VRAINS
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
どれだけ厚着をしても身体の芯から凍えるような寒風に震える冬だと言うのに、日本の冬において特定の時期だけ人々は浮足立ち始める。そう、2/14…バレンタインデーだ。
バレンタインデーとは、元々は3世紀頃当時禁止されていた兵士の結婚を取り持ったことで処刑されたローマのキリスト教司祭ヴァレンチノスをまつる為の記念日である筈なのに、昭和30年頃日本の老舗チョコレートメーカーの社長が外国では2/14に自分の大切な人にプレゼントを贈る風習があると聞き世間に対して「バレンタインデーは大切な人にチョコレートを贈ろう」という広告を打ち出した事で現在まで続く日本独自の風習として定着してしまった。
「何がバレンタインデーだ!ただのお菓子メーカーのマーケティングに乗せられやがって!」
せめて家族や友人にチョコレートを贈ろうとかで良かったじゃないか。何で好きな人なんだよ。それではチョコレートを貰えた勝ち組と貰えなかった負け組と明確になっしまうじゃないか。こんなの辛すぎる、貰えない男の気持ちになって考えてみてくれ。数日前から、もしかしたら女の子から貰えるかもなんて妄想を巡らせながら微かな期待に胸を膨らませた結果誰からもチョコレートを貰えなかった男の気持ちを!…別に俺が貰えなかったからとかではない。これはあくまで一般論であって。断じて違う…と、とにかく俺はバレンタインデー等というイベントに現を抜かす世間に対して憤っている。バレンタインなんて即刻廃止するべきだ。
「ならば、私からのチョコレートも不要ということか?」
「!!?!?りょ、了見さん!!?」
俺が自室のモニターの前で1人青年の主張をしていた時、突然背後から声が聞こえたので振り返るとそこには呆れた表情を浮かべた了見さんが佇んでいた。了見さんに今までの悲しき男の嘆きを聞かれていたかと思うと普通に恥ずかしくて死にたくなっていた時、ふと了見さんの手に何か小さな箱のようなものが握られていることに気付いた。あれってまさか、
「了見さん、その手に持ってるのってもしかして」
「お前に渡すつもりだったが、その役目を失ったようだな」
「あぁああああ!待って、待ってください!!違うんです、了見さんからのチョコが要らないんじゃないです!むしろ欲しいです、お願いします!!」
俺が情けない叫び声を上げながら了見さんに向かって両手を差し出すと、小さくため息を吐いてから手渡してくれた
「こ、これが本命チョコレート…何て眩しいんだ…」
「随分と大袈裟な言いようだな」
「当たり前でしょう!?俺にとって人生初の本命チョコレートなんですよ!!?了見さんみたいなイケメンと違って生涯でいくつ貰えるか分からない貴重なものなんです!」
「分かったから、早く食べろ」
「はい!ありがとうございます、では早速いただきます!」
包装紙を破かないように丁寧にテープを外した後ゆっくりと箱の蓋を開いた。中には一口サイズのチョコが数個入っている。何となくチョコ自体が輝いてるように見える…俺はその眩しさに指を伸ばし口の中へ放り込む…何だこれめちゃくちゃ美味い。口の中にいれた瞬間包みこむような優しい甘さと仄かな苦味が絶妙なシンフォニーを奏でている。
「味はどうだ」
「美味しいです!これなら何個でもイケます!」
俺はあまりの美味さに次々とチョコを口の中へ放り込む。世間では極一部「手作りチョコでなければ意味がない」なんていう言説を主張する輩もいるが、俺はそれは違うと考えている。何故なら、既製品だとしてもその人は何を渡せば喜んでくれるかと考えながら選んでくれたんだぞ?人生における貴重な時間を僕の為に費やしてくれる、これ程嬉しいことなんてあるだろうか。そもそもチョコレートを貰える事すら奇跡に違いないんだぞ分かってるのかちくしょー
「おい、口についてるぞ」
「え、本当ですか?すみません……は?」
チョコレートに夢中になるがあまりいつの間にか口元にチョコレートをつけていたようで、慌てて拭き取ろうとした時不意に了見さんの顔が近づいてきて可愛らしいリップ音が聞こえた。え、今のはなんだ?
「何を呆けている」
「バレンタインデーの素晴らしさを噛み締めています」
バレンタイン最高、僕は頬に一筋の涙を流しながら残りのチョコレートを有り難く頂いた。
バレンタインデーとは、元々は3世紀頃当時禁止されていた兵士の結婚を取り持ったことで処刑されたローマのキリスト教司祭ヴァレンチノスをまつる為の記念日である筈なのに、昭和30年頃日本の老舗チョコレートメーカーの社長が外国では2/14に自分の大切な人にプレゼントを贈る風習があると聞き世間に対して「バレンタインデーは大切な人にチョコレートを贈ろう」という広告を打ち出した事で現在まで続く日本独自の風習として定着してしまった。
「何がバレンタインデーだ!ただのお菓子メーカーのマーケティングに乗せられやがって!」
せめて家族や友人にチョコレートを贈ろうとかで良かったじゃないか。何で好きな人なんだよ。それではチョコレートを貰えた勝ち組と貰えなかった負け組と明確になっしまうじゃないか。こんなの辛すぎる、貰えない男の気持ちになって考えてみてくれ。数日前から、もしかしたら女の子から貰えるかもなんて妄想を巡らせながら微かな期待に胸を膨らませた結果誰からもチョコレートを貰えなかった男の気持ちを!…別に俺が貰えなかったからとかではない。これはあくまで一般論であって。断じて違う…と、とにかく俺はバレンタインデー等というイベントに現を抜かす世間に対して憤っている。バレンタインなんて即刻廃止するべきだ。
「ならば、私からのチョコレートも不要ということか?」
「!!?!?りょ、了見さん!!?」
俺が自室のモニターの前で1人青年の主張をしていた時、突然背後から声が聞こえたので振り返るとそこには呆れた表情を浮かべた了見さんが佇んでいた。了見さんに今までの悲しき男の嘆きを聞かれていたかと思うと普通に恥ずかしくて死にたくなっていた時、ふと了見さんの手に何か小さな箱のようなものが握られていることに気付いた。あれってまさか、
「了見さん、その手に持ってるのってもしかして」
「お前に渡すつもりだったが、その役目を失ったようだな」
「あぁああああ!待って、待ってください!!違うんです、了見さんからのチョコが要らないんじゃないです!むしろ欲しいです、お願いします!!」
俺が情けない叫び声を上げながら了見さんに向かって両手を差し出すと、小さくため息を吐いてから手渡してくれた
「こ、これが本命チョコレート…何て眩しいんだ…」
「随分と大袈裟な言いようだな」
「当たり前でしょう!?俺にとって人生初の本命チョコレートなんですよ!!?了見さんみたいなイケメンと違って生涯でいくつ貰えるか分からない貴重なものなんです!」
「分かったから、早く食べろ」
「はい!ありがとうございます、では早速いただきます!」
包装紙を破かないように丁寧にテープを外した後ゆっくりと箱の蓋を開いた。中には一口サイズのチョコが数個入っている。何となくチョコ自体が輝いてるように見える…俺はその眩しさに指を伸ばし口の中へ放り込む…何だこれめちゃくちゃ美味い。口の中にいれた瞬間包みこむような優しい甘さと仄かな苦味が絶妙なシンフォニーを奏でている。
「味はどうだ」
「美味しいです!これなら何個でもイケます!」
俺はあまりの美味さに次々とチョコを口の中へ放り込む。世間では極一部「手作りチョコでなければ意味がない」なんていう言説を主張する輩もいるが、俺はそれは違うと考えている。何故なら、既製品だとしてもその人は何を渡せば喜んでくれるかと考えながら選んでくれたんだぞ?人生における貴重な時間を僕の為に費やしてくれる、これ程嬉しいことなんてあるだろうか。そもそもチョコレートを貰える事すら奇跡に違いないんだぞ分かってるのかちくしょー
「おい、口についてるぞ」
「え、本当ですか?すみません……は?」
チョコレートに夢中になるがあまりいつの間にか口元にチョコレートをつけていたようで、慌てて拭き取ろうとした時不意に了見さんの顔が近づいてきて可愛らしいリップ音が聞こえた。え、今のはなんだ?
「何を呆けている」
「バレンタインデーの素晴らしさを噛み締めています」
バレンタイン最高、僕は頬に一筋の涙を流しながら残りのチョコレートを有り難く頂いた。