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突然だが悩みがある。それは、恋人である鴻上了見さんに未だにちゃんと好きと言ったことがないことである。了見さんは、俺の人生で初めての恋人なのだが何せ全てにおいてのスペックが高い。頭良し!ルックス良し!声良し!デュエル強い!性格はクーデレ気味!という全てを兼ね備えている正真正銘のカースト上位人間である。そんな人がまさかの俺の様なキモオタ田キモ男を好きと言ってくれあまつさえ付き合って貰えるのは奇跡でしかないのだが、そのきっかけは了見さんからの半ば脅しに近い形で告白されたことであった。
俺と了見さんの出会いは、リンクブレインズなのだが交流を重ねて関係も深まった頃リアル世界で生身の状態で会わないかと勇気を出して誘い何とか初デートへこじつけたのだが、リアルでは初対面のその日に了見さんから「私と交際する気はあるのか?」と凄まれた事がきっかけで交際がスタートした。俺としては棚からぼた餅なので最初はラッキーぐらいにしか考えていなかったがその日に震え声で「お付き合いしてほしいです」と答えて以来俺から何か了見さんに対して言葉で好意を示したことがない。
一昔前の古風な男は、一緒に行動しているのだから言葉等要らないと言うかもしれないが今の世は令和だ。態度だけでなく言葉も必要だと俺は考えている。そもそも言葉にしないと相手の考えてる事なんて分からない。だからこそ何回か好きだと言おうとした事はあるのだが、いざ本人を目の前にすると緊張してしまい結局言えずじまいである。もしも、気持ちを伝えない事を理由に振られたら俺の人生はもう終わりだ。だからそんな絶望的な結末を回避する為にも作戦を練らねばならない。そう、完璧な計画をな。
「ゆめお、こんな所で何をしている」
「!!?!?!?!?!?!?」
太陽が沈み辺りを月の光が照らし始めた頃、俺は船の甲板にて黄昏れながら計画を練っていたところ突然後ろから名前を呼ばれたので振り返るとそこには了見さんがいた。驚く俺を他所に了見さんはいつもの涼やかな表情を浮かべている。うーん、こういうふとした時の表情すら様になるのだからイケメンというのは凄い。
「りょりょりょ了見さん!?どうしたんですか、こんな時間に!?」
「それはこちらの台詞だ、お前こそ何をしている」
「いや、あのー…その……あ!つ、月!…お月様を見てました!」
「月だと?」
何をしているのか、と聞かれた時貴方に対してどう好きと言うか考えていました!なんて言えるわけないので俺は咄嗟に夜空で俺達を見下ろしている月を指差した。当然ながら俺に月や星を鑑賞するロマンチックな趣味なんてないが。
「…ほぅ、お前にその様な趣味があるとはな。初耳だ」
了見さんは笑いを堪えるかのように口元に手を当てながら俺に好奇の視線を送る。普段クールな了見さんが笑うなんて、絶対これ俺が嘘ついてるとバレてるんじゃん。しかも、そんな笑う程なのかよ!?貴方の中の俺ってどんな印象なんですかと突っ込みたい所だがそれを堪えて俺は必死に口角を引き締める。嘘ついてるとバレていたとしても自分で言ってしまった手前それを貫くしかない。
「俺だって天体観測ぐらいしますよ!月だけじゃなくて星だって観ますしね」
「…ほぅ、ならばあの星の名を答えてみせろ」
了見さんが指すその先に見えるのは三角の形で輝く3つの星。よし、あれなら分かるぞ。小学校の時に授業で習った超有名な星座だからな!
「夏の大三角形ですね!」
「冬の大三角形だ。頂点がペテルギウス、その下にあるのがシリウスとプロキオンだろう」
「…」
「嘘を付くのならば、もう少しマシな嘘をつくんだな」
「おっしゃる通りで…」
季節は冬だと言うのに冬の星座を夏の星座だとドヤ顔で言うという痛恨のミスを犯した俺を了見さんは言葉の槍で容赦なく貫いてきた。てか、やっぱり嘘を付いてるとバレていたのか、と俺はただ肩を落とすことしかできなかった。や、今の俺めちゃくちゃダサくね?最悪だわ、俺はデッキの柵に腕をつき項垂れた。
「お前はさっきから何を1人で百面相しているのだ」
「え、本当ですか?嘘、やだ〜!」
「…」
「…すみません、冗談です」
今、絶対了見さんから疑いが含まれた視線を向けられている気がする。目を合わせるのが怖くて見れないが絶対そうだ。だって隣からすげぇ圧を感じる。どうする、さっきも言ったが俺は嘘を付くのが下手だ、それも壊滅的なまでに。だから、ここで下手な言い訳をしたところで意味はない。ならばどうする、どうすればいいんだ!?
「…あ、」
その時、ふと俺はある事に気付いた。それは俺達の真上で控えめながらも月明かりで俺達を照らす満月の存在だ。夜の海で二人きりの状況ってめちゃくちゃロマンチックではないか?ということに気付いた。そして、そこから俺は近代から我が国に伝わるある文豪の言葉を思い出した。これだ、これを使うしかない。俺は深く息を吸った後に了見さんに対して正面を向いてみせた。
「了見さん」
「なんだ?」
「あの、突然ですが、…あのー、そのー…こ、今夜は…つ、月が…綺麗ですね…」
あまりにも有名すぎて意味を説明する必要もない夏目漱石の「月が綺麗ですね」。はっきり言えれば良いのだがやはり恥ずかしいので、遠回しのそして精一杯のI LOVE YOUを言ってみたのだが、こっちの方が余程恥ずかしいかもしれん。どこぞのキザ男だよと。
「あ、あの…了見、さん?」
「…」
そして、言ったのは良いんだが了見さんが何も反応してくれないんだが。これ、まさかキモいとか思われているのでは?え、もしかして俺やっちゃいました?…いや、やらかしたわ。これは完全に。最悪だわ、何かもう死にたくなってきた
「すみません、今のは冗談「ゆめお」…は、はい!?」
「…お前は、これからも私と共に月を見てくれるか?」
俺が1人白目を剥き絶望していると了見さんに名前を呼ばれたので我に返ると隣にいる了見さんにジッと見つめられたかと思えば言葉を投げ掛けられた。私と共に月を見てくれるか、というのはどういう意味だ?え、てか月が綺麗ですねに対しての返しの言葉みたいなのがあるのか?知らなかったんだが。現国をもう少し真面目に勉強しておけば良かった。
「いつまでも黙っていないで早く返答を聞かせろ」
「あ!すみません!!俺は了見さんさえ良ければですが、これからもずっと一緒に月が見たいです!」
「そうか…ならばいい」
「!了見さん!?」
「少し黙っていろ、折角の雰囲気を台無しにする気か?」
俺が返答をすると了見さんは俺に抱き着いてきた。突然の事に動揺した俺は喚きながら両腕を宙で揺らしていたが、これは抱き締め返す流れだということに気付き、恐る恐る了見さんの背中に腕を回してみる。了見さんの身体は想像していたよりも細くて何より温かい。人の体温というのはこんなにも心地よいいものなのかと考えていると了見さんがポツリと呟いた。
「まさか、お前に一手取られるとはな」
「え、」
「次回も期待しているぞ」
「ウス…」
とりあえず俺の作戦は成功したようだが、逆に2回目以降のハードルが上がってしまった様な気がするのだが果たしてこれは気の所為だろうか。とりあえずラブストーリーものの漫画を読むとするか。
俺と了見さんの出会いは、リンクブレインズなのだが交流を重ねて関係も深まった頃リアル世界で生身の状態で会わないかと勇気を出して誘い何とか初デートへこじつけたのだが、リアルでは初対面のその日に了見さんから「私と交際する気はあるのか?」と凄まれた事がきっかけで交際がスタートした。俺としては棚からぼた餅なので最初はラッキーぐらいにしか考えていなかったがその日に震え声で「お付き合いしてほしいです」と答えて以来俺から何か了見さんに対して言葉で好意を示したことがない。
一昔前の古風な男は、一緒に行動しているのだから言葉等要らないと言うかもしれないが今の世は令和だ。態度だけでなく言葉も必要だと俺は考えている。そもそも言葉にしないと相手の考えてる事なんて分からない。だからこそ何回か好きだと言おうとした事はあるのだが、いざ本人を目の前にすると緊張してしまい結局言えずじまいである。もしも、気持ちを伝えない事を理由に振られたら俺の人生はもう終わりだ。だからそんな絶望的な結末を回避する為にも作戦を練らねばならない。そう、完璧な計画をな。
「ゆめお、こんな所で何をしている」
「!!?!?!?!?!?!?」
太陽が沈み辺りを月の光が照らし始めた頃、俺は船の甲板にて黄昏れながら計画を練っていたところ突然後ろから名前を呼ばれたので振り返るとそこには了見さんがいた。驚く俺を他所に了見さんはいつもの涼やかな表情を浮かべている。うーん、こういうふとした時の表情すら様になるのだからイケメンというのは凄い。
「りょりょりょ了見さん!?どうしたんですか、こんな時間に!?」
「それはこちらの台詞だ、お前こそ何をしている」
「いや、あのー…その……あ!つ、月!…お月様を見てました!」
「月だと?」
何をしているのか、と聞かれた時貴方に対してどう好きと言うか考えていました!なんて言えるわけないので俺は咄嗟に夜空で俺達を見下ろしている月を指差した。当然ながら俺に月や星を鑑賞するロマンチックな趣味なんてないが。
「…ほぅ、お前にその様な趣味があるとはな。初耳だ」
了見さんは笑いを堪えるかのように口元に手を当てながら俺に好奇の視線を送る。普段クールな了見さんが笑うなんて、絶対これ俺が嘘ついてるとバレてるんじゃん。しかも、そんな笑う程なのかよ!?貴方の中の俺ってどんな印象なんですかと突っ込みたい所だがそれを堪えて俺は必死に口角を引き締める。嘘ついてるとバレていたとしても自分で言ってしまった手前それを貫くしかない。
「俺だって天体観測ぐらいしますよ!月だけじゃなくて星だって観ますしね」
「…ほぅ、ならばあの星の名を答えてみせろ」
了見さんが指すその先に見えるのは三角の形で輝く3つの星。よし、あれなら分かるぞ。小学校の時に授業で習った超有名な星座だからな!
「夏の大三角形ですね!」
「冬の大三角形だ。頂点がペテルギウス、その下にあるのがシリウスとプロキオンだろう」
「…」
「嘘を付くのならば、もう少しマシな嘘をつくんだな」
「おっしゃる通りで…」
季節は冬だと言うのに冬の星座を夏の星座だとドヤ顔で言うという痛恨のミスを犯した俺を了見さんは言葉の槍で容赦なく貫いてきた。てか、やっぱり嘘を付いてるとバレていたのか、と俺はただ肩を落とすことしかできなかった。や、今の俺めちゃくちゃダサくね?最悪だわ、俺はデッキの柵に腕をつき項垂れた。
「お前はさっきから何を1人で百面相しているのだ」
「え、本当ですか?嘘、やだ〜!」
「…」
「…すみません、冗談です」
今、絶対了見さんから疑いが含まれた視線を向けられている気がする。目を合わせるのが怖くて見れないが絶対そうだ。だって隣からすげぇ圧を感じる。どうする、さっきも言ったが俺は嘘を付くのが下手だ、それも壊滅的なまでに。だから、ここで下手な言い訳をしたところで意味はない。ならばどうする、どうすればいいんだ!?
「…あ、」
その時、ふと俺はある事に気付いた。それは俺達の真上で控えめながらも月明かりで俺達を照らす満月の存在だ。夜の海で二人きりの状況ってめちゃくちゃロマンチックではないか?ということに気付いた。そして、そこから俺は近代から我が国に伝わるある文豪の言葉を思い出した。これだ、これを使うしかない。俺は深く息を吸った後に了見さんに対して正面を向いてみせた。
「了見さん」
「なんだ?」
「あの、突然ですが、…あのー、そのー…こ、今夜は…つ、月が…綺麗ですね…」
あまりにも有名すぎて意味を説明する必要もない夏目漱石の「月が綺麗ですね」。はっきり言えれば良いのだがやはり恥ずかしいので、遠回しのそして精一杯のI LOVE YOUを言ってみたのだが、こっちの方が余程恥ずかしいかもしれん。どこぞのキザ男だよと。
「あ、あの…了見、さん?」
「…」
そして、言ったのは良いんだが了見さんが何も反応してくれないんだが。これ、まさかキモいとか思われているのでは?え、もしかして俺やっちゃいました?…いや、やらかしたわ。これは完全に。最悪だわ、何かもう死にたくなってきた
「すみません、今のは冗談「ゆめお」…は、はい!?」
「…お前は、これからも私と共に月を見てくれるか?」
俺が1人白目を剥き絶望していると了見さんに名前を呼ばれたので我に返ると隣にいる了見さんにジッと見つめられたかと思えば言葉を投げ掛けられた。私と共に月を見てくれるか、というのはどういう意味だ?え、てか月が綺麗ですねに対しての返しの言葉みたいなのがあるのか?知らなかったんだが。現国をもう少し真面目に勉強しておけば良かった。
「いつまでも黙っていないで早く返答を聞かせろ」
「あ!すみません!!俺は了見さんさえ良ければですが、これからもずっと一緒に月が見たいです!」
「そうか…ならばいい」
「!了見さん!?」
「少し黙っていろ、折角の雰囲気を台無しにする気か?」
俺が返答をすると了見さんは俺に抱き着いてきた。突然の事に動揺した俺は喚きながら両腕を宙で揺らしていたが、これは抱き締め返す流れだということに気付き、恐る恐る了見さんの背中に腕を回してみる。了見さんの身体は想像していたよりも細くて何より温かい。人の体温というのはこんなにも心地よいいものなのかと考えていると了見さんがポツリと呟いた。
「まさか、お前に一手取られるとはな」
「え、」
「次回も期待しているぞ」
「ウス…」
とりあえず俺の作戦は成功したようだが、逆に2回目以降のハードルが上がってしまった様な気がするのだが果たしてこれは気の所為だろうか。とりあえずラブストーリーものの漫画を読むとするか。