
「俺は、伏せていた魔法カード七宝船を発動!手札のグランドレジェンドマジシャンを墓地に送り1ドロー、この効果でレベル7モンスターを送った場合追加で1枚ドローできる」
恐る恐るドローしたカードを見るとそこには俺が求めていたカードの1枚である米大が手札に来てくれていた!よし、これで後はセイバーを呼べれば!
「墓地に七宝船があるので、俺は手札から七宝神米大を特殊召喚する!米大の効果発動!デッキの上からカードを1枚送ることでこのターンクラーケンの攻撃力を700下げる!」
「続いてレジェンドプリーストを召喚!プリーストの効果を発動しデッキの上から3枚カードを墓地に送る。その後墓地にレジェンドカードがある場合クラーケンの攻守を600ずつ下げる…この効果で七宝船の効果で送られたグランドレジェンドマジシャンを戻すが、さっきのターンで破壊された魔法の筒が俺の墓地にあるので、このターンクラーケンの攻守は600ダウンする!更に俺はフィールドのレジェンドスカウトの効果を発動!デッキのカードが10枚以上ある場合手札のレジェンドカードを見せてから1枚ドローする…そして、その後1枚デッキに戻す。更にこのターンレジェンドモンスターを召喚する時スカウトは2体分のリリースになる」
頼む、来てくれ!そう願いながら引いたカードは正に俺が探していたあのカードであった。そう、俺のデッキのエースであり相棒だ!
「…かつて、その地には伝説の騎士がいた。祖国の危機に立ち上がり剣を振るった伝説の英雄を讃えよ!アドバンス召喚、現れろグランドレジェンドセイバー!」
「…ゆめおのエースモンスターか」
俺はフィールドのレジェンドスカウトとプリーストをリリースして一人のモンスターを召喚する。俺のフィールドに現れたのは長い金髪を靡かせながら現れた一人の女騎士であった。騎士は振り返り俺に目配せをした。私に任せろと言わんばかりの自信に満ち溢れたその表情に俺は確信する。
「グランドレジェンドセイバーの効果発動!手札のレジェンドセイバーを相手に見せる事でこのターンの間攻撃力は500上がりモンスターに2回攻撃を行うことが出来る」
「そして、最後に手札からレジェンドプリーストを召喚!効果でデッキの上からカードを3枚送る…墓地にレジェンドカードがあるのでクラーケンの攻撃力は更に600ダウン!…プリースト2体と米大の効果で合計1900ダウンさせる!…っし、これでバトルだ!グランドレジェンドセイバーでクラーケンに攻撃!続いてプリーストと米大フェイザーにダイレクトアタック!」
「くっ…、」
セイバーの攻撃とプリーストと米大によるダイレクトアタックにより何とかクラーケンを破壊しつ、フェイザーに4400のダメージを与えられる事が出来た。ライフはまだ俺の方が少ないけど、フェイザーが次のマキシマムを揃える前に速攻で倒せば勝てる筈だ。そう信じて俺はターンエンドした。
「私のターン、ドロー…ゆめお」
「ん?」
「悪いが、このデュエル私の勝ちだ」
「…お前、まさか…!」
「…海神(わだつみ)の深き心震えし時深淵の扉更なる深きへむかいアビスの運命が呪いを唄う!マキシマム召喚、出てよ深淵竜神アビス・ポセイドラ!」
「嘘だろおおおお!?」
何であいつマキシマムを素引きしていやがるんだよ!実はデッキの上に積み込みしていたのかと疑いたくなる程に完璧なタイミングでマキシマムをされた俺は、破壊耐性も何もないセイバー達を効果で破壊された後にそのままダイレクトアタックを受けてフェイザーとのデュエルに負けてしまった。いや、あんなズルすぎるだろ。せめて、現世の戦いがあればもう1ターン凌げていたかもしれない…とデュエルの反省をしているとフェイザーが俺の隣にまで近付いてきた。
「ゆめお、約束通りあの女性は誰か教えてもらうぞ」
普段はクールなフェイザーが珍しく表情に現れる程怒っている。それぐらい俺の事を想ってくれているのかとにやけてしまいそうになるのを抑えながら俺はポケットから小箱を取り出し、それをフェイザーに手渡した。
「あのお姉さんはアクセサリーショップの店員さんだ、付き合ってる人にホワイトデーのにお返しを渡したいけど何を渡せばいいのか分からないって相談に乗って貰っていただけだよ」
「プレゼント?誰に宛てたものだ?」
「んなの、お前しかいねえだろ」
「…ゆめお」
「どうせ渡すなら驚かせたかったんだよ、だから話せなかった。ごめん」
「…開けてもいいか?」
「いいけど、気に入らないから返品とかはなしだからな」
フェイザーが小さく頷いた後恐る恐る小箱を開けると中には一対のピアスが入っていた。どうせならお揃いのアクセサリーをプレゼントしちゃいましょうよと店員さんに勧められるがままに買ったので、実はアクセサリーが好きじゃなかったらどうしようと心配していると、フェイザーが俺に抱きついてきた。今どういう顔してるか分からないが多分喜んでくれてるだろうと思いつつ俺はフェイザーを抱きしめ返した。
翌日からフェイザーと俺の耳元にはお揃いのピアスが小さく輝く様になった。
さて、ここで突然ですが皆さんは付き合ってる恋人から浮気をしていると勘違いされた事はありますか?ある方は是非手を上げて名乗り出てそうなった時の対処法について教えてください。なるべく早く可及的速やかに…え、何故そんなに焦っているのかって?それはですね…現在進行系で俺自身がとある勘違いにより恋人から浮気を疑われて問い詰められているからです。
「ゆめお、どういう訳か話してもらうぞ」
今日もいつもと同じなんてことない1日が終わる筈だった。いつもの様に学校が終わり勤め先のMIKに出勤するために一度帰宅し、MIKの制服に着替えてからのんびりとMIKの本部ビルに出勤し他の隊員に交じって町のパトロールをする筈だったのだが、MIKのビルに入った瞬間ビル中に突如としてけたたましい音と共に「大至急ゆめお隊員は総帥室に来るように」という女性職員のアナウンスが流れた。何が起こったのか分からないままとりあえず言われた通りフェイザーの元へ急ぐとそこには珍しく眉間にしわを寄せ不機嫌オーラを纏うフェイザーがいた。そして、開口一番に「ゆめお、君は他の女性と浮気をしているのか?」と尋ねられた…というのがここまでのハイライトである。状況がよく分からないって?それは俺も同じである。
「話もなにも何の事だよ、話しが全く見えないんだけど」
「では、質問を変えよう…この写真はなんだ?」
全く身に覚えがないことで疑われるのは非常に困る。ましてやそれが浮気だなんて絶対にあり得ない。何年フェイザーに片思いして必死にアプローチし続けた末に彼氏という立場になれたと思ってるんだよと眉を顰める俺に対してフェイザーは1枚の写真を見せてきた。俺はそれを見て血の気が引いてしまった。
「そ、それは…」
その写真に写るのは俺と一人の女性であった。どこかの店で商品を見ながら楽しそうに話すその姿は端から見れば仲睦まじいカップルの一瞬を撮影した写真にしか見えない。
「偶然見回りをしていた私の部下から報告があった、この女性は誰だ?」
「そ、その人は……」
フェイザーからの視線が痛いだがその女性について話すことはできない。何故ならそれはフェイザーへのホワイトデーのお返しを探していた時に話しかけてきてくれたアクセサリーショップの店員さんたからである。いや、それなら正直に言ってしまえばいいじゃないかと思うだろうがそれは出来ない。何故ならサプライズとしてかっこよくプレゼントを渡せなくなるだろ?
「ゆめお、私はお前を愛している。だから、教えてくれないか、この女性は誰なんだ」
「いや、あの、それはだな…まだ教えられないというか…でも誓って浮気じゃない!信じてくれフェイザー!」
「…どうあっても教えてはくれないのだな」
そう一言呟いてから徐ろにフェイザーは立ち上がると同時に何故かデュエルディスクを机から取り出した。
何でかな非常に嫌な予感がするんだが。
「ゆめお、私とデュエルしろ。私が勝ったらこの女性は誰なのかお前とどういう関係なのか教えてもらうぞ」
「いや、何でそこでデュエル!?!?」
常日頃から思うのだが何故デュエリストとは大事なことをいつもデュエルで決めようとするのか?言葉よりもカードで語れってことなのか?…と考えている内にフェイザーはデュエルディスクを装着し無言の圧を与えてくる…まぁこうなったら仕方ない。フェイザーは普段はポヤポヤしているが、一度決めたらそれを貫く男だから今更俺が何を言おうとも覆す気はないだろうし、こうなったら大人しくデュエルするしかない…俺、別にそこまでデュエル強い訳じゃないんだけどな。
「準備は出来たようだな」
「あぁ、いつでもいいぜ」
「「ゴーラッシュ!!」」
「先攻は俺が貰うぜ!誓って浮気なんてしていない俺のドロー!」
そうして俺が引いた5枚の手札はモンスター2枚に魔法が2枚と罠の1枚だが、先攻にしては中々悪くない手札だな。
「俺は、手札からレジェンドプリーストとレジェンドスカウトを召喚!そして、プリーストの効果発動!デッキの上からカードを3枚ずつ墓地に送る…その後の効果はフェイザーのフィールドにモンスターがいない為使えないので俺はカードを3枚伏せてターンエンド」
俺の伏せカードの1枚は魔法カード七宝船と残りの2枚は罠カード魔法の筒と現世の戦いだ。このカードはフェイザーがドロー又はモンスターを召喚・特殊召喚した時に俺の墓地にいるレジェンドモンスターを1体デッキに戻すことで俺のフィールドのモンスターの攻撃力がこのターンだけ1200上げてそのターンの間効果破壊耐性を付与するカードだ。俺は先程プリーストの効果でカードを墓地に送ったが、その中にはグランドレジェンドマジシャンが墓地に落とされた。次のターン、フェイザーがドローした時現世の戦いを発動してグランドレジェンドマジシャンをデッキに戻せばプリーストとハンターの攻撃力は共に2400になり破壊耐性も付くからし、仮にそれを上回る攻撃力を持つ上級モンスターから攻撃を受けたとしても魔法の筒でダメージを跳ね返してしまえばいい。我ながら完璧なプレイングだ。
「私のターン、ドロー」
「フェイザーがドローした時、俺は罠カード現世の戦いを発動!墓地のグランドレジェンドマジシャンをデッキに戻し、フィールドのプリーストとスカウトの攻撃力を1200上げ、効果破壊耐性を付与させる!」
「…私は、アビスレイヤーボジャノーイを召喚。アビスレイヤーボジャノーイの効果発動、手札から海竜族を1枚デッキに戻して1枚ドロー、その後私の墓地にモンスターがいない場合もう1枚ドロー…更に私はアビスレイヤーケートスを召喚、続いてアビスレイヤーボジャノーイをリリースしてアビスレイヤーマカラを召喚」
「アビスレイヤーケートスの効果発動、ゆめおのフィールドにモンスターがいる場合デッキの上から1枚墓地へ送る。その後マカラの攻撃力を400アップさせる。次にマカラの効果発動、デッキの上からカードを1枚墓地に送り、それが海竜族モンスターだった場合1枚ドローする…来たか」
フェイザーとは何度もデュエルしてきているから分かるが、フェイザーのマキシマムデッキは3枚揃えれば強いが、パーツを探す時間が必要になる。俺のデッキで仮にマキシマムされると正直倒すのは至難の業だなのでマキシマムされる前に速攻で倒す必要があるのだが、あれあれ何だかフェイザーが笑っているような…まさか、そんな…は?
「海神の底に、一層の深淵へ続く扉あり…放たれし時、アビスの運命や、果たして……マキシマム召喚!出でよ!深淵海竜アビス・クラーケン!!」
「嘘だろおおおおおお!!!?」
俺の目の前に現れたのは俺達の何倍もの大きなクラーケンであった。いくらソリッドビジョンとは言えその巨体から発する威圧感に思わず身体が後ずさってしまう。しかも心なしかクラーケンの奴、俺の事を睨んでないか?え、何、使い手の怒りがモンスターにも影響してるのか?そんなバカな
「アビスクラーケンの1つ目の効果発動、私の手札を1枚捨ててレジェンドプリーストを表側守備表示に変更する!この効果を使ったことでこのターンクラーケンの攻撃は貫通する。次に2つ目の効果発動、私の墓地のモンスターカードを5枚までデッキに戻して戻した数の合計×300ゆめおのモンスターの攻守を下げる…そして、私の墓地にモンスターがいない場合ゆめおの伏せカードを1枚破壊する!」
「俺のマジシリがぁああ!!!」
「バトルだ…星砕き!」
「4000〜!!!」
現世の戦いは攻撃力しか上げれないから攻守を変えられると効果が無意味になる上に、プリーストの守備力は300しかないのでクラーケンの効果で1枚でも墓地のモンスターを戻してしまえば、守備力0に下げられてしまえばどうにもできない。こんなの実質ダイレクトアタックじゃねえかよ!!という想いを抱きながら俺はクラーケンによる攻撃を受けた。くそ、まじで痛え。
「これで私はターンエンド…ゆめお、私はこれ以上お前を傷つけたくない。正直に話してくれれば私はサレンダーするつもりだ」
ダメージを受けて蹌踉めく俺に言葉を投げ掛けるフェイザー、その目から言葉にならない悲しみが込められているように見える。こんな事になるぐらいならサプライズなんて考えず正直に話しておけば良かったのかな、と考えながらそれでも俺は立ち上がる。
「俺の、ターン…ドロー!」
これ以上フェイザーに悲しい顔をさせたくない、ならばこのデュエルを早く終わらせてさっさとサプライズの事を話すに限る。頼むぞ、俺のデッキと願いながらドローした手札を見て俺は思わず顔を引き攣らせた。何故なら手札にクラーケンに対抗出来うるだけのカードがないからだ。俺のフィールドのモンスタはレジェンドスカウトのみ。そして手札にあるのは、レジェンドセイバー、レジェンドプリーストが2枚、そしてグランドレジェンドマジシャンの2枚。
このままマジシャンを出したとしてもクラーケンを倒すことは出来ないし効果破壊耐性も今のクラーケンにあるから、今俺がやれる事とすればプリーストの効果で墓地にあいつを送ってからレジェンドセイバーの効果で手札に回収するか、一か八かスカウトと七宝船のドローであいつらを引く事。そう、俺の「七宝神レジェンドデッキ」にて唯一この状況で対抗出来る可能性があるグランドレジェンドセイバーと米大を何としても呼び寄せなければならない。正直成功するかどうかは運次第だからあまりやりたくないんだけど…。
「俺は、伏せていた魔法カード七宝船を発動!手札のグランドレジェンドマジシャンを墓地に送り1ドロー、この効果でレベル7モンスターを送った場合追加で1枚ドローできる」
恐る恐るドローしたカードを見るとそこには俺が求めていたカードの1枚である米大が手札に来てくれていた!よし、これで後はセイバーを呼べれば!
「墓地に七宝船があるので、俺は手札から七宝神米大を特殊召喚する!米大の効果発動!デッキの上からカードを1枚送ることでこのターンクラーケンの攻撃力を700下げる!」
「続いてレジェンドプリーストを召喚!プリーストの効果を発動しデッキの上から3枚カードを墓地に送る。その後墓地にレジェンドカードがある場合クラーケンの攻守を600ずつ下げる…この効果で七宝船の効果で送られたグランドレジェンドマジシャンを戻すが、さっきのターンで破壊された魔法の筒が俺の墓地にあるので、このターンクラーケンの攻守は600ダウンする!更に俺はフィールドのレジェンドスカウトの効果を発動!デッキのカードが10枚以上ある場合手札のレジェンドカードを見せてから1枚ドローする…そして、その後1枚デッキに戻す。更にこのターンレジェンドモンスターを召喚する時スカウトは2体分のリリースになる」
頼む、来てくれ!そう願いながら引いたカードは正に俺が探していたあのカードであった。そう、俺のデッキのエースであり相棒だ!
「…かつて、その地には伝説の騎士がいた。祖国の危機に立ち上がり剣を振るった伝説の英雄を讃えよ!アドバンス召喚、現れろグランドレジェンドセイバー!」
「…ゆめおのエースモンスターか」
俺はフィールドのレジェンドスカウトとプリーストをリリースして一人のモンスターを召喚する。俺のフィールドに現れたのは長い金髪を靡かせながら現れた一人の女騎士であった。騎士は振り返り俺に目配せをした。私に任せろと言わんばかりの自信に満ち溢れたその表情に俺は確信する。
「グランドレジェンドセイバーの効果発動!手札のレジェンドセイバーを相手に見せる事でこのターンの間攻撃力は500上がりモンスターに2回攻撃を行うことが出来る」
「そして、最後に手札からレジェンドプリーストを召喚!効果でデッキの上からカードを3枚送る…墓地にレジェンドカードがあるのでクラーケンの攻撃力は更に600ダウン!…プリースト2体と米大の効果で合計1900ダウンさせる!…っし、これでバトルだ!グランドレジェンドセイバーでクラーケンに攻撃!続いてプリーストと米大フェイザーにダイレクトアタック!」
「くっ…、」
セイバーの攻撃とプリーストと米大によるダイレクトアタックにより何とかクラーケンを破壊しつ、フェイザーに4400のダメージを与えられる事が出来た。ライフはまだ俺の方が少ないけど、フェイザーが次のマキシマムを揃える前に速攻で倒せば勝てる筈だ。そう信じて俺はターンエンドした。
「私のターン、ドロー…ゆめお」
「ん?」
「悪いが、このデュエル私の勝ちだ」
「…お前、まさか…!」
「…海神(わだつみ)の深き心震えし時深淵の扉更なる深きへむかいアビスの運命が呪いを唄う!マキシマム召喚、出てよ深淵竜神アビス・ポセイドラ!」
「嘘だろおおおお!?」
何であいつマキシマムを素引きしていやがるんだよ!実はデッキの上に積み込みしていたのかと疑いたくなる程に完璧なタイミングでマキシマムをされた俺は、破壊耐性も何もないセイバー達を効果で破壊された後にそのままダイレクトアタックを受けてフェイザーとのデュエルに負けてしまった。いや、あんなズルすぎるだろ。せめて、現世の戦いがあればもう1ターン凌げていたかもしれない…とデュエルの反省をしているとフェイザーが俺の隣にまで近付いてきた。
「ゆめお、約束通りあの女性は誰か教えてもらうぞ」
普段はクールなフェイザーが珍しく表情に現れる程怒っている。それぐらい俺の事を想ってくれているのかとにやけてしまいそうになるのを抑えながら俺はポケットから小箱を取り出し、それをフェイザーに手渡した。
「あのお姉さんはアクセサリーショップの店員さんだ、付き合ってる人にホワイトデーのにお返しを渡したいけど何を渡せばいいのか分からないって相談に乗って貰っていただけだよ」
「プレゼント?誰に宛てたものだ?」
「んなの、お前しかいねえだろ」
「…ゆめお」
「どうせ渡すなら驚かせたかったんだよ、だから話せなかった。ごめん」
「…開けてもいいか?」
「いいけど、気に入らないから返品とかはなしだからな」
フェイザーが小さく頷いた後恐る恐る小箱を開けると中には一対のピアスが入っていた。どうせならお揃いのアクセサリーをプレゼントしちゃいましょうよと店員さんに勧められるがままに買ったので、実はアクセサリーが好きじゃなかったらどうしようと心配していると、フェイザーが俺に抱きついてきた。今どういう顔してるか分からないが多分喜んでくれてるだろうと思いつつ俺はフェイザーを抱きしめ返した。
翌日からフェイザーと俺の耳元にはお揃いのピアスが小さく輝く様になった。
