ゴーラッシュ!!(フェイザー以外)
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「どうしよう、眠れない…」
灯り一つ灯っていない真っ暗な部屋で遊歩は1人ベッドの上で天井を見つめながら独り言を零した。ベッドの傍らのサイドボードの上に置かれた時計は深夜12時を指しておりそれを見て遊歩は大きな溜息を吐く。最近寝つきが非常に悪く漸く寝れたとしても夜中に目を覚ましてしまう事が頻発している。ここ、ダークマター帝国では昼夜の概念等ないのだが、それでも疲労は感じるので休息の為に睡眠を取るようにしているのだが全く疲れが取れない。地球にいた頃はこんな事なかったのにと考えてみた時、思い当たる節は多々ある。
「疲れてるのかな、私…」
連日、死者蘇生を探しながらゴーハ堂に対しての技術共有等皇帝としての仕事は無数に山積している。
その道を選んだのは自分である以上仕方ないと納得しながらもそれでも不眠気味になるのは困ったものだ。
「お水でも飲もうかナ…」
再度入眠を試みる前に、水でも飲もうかと考えた遊歩はベッドから降り部屋の中に置いてある小型の冷蔵庫を開けたが、中にはお醤油瓶があるだけで目当ての水等の飲料水はなかった。肩を落とし落胆してから仕方ないので城の台所に行こうと決めた遊歩が部屋の扉を開き扉の外に出ようと足を踏み出した瞬間足元の影から伸びた何かに腕を掴まれたのだ。
「こんな時間にどこに行くつもりだよ、陛下」
驚いた遊歩が視線を下に向けるとそこには見慣れた黒が見えた。姿と声でその黒が誰か分かった瞬間遊歩はよりによって今1番会ってはいけない人物に遭遇してしまったと頭を抱える。
「ゆめお…」
遊歩の手を掴んだ人物はダークメンの1人であり最古参のゆめおであった。彼は遊歩が最初に作り出した生命体(ダークメン)でありクヤムヤ同様ダークマイスターの正体が遊歩だと知っている数少ない特別な存在である。他のダークメンに対しては情が移らないようになるべく避けているのだがゆめおにだけは遊歩は自身の弱い所を見せられるそんな男ですあるのだが、そんな彼には一つ困った部分があるのだ。それはこの男がやたら遊歩に対して過保護に接してくることだ。
「今、何時だと思ってるんだよ。人間は寝ないと死んじまう生き物なんだろ?」
ゆめおは眉間に皺を寄せ怪訝そうな表情を浮かべながら遊歩を見下ろしている。
マズイ、こういう時のゆめおに下手な誤魔化しは効かない。
誤魔化したとしてもバレれば最後、待つのは永遠に説教される未来のみであることを学習している遊歩は正直に理由を述べることにした。
「ちょっとお水が飲みたくなっただけだよ、ゆめお」
「水だぁ?…それならアンタがわざわざ出向く必要はないだろ。俺が取りに行くからアンタは部屋にいろ」
「う、うん…分かったよ」
遊歩の正直な返答に対してゆめおは1人納得したのか、存外素直に受け止めつつその程度自分がやると告げると、それまで握っていた右手を離してから遊歩の背中を押し強引に部屋の中に戻す。遊歩が部屋の中に入った事を確認すると影の姿となりそのまま夜闇へと消えていった。相変わらず過保護なんだからとため息を吐いてから大人しくベッドに腰掛けるた。それから少しした頃、ゆめおは遊歩の前に音もなく現れた。
「待たせて悪かった」
「別に待ってないよ、ありがとうねゆめお」
「どういたしまして」
ゆめおは手にしていた水の入ったコップを遊歩に手渡すと、その場で遊歩を見下ろす。ゆめおが気まずさを感じながらも水を飲み干すと徐ろに隣に座ってきた。成人男性と同じぐらいの体躯の男が腰掛ける事でベッドのスプリンクラーが音を上げる。
「ねぇ、いつまでいるつもり?」
「アンタが寝るまで」
「はぁ?…あのねぇ、私そんな子どもじゃないんだけど」
「アンタの顔に、一緒にいてくれって書いてあるけど?」
「はぁ!?そんな訳ないでしょ!馬鹿なんじゃないの!」
「あ"〜、うるせぇなあ!いいから早く寝ろ!」
ゆめおは一向に寝付こうとしない遊歩に対してやや苛立ちを感じたので、こうなったら無理やりにでも寝させるしかないと考え、遊歩の身体をベッドの上に押し倒した後その隣に寝転んでみせた。突然の事に目を丸くさせる遊歩だが、異性と同じベッドの上という状況の意味を中学生の遊歩が理解出来ない訳もなく慌ててゆめおを押しのけようとする。
「ちょっと!女の子のベッドの上で寝ないでよ!!最低!」
「アンタがいつまでも寝ないからだろうが!早く寝ろ!」
「寝れるわけないでしょ、こんな状況で!?」
「ちっ、あー!もう、うるせえな!」
ゆめおは遊歩に対して思い切り舌打ちをした後に彼女の身体を自らの腕の中へ閉じ込めたかと思えば何を思ったのか背中を優しくさすり始めた。最初こそ腕の中から逃げようとした遊歩だったが彼によって生み出される一定のリズムとゆめお自身の体温が心地よい為次第に暴れることをやめ大人しく身を委ね始める。
「お、漸く大人しくなったか?」
「…うるさい、馬鹿ゆめお」
「そんな顔で言われても怖くねえよ」
あれだけ眠れないと思っていた遊歩だったが、いつの間にか少しずつ瞼が重くなり始めてきたことに気が付く。いつもこうだ、ゆめおは遊歩が困っていると何処からともなく現れて悪態をつきながら手を差し伸べて助けてくれる。それが堪らなく嬉しい。兄も友人も仲間も全てを捨てた筈なのに、まだ誰かに縋りたいという想いがあるのかと思いながらも遊歩はゆめおに縋ってしまう。それを知ってか知らずかゆめおはいつも遊歩の隣で彼女が伸ばしてきた腕を手に取りそして受け止める。
「ねぇ、何でゆめおはいつも私を助けてくれるの?」
「…」
「ゆめお?」
「…いいから早く寝ろ、明日も朝から早いんだろ」
「…分かってるよ、そんなこと…」
質問に対して回答をはぐらかされた気もするが、まぁ許してあげよう。何故なら今は無性に眠いから。それにしても何故ゆめおの腕の中がこんなに温かいんだろう、彼は元々ダークマター物質により生み出された存在だから温度なんてないはずなのに、そんな事を考えながらゆっくりと遊歩は瞼を閉じ眠りの世界へ旅立った。
「…やっと寝たか」
遊歩が眠りの世界へ向かった事を確認してからゆめおは額に唇を落とした。先程遊歩がゆめおに何故自分を助けるのかと問いかけたがその答えは1つだ。ゆめおが遊歩に手を差し伸べるのは仕えるべき主という以上の感情を抱いてる他ない。それが人間で言う恋愛感情なのかは分からないが、彼女により生命を与えられたあの日からずっとゆめおは遊歩に対して特別な感情を抱いてる。
「おやすみ、愛しい俺の陛下」
一言、そう告げてからゆめおは影の中へ沈み込んでいった。
灯り一つ灯っていない真っ暗な部屋で遊歩は1人ベッドの上で天井を見つめながら独り言を零した。ベッドの傍らのサイドボードの上に置かれた時計は深夜12時を指しておりそれを見て遊歩は大きな溜息を吐く。最近寝つきが非常に悪く漸く寝れたとしても夜中に目を覚ましてしまう事が頻発している。ここ、ダークマター帝国では昼夜の概念等ないのだが、それでも疲労は感じるので休息の為に睡眠を取るようにしているのだが全く疲れが取れない。地球にいた頃はこんな事なかったのにと考えてみた時、思い当たる節は多々ある。
「疲れてるのかな、私…」
連日、死者蘇生を探しながらゴーハ堂に対しての技術共有等皇帝としての仕事は無数に山積している。
その道を選んだのは自分である以上仕方ないと納得しながらもそれでも不眠気味になるのは困ったものだ。
「お水でも飲もうかナ…」
再度入眠を試みる前に、水でも飲もうかと考えた遊歩はベッドから降り部屋の中に置いてある小型の冷蔵庫を開けたが、中にはお醤油瓶があるだけで目当ての水等の飲料水はなかった。肩を落とし落胆してから仕方ないので城の台所に行こうと決めた遊歩が部屋の扉を開き扉の外に出ようと足を踏み出した瞬間足元の影から伸びた何かに腕を掴まれたのだ。
「こんな時間にどこに行くつもりだよ、陛下」
驚いた遊歩が視線を下に向けるとそこには見慣れた黒が見えた。姿と声でその黒が誰か分かった瞬間遊歩はよりによって今1番会ってはいけない人物に遭遇してしまったと頭を抱える。
「ゆめお…」
遊歩の手を掴んだ人物はダークメンの1人であり最古参のゆめおであった。彼は遊歩が最初に作り出した生命体(ダークメン)でありクヤムヤ同様ダークマイスターの正体が遊歩だと知っている数少ない特別な存在である。他のダークメンに対しては情が移らないようになるべく避けているのだがゆめおにだけは遊歩は自身の弱い所を見せられるそんな男ですあるのだが、そんな彼には一つ困った部分があるのだ。それはこの男がやたら遊歩に対して過保護に接してくることだ。
「今、何時だと思ってるんだよ。人間は寝ないと死んじまう生き物なんだろ?」
ゆめおは眉間に皺を寄せ怪訝そうな表情を浮かべながら遊歩を見下ろしている。
マズイ、こういう時のゆめおに下手な誤魔化しは効かない。
誤魔化したとしてもバレれば最後、待つのは永遠に説教される未来のみであることを学習している遊歩は正直に理由を述べることにした。
「ちょっとお水が飲みたくなっただけだよ、ゆめお」
「水だぁ?…それならアンタがわざわざ出向く必要はないだろ。俺が取りに行くからアンタは部屋にいろ」
「う、うん…分かったよ」
遊歩の正直な返答に対してゆめおは1人納得したのか、存外素直に受け止めつつその程度自分がやると告げると、それまで握っていた右手を離してから遊歩の背中を押し強引に部屋の中に戻す。遊歩が部屋の中に入った事を確認すると影の姿となりそのまま夜闇へと消えていった。相変わらず過保護なんだからとため息を吐いてから大人しくベッドに腰掛けるた。それから少しした頃、ゆめおは遊歩の前に音もなく現れた。
「待たせて悪かった」
「別に待ってないよ、ありがとうねゆめお」
「どういたしまして」
ゆめおは手にしていた水の入ったコップを遊歩に手渡すと、その場で遊歩を見下ろす。ゆめおが気まずさを感じながらも水を飲み干すと徐ろに隣に座ってきた。成人男性と同じぐらいの体躯の男が腰掛ける事でベッドのスプリンクラーが音を上げる。
「ねぇ、いつまでいるつもり?」
「アンタが寝るまで」
「はぁ?…あのねぇ、私そんな子どもじゃないんだけど」
「アンタの顔に、一緒にいてくれって書いてあるけど?」
「はぁ!?そんな訳ないでしょ!馬鹿なんじゃないの!」
「あ"〜、うるせぇなあ!いいから早く寝ろ!」
ゆめおは一向に寝付こうとしない遊歩に対してやや苛立ちを感じたので、こうなったら無理やりにでも寝させるしかないと考え、遊歩の身体をベッドの上に押し倒した後その隣に寝転んでみせた。突然の事に目を丸くさせる遊歩だが、異性と同じベッドの上という状況の意味を中学生の遊歩が理解出来ない訳もなく慌ててゆめおを押しのけようとする。
「ちょっと!女の子のベッドの上で寝ないでよ!!最低!」
「アンタがいつまでも寝ないからだろうが!早く寝ろ!」
「寝れるわけないでしょ、こんな状況で!?」
「ちっ、あー!もう、うるせえな!」
ゆめおは遊歩に対して思い切り舌打ちをした後に彼女の身体を自らの腕の中へ閉じ込めたかと思えば何を思ったのか背中を優しくさすり始めた。最初こそ腕の中から逃げようとした遊歩だったが彼によって生み出される一定のリズムとゆめお自身の体温が心地よい為次第に暴れることをやめ大人しく身を委ね始める。
「お、漸く大人しくなったか?」
「…うるさい、馬鹿ゆめお」
「そんな顔で言われても怖くねえよ」
あれだけ眠れないと思っていた遊歩だったが、いつの間にか少しずつ瞼が重くなり始めてきたことに気が付く。いつもこうだ、ゆめおは遊歩が困っていると何処からともなく現れて悪態をつきながら手を差し伸べて助けてくれる。それが堪らなく嬉しい。兄も友人も仲間も全てを捨てた筈なのに、まだ誰かに縋りたいという想いがあるのかと思いながらも遊歩はゆめおに縋ってしまう。それを知ってか知らずかゆめおはいつも遊歩の隣で彼女が伸ばしてきた腕を手に取りそして受け止める。
「ねぇ、何でゆめおはいつも私を助けてくれるの?」
「…」
「ゆめお?」
「…いいから早く寝ろ、明日も朝から早いんだろ」
「…分かってるよ、そんなこと…」
質問に対して回答をはぐらかされた気もするが、まぁ許してあげよう。何故なら今は無性に眠いから。それにしても何故ゆめおの腕の中がこんなに温かいんだろう、彼は元々ダークマター物質により生み出された存在だから温度なんてないはずなのに、そんな事を考えながらゆっくりと遊歩は瞼を閉じ眠りの世界へ旅立った。
「…やっと寝たか」
遊歩が眠りの世界へ向かった事を確認してからゆめおは額に唇を落とした。先程遊歩がゆめおに何故自分を助けるのかと問いかけたがその答えは1つだ。ゆめおが遊歩に手を差し伸べるのは仕えるべき主という以上の感情を抱いてる他ない。それが人間で言う恋愛感情なのかは分からないが、彼女により生命を与えられたあの日からずっとゆめおは遊歩に対して特別な感情を抱いてる。
「おやすみ、愛しい俺の陛下」
一言、そう告げてからゆめおは影の中へ沈み込んでいった。
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