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朝、痛む頭を抑えながら隣を見た時、俺は背筋が凍りついた。そこには、墓守の一族の当主であるマリク・イシュタール様が眠っていたからだ。しかも、そのマリク様の身体には、無数の鬱血痕がついている。ドン引きするぐらい。これ、誰がやったんだよ?え、俺?嘘だろと狼狽える俺に追い打ちをかけるように、ベッドの脇のテーブルの上に置かれた酒瓶と床に脱ぎ捨てられた服。視界に入るそれらを見て何が起きたか直ぐに分かった。
「いやいやいやいやまずいだろ、これは」
最悪だ、ただの使用人である俺があろうことかマリク様と一夜を共に過ごしてしまったようだ。一体どうやって?と思い出そうとしても昨夜の記憶が殆ど思い出せない。思い出せるとするのならば、記憶の片隅にあるマリク様の潤んだ瞳だけ。昨夜の俺をぶん殴りたくなりつつも、この事がバレたら俺は終わりなので必死にない頭を振り絞ってこの窮地を脱する策を考える。どうする?誠心誠意謝って許されるなんて筈ない。良くて鞭打、悪くて死罪だ。嫌だ、一夜の過ちで命の危険に晒されるなんて!
よし、こうなったら逃げよう。使用人を辞めて、どこか別の国で生まれ変わるんだ。そう決意した俺は、音を立てないようにゆっくりベッドの上から降り、自身の服を手に取ろうとした時、誰かが俺の腕を掴んだ…まぁ、誰かなんて言うが一人しかいないんだがな
「どこに行くつもりだ?ゆめお」
「ま、マリク様…」
錆びた機械の様に、ギギギと音を立てながらゆっくり振り返ると、
そこにはマリク様が俺のことを睨みつけていた。やばい、めちゃくちゃ怒ってるじゃん。終わったわ、俺の人生
「この僕を傷物にしておきながら、ヤリ捨てなんて最低だな」
「ヤリ捨てではないですよ…その、ちょっとトイレに行きたくて」
「ゆめおは嘘を付く時、いつも目線が右斜め上に行くよな」
「うぐっ……この度は誠に申し訳ございませんでした、マリク様!!どうか、どうかお許しを!!」
俺の癖を見事言い当てられてしまい、言い逃れ出来る余地を奪われた俺はその場で土下座をした。頭上から降り注ぐマリク様の視線が痛い、身体中に穴があきそうだ。
「昨日は酷かったよ。酒に酔って嫌がる僕を無理やり押し倒してこの身体を暴いたのだから」
「申し訳ございません……」
「もう無理と言っても、何度も何度も僕の中に挿入して好き勝手中出しまでして」
「本当に申し訳ございません…」
マリク様の言葉が、俺にダイレクトアタックしてくる為俺のライフポイントはもう0に近い。何やってるんだよ、昨夜の俺。こんなのただの強姦じゃねえかよ。許される訳がない、イシズ様ではないが自分の未来が見えた気がする。俺が静かに自身の未来を悟っていると、マリク様の細い足により地に向けられていた顎を強制的に持ち上げられた。
「まぁ、僕は寛大だから特別に許してあげてもいいよ。その代わり条件がある」
「本当ですか!?」
少しの沈黙を経て、マリク様が口を開いた。何と、条件付きではあるが一夜の過ちを許してくれると。俺は、藁にも縋る思いでマリク様の顔を見上げる。自分の命惜しさに何て情けない男だと笑われるかとしれないが、一向に構わない。笑いたければ笑えばいい。
「僕からの許しが欲しいのなら、今日から僕の恋人になれ。そうしたら許してやる」
え、まじで?と思いながらも俺に拒否権はない為、素直に従う他ない。俺は首を縦に振ってからマリク様の足の甲にキスをすると、マリク様は笑みを浮かべた。
「これで、ゆめおお前は僕のモノだな」
後から聞いた話だが、あの日俺はマリク様に部屋に呼ばれた後そ俺は浴びる程に酒を飲ませられ完全に酩酊状態となった。そんな俺をマリク様が押し倒して、SEXにまで持ち込んだそうだ。つまり、あの日の事は全てマリク様が仕組んでいたのだとか。
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